スポーツ伝説

2023.03.31

2023年3月27日~31日の放送内容

【プロ野球  青柳晃洋投手】
 ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手や、千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手など、近年球界では背番号17のエースが増えています。その17番を今シーズン新たにつけるのが、阪神タイガースの青柳投手です。2021年、最多勝と最高勝率の2つのタイトルを獲得し、球界を代表するピッチャーになった青柳投手は、昨シーズンもその勢いは止らず、交流戦では3試合に登板して自責点0。交流戦防御率0.00という史上2人目の快挙を達成します。シーズン全体を通しても抜群の安定感を誇り、防御率2.05で最優秀防御率のタイトルを初めて獲得。さらに13勝4敗という成績で、2年連続で最多勝と最高勝率のタイトルを手にしました。この2つを2年連続で獲得したのは、昨年パ・リーグでこの記録を達成したオリックスの山本由伸投手と並ぶ、プロ野球史上初の快挙です。
 昨シーズンまで本人も「愛着がある」という背番号50をつけ、素晴らしい投球を続けてきた青柳投手。いつか野球を始めた当初からの原点でもある17番をつけたいと思っていましたが、この番号は昨シーズンまで先輩の岩貞祐太投手がつけていました。その岩貞投手が今シーズンから背番号を14番に変えたことで、空き番となったのです。愛着の50か、原点の17か。悩んでいた青柳投手の背中を押してくれたのが岩貞投手でした。「岩貞さんみたいな、後輩思いの先輩になれるように頑張りたい」と決意を語った青柳投手。新たな番号を背に、虎のエースが新たなシーズンへ挑みます。

   
【プロ野球  田中正義投手】
 今年1月、FAで福岡ソフトバンクホークスに移籍した近藤健介選手の人的補償として、北海道日本ハムファイターズへ移籍した田中投手。創価大学出身の田中投手は、188㎝の長身から投げ下ろす最速156キロのストレートが魅力の即戦力ピッチャーとして、2016年のドラフトでは5球団が1位で指名。抽選で交渉権を獲得したソフトバンクに入団します。ところが相次ぐケガに悩まされ、これまでの6年間で通算登板数はわずか34試合。0勝1敗とプロ初勝利をいまだにつかめていません。しかし獲得した日本ハムの稲葉篤紀GMは「彼はこんなもんじゃない。もっともっと、伸びしろがあると思っています」と、期待を寄せました。
 日本ハムが田中投手を選んだのは、新庄剛志監督も田中投手のストレートを高く評価していたからです。オープン戦では当初、本人が望んでいた先発候補として起用しましたが、新庄監督はスタミナ面を心配し、3月11日の阪神とのオープン戦ではリリーフを試します。するとバッターの手元でグッと伸びるストレートが生き、田中投手は見事に1イニングを三者凡退に抑えました。新庄監督は田中投手のストレートを絶賛。田中投手も配置転換を前向きにとらえています。「福岡PayPayドームで投げるときには、抑えられるように頑張ります」と古巣への恩返しを誓った田中投手。野球人生の転機となる7年目に目指すのは、新天地での優勝と、まだ手にしていないプロ初勝利です。

  
【プロ野球  龍空選手】
 2020年のドラフトでは高校球界屈指のショートとして、中日ドラゴンズから3位指名を受け入団した龍空選手。滋賀県の近江高校から入団した時はフルネームの登録名でしたが、今シーズンから名前だけの龍空に変更。昨シーズンは不動のショートだった京田陽太選手が不振で2軍落ちしたのをきっかけに、後半から代わってショートに定着すると、華麗な守備を見せて自己最多の62試合に出場しました。試合前の早出練習で荒木雅博コーチのノックを受け、守備のレベルアップを重ねた努力がレギュラーの座を固めていったのです。
 打撃は昨シーズンの打率が2割4分8厘でしたが、得点圏打率が跳ね上がり、3割3分3厘。ここぞという場面での勝負強さが光りました。その勝負強いバッティングがいかんなく発揮されたのが、昨年8月19日。本拠地・バンテリンドームで行われた東京ヤクルト戦です。3対3の同点で迎えた9回ウラ、中日は先頭の木下拓哉選手が三塁打を放って、一打サヨナラのチャンスをつくります。ここでヤクルトは続く2人を連続で申告敬遠し、塁を埋めて龍空選手との勝負を選びました。龍空選手は清水昇投手が投げた低めのフォークを打つと、打球は一・二塁間を抜けるサヨナラヒットに。この日は、幼い頃から憧れていた立浪和義監督の誕生日でもありました。「監督の誕生日を勝利で祝えてよかったです」とお立ち台で語った龍空選手。今年は憧れの人がかつて守っていたショートを、誰にも渡さない覚悟でシーズンに臨みます。

