【高校野球 浅野翔吾選手】
15歳以下の日本代表になるなど、中学時代から注目されていた浅野選手。甲子園で春夏優勝4度を誇る香川県の古豪・高松商業高校でも、1年生の夏からレギュラーに定着します。甲子園初登場は昨年、2年生の夏。高松商業は3回戦でこの大会の優勝校・智弁和歌山と対戦しチームは惜しくも敗れましたが、浅野選手はソロホームランを放ち、甲子園に大きな爪痕を残しました。その年の12月、高松商業にあのイチローさんが特別指導に訪れました。イチローさんの教えを胸に、常に全力プレーを意識するようになった浅野選手。今年の夏に行われた香川大会決勝では、ホームランを含む3打数3安打の大活躍でチームを甲子園に導きました。
ひと回り成長した浅野選手は、今年の夏の甲子園でファンに衝撃を与えます。初戦からいきなり2打席連続ホームランを放ち、3安打4打点。この2発で打線に火がつき、高松商業は14対4で快勝すると、3回戦では先制点に結びつく内野安打と盗塁を決めるなど、俊足ぶりもアピールしてチームを52年ぶりのベスト8進出に導きました。続く準々決勝は、大会屈指の好投手・山田陽翔投手を擁する滋賀の近江高校と対戦。2点を追う3回、ランナーをひとり置いて打席に立った浅野選手は、山田投手の投げた146キロのストレートを捉えて同点ツーラン。浅野選手自身も納得の大会3本目でした。試合はその後、近江高校に勝ち越され、高松商業は敗れてしまいましたが、浅野選手は3安打を記録し、大会3試合を通じて10打数7安打。打率7割を記録したのです。
【高校野球 山田陽翔選手】
近江高校のエースで4番、山田投手。父は愛知の名門・東邦高校で夏の甲子園ベスト4に輝き、3つ上の兄は大阪の名門・大阪桐蔭高校出身です。そんな野球一家に育った山田投手は、1年生の夏からベンチ入り。2年生夏の滋賀県大会では、決勝の先発を任され優勝。夏の甲子園でも快進撃を演じ、父と並ぶベスト4入りを果たしたのです。2度目の甲子園出場となった今年の春のセンバツでは、絶対的エースとしてマウンドに君臨。1回戦から準決勝まですべての試合で完投するという、最近では珍しい力投型のエースとして活躍。チームを決勝戦へと導きます。滋賀県勢の甲子園初優勝をかけて臨んだ決勝の相手は、兄の母校でもある大阪桐蔭でした。しかし前日の準決勝で170球を投げて、さらにデッドボールを受け、満身創痍だった山田投手に余力は残っていませんでした。決勝では追加点を許した3回途中に自ら交代のサインを出し降板。悔しい準優勝となりました。
3度目の甲子園となった今年の夏、山田投手は、エース・キャプテン、そして4番として、これまで以上の活躍を見せます。初戦は8回を投げて13奪三振。2回戦は9回完投2試合連続の2ケタ12三振を奪って勝利に導きます。続く3回戦では、7回を投げて9個の三振。打っては満塁ホームラン。近江高校の監督も、持ってる男と絶賛する活躍を見せました。春夏連続での決勝進出はなりませんでしたが、近江高校は昨年の夏から3季連続でベスト4以上に進出。山田投手は通算成績で数々の偉業を達成しました。甲子園3大会15試合で重ねた勝利は11勝。これは横浜高校・松坂大輔投手らに並ぶ歴代5位タイ。春夏通算で115奪三振は歴代3位で、まさに甲子園の歴史に名を残したのです。
【高校野球 松尾汐恩選手】
中学まではピッチャー兼ショートとして評判の選手だった大阪桐蔭高校の松尾選手。高校入学後、監督の勧めでキャッチャーに転向すると、打ってよし、守ってよし、遠投110mの強肩でスローイングも文句なしと、万能型キャッチャーとして頭角を表します。今年の春のセンバツでは、大阪桐蔭は準々決勝が17対0、準決勝は13対4、決勝戦は18対1。ベスト8以降はすべて2ケタ得点という破壊力で優勝を果たします。中でも松尾選手は準決勝ではホームランを含む4安打。決勝でもホームランを放ち、大阪桐蔭は昨年秋の大阪大会・近畿大会・明治神宮大会、そして今年の春のセンバツと、公式戦20連勝を記録しました。
