ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

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2022.01.16

サンデー早起キネマ『ライダーズ・オブ・ジャスティス』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
1/16は、何かを護るために闘う男たちの物語を3作品ご紹介。

2本目の闘う男は、殺された妻の復讐に燃える軍人!
北欧の至宝、国際派俳優のマッツ・ミケルセン主演
『ライダーズ・オブ・ジャスティス』

去年のアカデミー賞・国際長編映画賞を受賞、このコーナーでもご紹介した『アナザーラウンド』とは全く違うマッツが登場。今回は、頭を坊主にして髭を蓄えたワイルドな軍人です。

「妻が列車事故で亡くなった」という知らせを受け、軍人のマークスは赴任地のアフガニスタンから娘マチルデの元へ帰国します。
悲しみに暮れる娘を前に無力感に苛まれるマークスを、ある日、男たちが訪ねてきます。
そのうちの1人は妻と同じ列車に乗っていたというオットー。
彼は、「列車事故は“ライダーズ・オブ・ジャスティス”という犯罪組織が、殺人事件の重要な証人を暗殺するために起こした事件だ」というのです。
怒りに打ち震えるマークスは、妻の無念を晴らすため、オットーらの協力を得て復讐に身を投じていくのですが、事態は思わぬ方向に動き始めます!

ある日突然、大切な人を亡くしてしまったら、人はどうなるのでしょうか?
誰かのせいにして、怒りをぶつけ、復讐で乗り越えようとするマークス。
反対に、マチルデは、「母が亡くなったのは偶然じゃないかも」と考えます。
偶然とは何か、偶然が重なると必然になるのか?などなど、見ているこちらも考えてしまいます。
そして、「何か問題が起きた時、人はどのような方法で解決していくのか」や、「どのようにして
悲しみを乗り越えていくのか」など、生きていく上でとても大切なことが、この作品に込められています。

悲劇と喜劇は紙一重と言いますが、それにしてもこの作品、なぜこんなに笑えるのでしょうか?
オットーをはじめ、マークスに協力する3人の男たちがとってもユニークなんです。
彼らは、確率やハッキングや顔認証など、理数系のスペシャリスト。凄い能力を持っているのに、つまらないことで意地を張ったり喧嘩をしたり、子供みたいなんです。
実は、それぞれがつらい過去に囚われていて、抜け出せずにいます。
そんな大人たちが集まることで何かが生まれ変わっていきます。マチルデも変わっていきます。
アナス・トマス・イェンセン監督は、「ユーモアは、辛い時や酷いことが起きた時に見方を変えてくれる。ユーモアは確実に物語の中でも人生でも助けになる」と述べています。
とても重い問題をユーモアでくるんだ感じで、不思議な魅力ある作品です。

辛く悲しい出来事に出会ってしまった人たちが集まり、一緒に過ごすことで癒されていく。
まるでゴツゴツした石ころが、川に流されていくうちに丸くなるように…。人は人で磨かれるんだなぁと改めて思えます。
暴力的だけど笑える愛おしい作品、観た後はなぜかほっこり、寒い冬にピッタリです。

『ライダーズ・オブ・ジャスティス』

2022年1月21日(金) より 新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

公式サイト:https://klockworx-v.com/roj/

監督・脚本:アナス・トマス・イェンセン 
出演:マッツ・ミケルセン、ニコライ・リー・コース、アンドレア・ハイク・ガデベルグ、
ラース・ブリグマン、ニコラス・ブロ、グスタフ・リンド、ローラン・ムラ
2020年|デンマーク・スウェーデン・フィンランド|カラー|シネスコ|5.1ch|116分|デンマーク語ほか|日本語字幕:平井かおり|原題:RETFÆRDIGHEDENS RYTTERE|英題:RIDERS OF JUSTICE|PG12|
配給:クロックワークス
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      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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