【プロ野球  西川龍馬選手】
 元チームメイトのシカゴ・カブス、鈴木誠也選手と同学年で、その鈴木選手に「天才」と言わしめた打撃センスを誇る、広島カープ・西川選手。その卓越した打撃センスは、今年からカープを指揮する新井貴浩新監督も目を丸くしたほど。昨シーズンの西川選手は、そこに勝負強さが加わりました。開幕直後の阪神戦では、1点を追う9回、ワンナウト満塁の場面でサヨナラ2点タイムリーを放ちます。この年セ・リーグ最初のサヨナラヒットで、自身にとってもサヨナラヒットはプロ入り初の出来事でした。また5月の横浜DeNA戦では、延長10回にプロ入り初のサヨナラホームラン。ファンの期待に応えるバッティングを何度も見せてくれました。その後はケガもあって、規定打席には到達出来ませんでしたが西川選手が残した打率3割1分5厘は、リーグ2位に値する成績でした。
 昨シーズン途中、国内FAの権利を取得した西川選手ですが、権利を行使することなく、カープ残留を決意します。残留にあたり、今年の目標として、打率3割・ホームラン25本という高いハードルを自らに課しました。その決意を後押しするのが、今年から新たにつける背番号5です。この番号は、古巣・巨人に移籍した大先輩・長野久義選手がつけていた番号。二人は、本拠地・マツダスタジアムのロッカーが隣同士で、公私にわたりお世話になっていたという西川選手。プロ初のサヨナラヒットを打った時、真っ先に駆け寄り、抱き上げてくれたのも長野選手でした。「番号に恥じぬように。長野選手に頑張っているな、と思ってもらえるようにやっていきたい」と語る西川選手。先輩のエールを背にプロ8年目に挑みます。

 

【プロ野球 嶺井博希選手】
 沖縄尚学高校2年生の時に、1学年上の東浜巨投手とバッテリーを組み、春のセンバツ優勝を成し遂げた嶺井選手。卒業後は東浜投手と同じ亜細亜大学に進学し、2013年のドラフト3位で横浜DeNAベイスターズに入団します。プロ9年目の昨シーズンは自己最多の93試合。強気のリードが特徴で、6月には北海道日本ハム戦で今永昇太投手のノーヒットノーラン達成をアシストしました。シーズンオフになると、嶺井選手は国内FA権を行使して東浜投手が所属する福岡ソフトバンクホークスへの移籍を決断。センバツ優勝バッテリーが復活することになりました。
 ソフトバンクへの移籍は大きな賭けでもあります。侍ジャパンでもマスクをかぶった正捕手・甲斐拓也選手がいて、その牙城を崩すのは簡単なことではありません。それでも1試合でも多く出たいと語る嶺井選手の武器の1つが、プロ初ヒットがサヨナラタイムリーという勝負強いバッティングです。20年は代打での打率が4割4分4厘、得点圏打率5割という数字を残し、昨年も6月の阪神戦でサヨナラヒットを放っています。故郷・沖縄に近い九州でプレーできることも、大きな発奮材料となっています。「地元に帰ってきたという気持ちでやっていきたい」と語った嶺井選手が、3年ぶりのパ・リーグ制覇と日本一を目指すチームに新しい風を吹き込みます。

 

来週のスポーツ伝説は……
4/3(月) プロ野球 柳田悠岐選手
4/4(火) プロ野球 柳裕也投手
4/5(水) プロ野球 山川穂高選手
4/6(木) プロ野球 丸佳浩選手
4/7(金) プロ野球 田口麗斗投手
           お楽しみに!!

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    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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