ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2022.11.20

サンデー早起キネマ『宮松と山下』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
11/20は、主人公が圧倒的な魅力を放つ3本をご紹介。

1本目は、注目の監督集団“5月”の長編デビュー作、驚きの演技に感嘆する
『宮松と山下』

監督集団“5月”は、多くの名作CMや教育番組「ピタゴラスイッチ」を手掛けてきた東京藝術大学名誉教授・佐藤雅彦氏の研究室から生まれました。
新しい映画表現の開拓を唱え、制作した短編作品2本が、目指していたカンヌ国際映画祭短編コンペティション部門から正式に招待。その中心メンバーがNHKでドラマの演出をしてきた関友太郎氏とメディアデザインを手掛ける平瀬謙太朗氏。
監督集団“5月”は、佐藤教授と関氏、平瀬氏の3人のユニットなのです。

この作品の主人公、宮松は大部屋のエキストラ俳優。来る日も来る日も名もなき登場人物を演じ、銃で撃たれ、刀で斬られ、弓矢で射られ、画面の端に消えていきます。
生活のためにロープウェイの会社で働き、慎ましく静かな日々を送っている宮松ですが、実は過去の記憶がありません。
何が好きだったのか、どこで何をしていたのか、自分は何者なのか…何も思い出せない中、彼は、毎日数ページだけ渡される台本の「主人公ではない人生」を真面目に演じ続けます。
そんな宮松のもとへ、ある日、一人の男が訪ねてきます……。

表面上は淡々と静か、でも見えないところ、記憶の下で沢山の思いが渦巻いているような作品です。
実際の宮松と役者として演じている宮松が混在し、戸惑いますが、そこが予期できず面白い!
何も覚えていないはずの過去が立ち上がってくる時、まるで見えるものが変わってきます。「うぉ~!そーだったのか?!宮松ぅ~っ!」切なさで胸が押しつぶされそうになります。

宮松を演じたのは、14年ぶりに単独主演の香川照之さん。テレビドラマでは“ド派手な演技”という印象ですが、今回はとても静か。でも“顔”です!微妙な表情の変化にすべてが込められたすごい演技に、ただただ驚きました。彼の顔を見るだけでこの作品を観る価値があります‼
他に、津田寛治さん、尾美としのりさん、中越典子さんなど、実力派が揃いました。
大部屋のエキストラ俳優たちが撮影に臨む姿も是非ご覧ください。

名もなき誰かを演じ、名もなき自分を演じる…エキストラ俳優、宮松が出会うもう一人の自分とは?
是非、劇場で見届けて下さい。

『宮松と山下』
11/18(金)新宿武蔵野館、渋谷シネクイント、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー

公式サイト:https://bitters.co.jp/miyamatsu_yamashita/
キャスト:香川照之 津田寛治 尾美としのり 中越典子
監督・脚本・編集:関友太郎 平瀬謙太朗 佐藤雅彦
配給:ビターズ・エンド
2022/87分/日本/カラー/ヴィスタ
©2022『宮松と山下』製作委員会

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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