おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
5/31は、観た後に希望が湧いてくる作品を2本ご紹介しました。
2本目は、コロナで延期になっていましたが、やっとご紹介できます。
是非女性にご覧頂きたい作品
『女たち』

舞台は、豊かな緑と真っ青な広い空が広がる山間の田舎の町。
主人公は、年老いた体の不自由な母・美津子の介護をしながら学童保育で働く美咲。
美津子は就職も結婚もうまくいかない娘が気に入らず、自分の境遇もすべて娘のせいにし、「あんたなんて産まなきゃよかった」と罵詈雑言を浴びせる日々を送っています。
2人暮らしでどうしようもなく鬱憤が溜まっている美咲のオアシスは、介護ヘルパーの直樹。
そして、近くで養蜂場を営む幼馴染で親友の香織。彼女が作ったハチミツは、甘く優しく荒んだ美咲の心を癒してくれます。
そんなある日、直樹が自分を裏切っていたことが発覚、さらには心の拠り所の香織が突然命を絶ってしまうのです。
心がぽっきり折れてしまった美咲は、崩壊へと向かっていきます…。果たして美咲の行く先は?

『女たち』は、「女優たち」と言い換えたいくらい本当に素晴らしい演技のぶつかり合いです。
すべてがうまくいかず、毒母の介護にも疲れ果て、欝々とした日々を送る美咲を演じたのは、篠原ゆき子さん。抑圧と解放を全身全霊で演じ切り、目が離せませんでした。
そして、イライラした思いを娘にぶつける美津子役は高畑淳子さん。驚くほど凄まじい渾身の演技!白髪交じりの髪を振り乱し絶叫する姿は、まさしく毒母・美津子、その人でした。
そして、蜜蜂を飼い誰もが癒されるハチミツを作る香織役には倉科カナさん。明るく可愛いイメージから一転、精神的に不安定で孤独な女性を、美しい透明感で演じました。10分に及ぶ長回し一発撮りの「土砂降りの雨の中の壮絶なシーン」は忘れられません。

どんなに美しい自然の中でも、人の思いは閉塞感を作り出してしまいます。
そして、閉塞感から抜け出そうと、ワーッと叫んだり、地団駄踏んだり、泥だんごをぶつけたくなったり…あがきたくなるのが人間です。
でも、そこから連れ出してくれるのは、そんな攻撃的なことではなく、甘く口の中に広がるハチミツのような優しさなのかもしれません。「ありがとう」の言葉のような。

誰の心の中にも、美咲や香織、美津子は存在します。イライラも寂しさも悲しみも恐怖も焦りも…
彼女の苦しみは私の中にある。彼女たちの救いは私たちの中にもある。
泣いて泣いて悲しみと向き合い、苛立ちも話し合って解決する、感情は正直にぶつけていかないとワインの澱のように心の底に溜まってしまうのかもしれませんね。
この作品を観て、私の中の“彼女たち”も慰められました。

チームオクヤマ25周年
『女たち』
6月1日(火)TOHOシネマズ シャンテ他全国公開!
公式サイト:https://onnatachi.official-movie.com
©「女たち」製作委員会
配給 : シネメディア、チームオクヤマ

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