【プロ野球 村上宗隆選手】
打率3割1分8厘、ホームラン56本、134打点の成績を挙げ、史上8人目の三冠王に輝いた東京ヤクルトスワローズの村上選手。チームをリーグ連覇に導き、2年連続でセ・リーグMVPに選ばれました。昨年は巨人・岡本和真選手と並ぶ39ホーマーを放ち、ホームラン王のタイトルを初めて獲得。今年はホームランだけでなく、ヒット数を増やし打率アップを目標に掲げます。そのためにグリップの位置を昨年に比べて低くし、よりコンパクトな打撃フォームに変更。さらにスピードボールに対応するため、シーズン途中に操作性の高い先端をくりぬいた形状のバットに変えたことが確実性の向上につながりました。その効果もあって、8月2日の中日戦では史上初の5打席連続ホームランをマークするなど量産体勢に。ホームラン・打点は2位以下を大きく引き離し、打率も3割に乗せてトップに立ち、ファンの関心は三冠王達成と、シーズンホームラン記録の更新に注がれました。
これまでのシーズンホームラン記録は、日本選手の最高が、1964年に王貞治選手が記録した55本。プロ野球記録は、ウラディミール・バレンティン選手が2013年に記録した60本です。9月13日の巨人戦で、54号・55号を放ち、村上選手は王選手の記録に一気に並びましたが、そのあと13試合はパッタリとホームランが途絶え、気付けばヤクルトはシーズン最終戦を迎えていました。10月3日の横浜DeNA戦。シーズン最終打席となった7回の第4打席で、村上選手は、入江大生投手のインコースへの真っ直ぐをジャストミート。最後の最後苦しんだ末に放った61打席ぶりの56号ホームランは、日本選手最高記録を58年ぶりに更新し、史上最年少の三冠王を確定させる、村上選手にとっても、ファンにとっても記憶に残る一発になりました。
【プロ野球 山本由伸投手】
昨年は25年ぶりの優勝に貢献し、自身も18勝を挙げてピッチャーにとって最大の栄誉・沢村賞にも輝いた、オリックス・バファローズの山本投手。今年の目標はリーグ連覇と、昨年果たせなかった日本一でしたが、チームは開幕戦白星のあと5連敗を喫するなど、スタートダッシュに失敗、山本投手も好投はしていたものの打線と噛み合わず、5月を終えた段階で5勝3敗という成績でしたが、翌6月に転機が訪れます。6月4日、広島との交流戦に先発した山本投手は、カープ打線を3安打に抑えましたが、味方のエラーも絡み、7回に1対2と勝ち越しを許します。そのときマウンドに駆け寄り「辛抱や!」と言ってくれたのが、ベテランのT-岡田選手でした。直後の8回、同点に追いついた後、T-岡田選手の決勝打で3対2と逆転。山本投手は勝ち投手となりました。さらに6月18日の埼玉西武戦では、史上86人目のノーヒットノーランも達成。チームの投打が噛み合うようになり、交流戦明けから徐々に浮上していきました。
山本投手は7月23日の福岡ソフトバンク戦で、両リーグ最速の10勝目を挙げると、そこから6連勝と、これぞエースの働きを見せます。9月24日の東北楽天戦では7回2安打無失点と、楽天打線を完璧に抑えて15勝目を挙げました。チームは、ソフトバンクとゲーム差なしの2位にピタリと付け、エースが挙げたこの勝利が、逆転優勝へとつながったのです。ソフトバンクとのクライマックスシリーズ・ファイナルステージ初戦でも山本投手は8回無失点、10奪三振のピッチングで、日本シリーズ進出に大きく貢献しました。終わってみればプロ野球史上初、2年連続で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の「投手4冠」を達成した山本投手。選考委員の全会一致で、2年連続沢村賞に輝きました。
【プロ野球 山川穂高選手】
2018年・19年はともに全試合に出場。2年連続でパ・リーグのホームラン王に輝いた埼玉西武ライオンズの山川選手。しかしその後の2シーズンはケガの影響もあり、ホームラン数は減少。打率向上を目指してバッティングスタイルを変更したことで、逆に打率が下がってしまうという悪循環に陥りました。そこで山川選手は原点回帰。自分は打率よりもホームランと、改めてホームラン王だった頃の打ち方に戻しつつ、進化を目指したのです。その成果は数字になって表れます。開幕4試合でホームラン4本と大当たり。その後、ケガで一時チームを離れますが、戻ってくるとまたホームランを量産。5月はリーグトップのホームラン9本と大活躍し、月間MVPも受賞しました。最終的にホームラン数は41本と、3年ぶりに40本の大台に到達。2位に14本もの大差をつけ、自身3度目のホームラン王に輝きます。また、打点90もリーグトップ。自身初となる、ホームラン王と打点王の二冠達成という好成績を残しました。
今年の山川選手は、記憶に残るホームランでもファンを魅了しました。その一つが、6月26日の東北楽天戦で達成した通算200号ホームランです。697試合目での200号到達は、ホームランアーティストと謳われた田淵幸一選手と秋山幸二選手の714試合を抜いて、日本選手歴代最速という偉業でした。そして西武ファンを盛り上げたのが10月1日、本拠地・ベルーナドームでの福岡ソフトバンク戦で放った、劇的すぎる一打です。試合前、優勝へマジック1のソフトバンクは引き分けでも優勝が決まる状況でした。試合は延長戦に突入。そんな中、11回裏に飛び出したのが、山川選手のサヨナラ2ランでした。これまで200本以上のホームランを打ってきた山川選手ですが、意外なことにこれがプロ入り初のサヨナラアーチとあって、感激もひとしお。このホームランは、ソフトバンクの胴上げを阻止しただけでなく、結果的にオリックスの逆転優勝を導く一発となり、パ・リーグを大いに盛り上げました。
