スポーツ伝説

2022.11.04

2022年10月31日~11月4日の放送内容

【プロ野球 福留孝介選手】

 1998年のドラフトで、中日ドラゴンズを逆指名して入団した福留選手。今年4月に45歳の誕生日を迎え現役最年長の選手でしたが、9月8日に今シーズン限りでの引退を発表。24年間のプロ野球生活にピリオドを打ちました。中日では、2002年・06年と2度の首位打者に輝き、メジャーリーグを経て13年に阪神で日本球界に復帰します。2016年、日米通算2000安打を達成。阪神では野球に対する姿勢でもチームの牽引役となりました。
 21年から14年ぶりに古巣の中日に復帰すると、2年目の今シーズンは少年時代からの憧れの人・立浪和義さんが中日の新監督に就任。指揮官になった立浪監督をバットで助けるのが今シーズンの目標でしたが、わずか1安打に終わりました。9月23日、ホーム・バンテリンドームナゴヤで行われた引退試合の巨人戦。福留選手は9回の守備から登場し、慣れ親しんだライトを守ると、その裏、現役最後の打席がやって来ます。結果はセカンドフライに終わりましたが、ファンの拍手にヘルメットを掲げて応え、立浪監督から抱きしめられると涙を浮かべてベンチ裏へ下がりました。
  

  
【プロ野球 能見篤史投手】

 2004年のドラフト自由獲得枠で、阪神タイガースに入団した能見投手。即戦力として期待されながら、初めて2ケタ勝利を挙げたのはプロ5年目、30歳の時でした。それからは大車輪の活躍を見せ、先発の柱として2ケタ勝利を通算5度達成。世界一美しいと言われた、ワインドアップのフォームから繰り出すキレのあるストレートを武器に、次々と三振を奪っていく姿が印象的でした。12年に最多奪三振のタイトルを獲得すると、14年にはセ・リーグ新記録の5試合連続2ケタ奪三振をマークしています。40代になってもマウンドに立ち続けた能見投手は、20年11月、41歳5カ月で阪神の最年長セーブを記録。オリックスバファローズに移籍した21年5月にも41歳11ヵ月でオリックスの最年長セーブ記録を作り、2球団でチーム最年長セーブという史上初の快挙を達成します。また同じ5月に、通算1500奪三振も達成しました。
 能見投手はオリックスではコーチも兼任し、生きた教材としてエース・山本由伸投手や、宮城大弥投手・山岡泰輔投手ら若手にも刺激を与えました。公式戦最終登板となった、9月30日のロッテ戦、先発・山本投手の後を受け、2番手としてマウンドに立った能見投手は、代名詞のワインドアップから後は145キロのストレートで三振を奪います。これで奮起したオリックスは勝利。能見投手の最終登板に花を添えました。

     
 
【プロ野球 糸井嘉男選手】

 3球団でプレーし、走攻守・三拍子揃った外野手として活躍した糸井選手。たぐい稀な身体能力から“超人”と呼ばれファンに愛されてきました。2003年のドラフト自由獲得枠で北海道日本ハムファイターズに投手で入団するも、一軍で投げることなくプロ3年目の06年に外野手へ転向。レギュラーに定着したのは09年、28歳の時でした。糸井選手はこの年から、打率3割・20盗塁・ゴールデングラブ賞受賞を13年に移籍したオリックスバファローズでも続け、プロ野球記録の6年連続で達成します。15年、ひざの故障の影響もあり、打率は2割6分台、11盗塁と激減。この時すでに34歳で、引退がささやかれてもおかしくない状況でしたが、ひざの故障を治して臨んだ16年、自己ベストの53盗塁をマークし当時の史上最年長となる35歳2ヶ月で盗塁王に輝いたのです。
 翌17年から阪神タイガースに移籍しても、リーグ屈指の外野手として活躍。21年には史上31人目となる通算300盗塁をマーク。40歳1カ月での到達は史上最年長記録で、改めて超人ぶりを見せつけました。現役生活19年で、首位打者と盗塁王を1回ずつ。最高出塁率のタイトルを3回。ベストナイン5回、ゴールデングラブ賞7回と数々の勲章を手にしてきた糸井選手。9月21日、甲子園球場で迎えた現役最終打席では、レフト前へのクリーンヒットを放ち、有終の美を飾りました。

 
【プロ野球 内海哲也投手】

 2003年のドラフト自由獲得枠で巨人に入団し、左腕エースとして活躍した内海投手。11年・12年に2年連続で最多勝のタイトルを獲得し、12年は日本シリーズで2勝してMVPに輝きました。ところが18年のオフ、巨人にFA移籍した炭谷銀仁朗選手の人的補償として、埼玉西武ライオンズに移籍。功労者がこのような形でチームを去ったことは、ファンにも衝撃を与えました。しかし内海投手は気持ちを切り替え、新天地でも野球に取り組む姿勢は変わりませんでした。移籍1年目の19年は故障もあり、プロ入りして初めて一軍登板なしで終わりましたが、20年9月に、待望の移籍初勝利を挙げます。内海投手が西武で挙げた白星はわずか2勝ですが、その存在自体が、若手の生きた手本になるという判断から、40歳を迎えた今シーズンはコーチ兼任での契約となりました。
 8月16日、今シーズン限りでの現役引退を発表。9月19日の東北楽天戦が引退試合となり、内海投手は先発して先頭打者をセカンドゴロに抑えます。さらに10月2日、ジャイアンツ球場で行われた巨人との二軍戦に、5回途中から登板。見事バッターを三振に仕留め、球場に詰めかけた2400人を超える観客から大きな拍手が送られました。

 

【プロ野球 内川聖一選手】

 高校野球の監督だった父のもとで腕を磨き、2000年に横浜ベイスターズに入団した内川選手。その後、福岡ソフトバンクホークスを経て、東京ヤクルトスワローズで22年間のプロ野球生活にピリオドを打ちました。内川選手が忘れられない一打と振り返るのは、プロ8年目・08年4月の巨人戦で、同い年の内海哲也投手から放ったヒットです。チェンジアップを引きつけ、しっかり叩いた打球はフェンス直撃のツーベースヒットに。この一打で野球選手としてやっていけると感じたと言います。内川選手はこの年、右バッターの日本歴代最高打率・3割7分8厘を記録し、セ・リーグ首位打者のタイトルを獲得しました。
 ソフトバンク移籍1年目の11年には、打率3割3分8厘でパ・リーグの首位打者に輝き、史上2人目の両リーグで首位打者という偉業も達成しました。ソフトバンク時代には通算2000安打も達成し、勝負強いバッティングで何度も日本一を経験してきた内川選手。しかしヤクルトに移籍後は代打での出場が多く、40歳を迎えた今シーズン、ついに引退を決断します。10月3日、神宮球場で行われた引退試合では、通算2186本目のヒットとなるタイムリーツーベースを放ち、改めて高い打撃技術をファンに披露しました。
  

来週のスポーツ伝説は……

11/7(月) プロ野球 嶋基宏選手
11/8(火) プロ野球 明石健志選手  
11/9(水) プロ野球 十亀剣投手
11/10(木) プロ野球 坂口智隆選手
11/11(金) 大  相  撲 玉鷲一朗関

お楽しみに!!

    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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