ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2023.01.15

サンデー早起キネマ『母の聖戦』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
1/15は、3つの国の衝撃の3本をご紹介。

衝撃の作品、2本目は、メキシコの実話をベースに、巨大化された“誘拐ビジネス”の闇に迫ったクライムスリラー
『母の聖戦』

主人公は、メキシコ北部の町で暮らすシングルマザー・シエロ。
ある日、ボーイフレンドに会うと出かけていった一人娘10代のラウラが、犯罪組織に誘拐されてしまいます。
冷酷な脅迫者の要求に従い、20万ペソの身代金を支払ったもののラウラは帰ってきません。
警察に相談しても全く相手にされず、自力で娘を取り戻すことを誓ったシエロは、ひとり犯罪組織の調査に乗り出しますが、それに気づいた犯罪組織は彼女の自宅に発砲、放火し、容赦ない脅しをかけてきます。
恐怖のどん底に突き落とされたシエロに意外な提案を持ち掛けてきたのは、軍のパトロール部隊を率いるラマルケ中尉でした。この町に着任して間もない彼は、シエロが集めた犯罪組織の情報と引き換えにラウラの捜索を助けるというのです。
中尉と協力関係を結んだシエロは、誘拐ビジネスの闇、血生臭い実態を目の当たりにしていきます。
危険を顧みず、娘の捜索を続けるシエロが手繰り寄せる真実とは?

メガホンを取ったのは、ドキュメンタリー出身でこれが劇映画デビュー作、ルーマニア生まれでベルギーを拠点に活動しているテオドラ・アナ・ミハイ監督。
彼女は、メキシコで出会った母親の言葉を聞いてこの物語を語るべきだと気づいたといいます。
それは「毎朝起きるたびに、拳銃で自殺するか、人を撃ちたい」という言葉。
平凡な母親が一体何を経験したのか?その命がけの闘争を描いたのです。

犯罪組織による誘拐ビジネスが横行するメキシコでは、2020年には826件の誘拐事件が報告されていますが、届け出率はわずか1.4%というのですから、実際には年間6万件の誘拐事件が頻発していると推定されます。
対象は必ずしも富裕層というわけではなく、一般市民が対象になっているのです。

メキシコといえば、麻薬戦争を思い浮かべる方も多いと思いますが、同時に誘拐ビジネスも横行していたのですね。ここまでとは…衝撃でした。
ただ、シエロのように、一般市民が、突然理不尽に巻き込まれることはどこででも起こりえます。
母が子供のために戦うという思いも誰もが共感できるのではないでしょうか?人はみな、母親ではなくとも誰かの子供だったのですから。

『母の聖戦』
2023年1月20日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー

公式サイト:https://www.hark3.com/haha
監督:テオドラ・アナ・ミハイ 
出演:アルセリア・ラミレス、アルバロ・ゲレロ、アジェレン・ムソ、ホルヘ・A・ヒメネス
2021年/ベルギー・ルーマニア・メキシコ合作/135分/カラー/スペイン語/5.1chデジタル/ビスタサイズ  
配給:ハーク 
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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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