ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

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2023.01.15

サンデー早起キネマ『ヒトラーのための虐殺会議』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
1/15は、3つの国の衝撃の3本をご紹介。

1本目は、81年前の1/20に実際に行われた会議を元に作られた
『ヒトラーのための虐殺会議』

1942年1月20日正午からドイツ・ベルリンの湖・ヴァンゼーの湖畔にある豪華な別荘で実際に開かれた史上最悪の会議〈ヴァンゼー会議〉。
議題は「ユダヤ人問題の最終解決」。ヨーロッパにおける1,100万ものユダヤ人を計画的に抹殺するための話し合いで、東ヨーロッパの絶滅収容所へ強制送還する始まりとなった会議なのです。
国家保安部長官で親衛隊大将のラインハルト・ハイドリヒに招かれた出席者は、ナチス親衛隊と各事務次官など15名。
この作品は、出席者の1人、親衛隊中佐アドルフ・アイヒマンが記録した議事録に基づき80年後の2022年にドイツで制作されました。

作品は112分、実際に行われた会議はたったの90分。丸々会議の様子が描かれています。
会議のためにヴァンゼー湖畔の瀟洒な別荘に集まってくる人々、そして、休憩時間を含めた会議の一部始終、やがて会議の終了後三々五々帰っていくメンバーの様子が描かれています。
費用を抑えて、大量に効率よく、特定の人の心的負担にならないように分担制にする…など、はっきりいってビジネス会議を観ているかのような錯覚に陥ります。

でも言葉にすると、「1,100万人のユダヤ人を大量に輸送するにはどうすればいいいか?」「当時行われていた銃殺では銃弾が大量に必要になるため、もっと効率のいい虐殺方法はないのか?」など、恐ろしくて耳をふさぎたくなります。
大量虐殺に対して反論する人がただの1人もいない異様な光景…
「事件は会議室で起きているんじゃない!現場で起きているんだ!」という言葉が流行りましたが、会議室で会議をしている人たちは、1,100万人をどうするかを考えていても、人間が一人一人集まって1,100万人になるということをわかっていないんですよね。

自分も会議に参加したようで、グッタリ。歴史の目撃者になった気分です。
でも、この会議室で起きたことは80年前のことではないんです。
戦争で多くの人たちの命が失われている今、まさにどこかの国のどこかの会議室で起きていることなのです。だから是非、この作品を観て、考えて頂きたいのです。

『ヒトラーのための虐殺会議』
2023年1月20日(金)より
新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開!

公式サイト:https://klockworx-v.com/conference/  
監督:マッティ・ゲショネック
キャスト:フィリップ・ホフマイヤー、ヨハネス・アルマイヤー、マキシミリアン・ブリュックナー
2022年/ドイツ/112分/ビスタ/5.1ch
原題:Die Wannseekonferenz/英題:THE CONFERENCE/字幕翻訳:吉川美奈子/字幕監修:柳原伸洋
配給:クロックワークス/G
© 2021 Constantin Television GmbH, ZDF

 

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      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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