【メジャーリーグ アーロン・ジャッジ選手】
身長201㎝、体重128kgと恵まれた体から繰り出す豪快なホームランが持ち味のニューヨーク・ヤンキース、アーロン・ジャッジ選手。2017年には新人記録を塗り替える52本のアーチを放ってホームラン王のタイトルに輝き、満票で新人王を獲得して話題になりました。その後もチームの主軸としてプレーし続けたジャッジ選手ですが、ホームランの数は大台の40本には一度も届かず、悩める時期を過ごします。ところが今年はハイペースでホームランを量産し、5月から3ヶ月連続で2ケタホームランを記録。7月末には101試合目で早くも40号に到達します。そんなジャッジ選手の心の支えは、最愛の両親でした。40号に到達した翌日、史上2番目の早さで通算200号アーチを放つと、ジャッジ選手は「記念のボールは両親に渡したい」と感謝の思いを語りました。
その後もホームランを重ねたジャッジ選手は、9月20日、メジャーリーグでは21年ぶりとなるシーズン60号を達成。ヤンキースの伝説のスラッガー、ベーブ・ルース選手のシーズン最多ホームラン数に並びます。しかしロジャー・マリス選手が持っていた球団記録61号に並んだのはそれから8試合後と、急にペースダウン。そこからまた足踏みが続き、6試合後の10月4日、テキサス・レンジャーズ戦で、ついに62号ホームランを放ったジャッジ選手。プレッシャーと戦いながら打った62号は球団新記録と同時に、ア・リーグ記録を61年ぶりに更新する、歴史的一発となりました。ジャッジ選手はホームラン王だけでなく、131打点で初の打点王も獲得。打率は、わずか5厘及ばず三冠王は逃しましたが、リーグMVPも受賞し、まさに歴史的なシーズンとなりました。
【メジャーリーグ 大谷翔平選手】
2021年は、投打二刀流の活躍でリーグMVPに輝いたロサンゼルス・エンゼルス、大谷選手。より相手の警戒が強まる中、今年も投打ともに好成績を継続できるかで、注目を浴びました。まずはバッター・大谷選手について。5月14日には日本選手史上最速でメジャー通算100号ホームランを達成。6月の試合では、スリーラン2本を含む日本人メジャーリーガー最多の1試合8打点をマークするなど勝負強いバッティングも披露し、昨年に続いて規定打席に到達します。今年のメジャーリーグは、昨年から導入された飛ばないボールに統一され、投高打低の傾向が加速。大谷選手も昨年のようにホームラン40本の大台には届きませんでしたが、それでもリーグ4位の34ホーマーを記録。パワーと技術を見せつけ、最も活躍した指名打者に贈られる「エドガー・マルティネス賞」を、15年ぶりの快挙となる2年連続で受賞しました。
続いて、ピッチャー・大谷投手です。メジャー5年目で初めて開幕投手を務め、8月9日の試合で、メジャーでは初めてシーズン10勝に到達。昨年惜しくも逃した、同一シーズンでの2ケタ勝利と2ケタホームランを達成します。この記録はベーブ・ルース選手以来、104年ぶりの大偉業です。大谷投手の決め球といえば、鋭く落ちるスプリットでしたが、今年は、右バッターの外へ鋭く大きく曲がるスライダーを武器に三振を量産。さらに、夏場以降は右バッターの手元に食い込むように曲がりながら沈む、高速ツーシームという新たな武器も手にし、最終的に15勝、219奪三振を記録。昨年は届かなかった規定投球回にも到達し、2リーグ制以降では史上初の「規定打席・規定投球回到達」という歴史的大偉業を成し遂げました。
来週のスポーツ伝説は……
1/2(月) 箱根駅伝2022 青山学院大学
1/3(火) 野球日本代表 栗山英樹 監督
1/4(水) ゴルフ 山下美夢有選手
1/5(木) 大相撲 阿炎政虎関
1/6(金) 大相撲 豊昇龍智勝関
お楽しみに!!
2025.03.27
2025年3月24日~27日の放送内容
【プロ野球 浅野翔吾選手】 大型補強のもと、2年連続のリーグ優勝を目指す読売ジャイアンツ。選手の層が厚いため、高卒の生え抜き野手がチャンスを掴むのは並大抵のことではあ...
2025.03.21
2025年3月17日~21日の放送内容
【スピードスケート 高木美帆選手】 30歳になった現在も国際大会で圧倒的な強さを見せ、女子スピードスケート第一線で活躍を続けている高木選手。冬季オリンピックでは、20...
2025.03.14
2025年3月10日~14日の放送内容
【プロ野球 田中将大投手】 昨年のオフ、東北楽天ゴールデンイーグルスを退団し、読売ジャイアンツへの入団を発表した田中投手。2006年に高校生ドラフト1位で東北楽天に入...
2025.03.06
2025年3月3日~7日の放送内容
【メジャーリーグ 菊池雄星投手】 岩手県の花巻東高校時代から注目を浴びてきたサウスポー・菊池投手。2019年にアメリカ・メジャーリーグに活躍の場を移すと、5年目の23...
2025.02.28
2025年2月24日~28日の放送内容
【プロ野球 遠井吾郎選手】 今年で球団創立90周年を迎えた阪神タイガース。遠井選手は1950年代~70年代にかけて、阪神ひと筋で20年間プレーした名物選手です。ぽっち...