今年の夏の甲子園、一番の話題は「大阪桐蔭・3度目の春夏連覇なるか?」でした。勝って当たり前というプレッシャーの中、松尾選手は黙々と結果を残していきます。初戦を6対3で勝利すると、2回戦では2打席連続ホームランを放つなど4安打。チーム全体で25安打を記録し、19対0で圧勝したのです。大阪桐蔭は続く3回戦も4対0で勝利。松尾選手はキャッチャーとして投手陣を見事にリード。2試合連続完封を果たしました。続く準々決勝で敗れ、春夏連覇は達成できませんでしたが、松尾選手は甲子園通算11試合で、ホームラン5本を記録。夏の甲子園の後に結成された18歳以下の日本代表でも正捕手を務め、松尾選手はもはや誰もが認める、世代ナンバーワンキャッチャーです。
【高校野球 矢澤宏太選手】
東京・町田市出身、日本体育大学4年生の矢澤選手。投げては最速152kmと縦横に変化する2種類のスライダーを武器に三振の山を築き、打ってはパンチ力のある打撃と、50mを5秒台で走る俊足も披露。今年のプロ野球ドラフト会議では、投げてよし、打ってよしの二刀流選手として注目されています。神奈川県の藤嶺藤沢高校時代も投打両方で注目の存在でしたが、高校3年生の時のドラフト会議では指名されませんでした。この時、自分がプロに入ることを期待してくれている人がたくさんいることに気付いた矢澤選手。大学に行き、4 年後のドラフト1位でプロ入りすると固く心に誓いました。
矢澤選手は今年春の首都大学リーグ戦で、投手として4勝、防御率1.83、43奪三振をマーク。打者としても打率3割5分、ホームラン1本、8打点と活躍し、指名打者としてベストナインにも選ばれました。その二刀流がいかんなく発揮されたのが、8月1日に野球伝来150年を記念して行われたプロアマ戦・U-23NPB選抜 対 大学・社会人選抜です。大学・社会人選抜のメンバーとして出場した矢澤選手は7回からマウンドに上がると、150キロ台の速球を連発。1点を失ったものの、その後の2人は得意のスライダーで空振り三振に斬って取りました。矢澤選手はそのまま打席にも立ち、8回には2点タイムリーを放つと、次のバッターのヒットで俊足を飛ばし一気に三塁へ。元祖二刀流・大谷翔平選手を彷彿とさせる存在感を発揮しました。
【高校野球 蛭間拓哉選手】
身長176㎝、体重85kg。がっしりとした体格が武器で、埼玉県・浦和学院高校時代から注目のスラッガーだった蛭間選手。1年生の春から4番を打ち、2018年、3年生の時に夏の甲子園に出場。初戦でホームランを打つなど、ベスト8進出に貢献します。卒業後は早稲田大学に進学し、20年、2年生の時に出場した東京六大学野球・秋季リーグの早慶戦で起死回生の逆転ツーランを放ち、 早稲田大学を10季ぶりの優勝に導きました。この活躍で蛭間選手の名は、一躍全国区になったのです。
蛭間選手は、早稲田大学で副キャプテンを務め、キャプテンの中川卓也選手を支えています。同じ名前の「タクヤ」で、高校時代から日本代表で一緒にプレーし、気心が通じ合っている2人。中川選手がキャプテンとして、チームメイトたちに厳しいことを言った後は、蛭間選手がフォローに回り、2人の「タクヤ」がチームをうまくまとめています。2人の夢は、そろってプロへ行くこと。目指すはドラフト1位です。
来週のスポーツ伝説は……
10/17(月) プロ野球 2021年日本シリーズ第1戦
10/18(火) プロ野球 2021年日本シリーズ第2戦
10/19(水) プロ野球 2021年日本シリーズ第3・4戦
10/20(木) プロ野球 2021年日本シリーズ第5戦
10/21(金) プロ野球 2021年日本シリーズ第6戦
お楽しみに!!
2025.03.27
2025年3月24日~27日の放送内容
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2025.03.21
2025年3月17日~21日の放送内容
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2025.03.14
2025年3月10日~14日の放送内容
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2025.03.06
2025年3月3日~7日の放送内容
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2025.02.28
2025年2月24日~28日の放送内容
【プロ野球 遠井吾郎選手】 今年で球団創立90周年を迎えた阪神タイガース。遠井選手は1950年代~70年代にかけて、阪神ひと筋で20年間プレーした名物選手です。ぽっち...