【スタッフMの番組報告】
みなさんは、ドルフィンスイム、というものをご存知ですか?野生のイルカと海で泳ぐアクティビティですが、
私は以前、体験まで申し込んでいたのに、悪天候で実現しないままいまにいたっています(涙)。
今回から2週に渡ってゲストにお迎えしたのは、そんなドルフィンスイムを、児童養護施設の子どもたちに体験させる取り組みや、ファミリーホームの運営などに取り組んでいる団体をご紹介します。
それが、NPO法人クロップみのりです。代表理事の中山すみ子さんをゲストにお迎えしました。

左:NPO法人クロップみのり代表理事の中山すみ子さん
クロップみのりでは、夏休みに、児童養護施設の子どもたちを伊豆諸島の御蔵島(みくらじま)に連れて行って
ドルフィンスイムを体験させてあげています。この活動はもう30年近くやっているとか。野生のイルカと一緒に泳ぐ体験がこんな関東の海でできると、知らない方も多いかもしれませんが、宿の手配さえしてあれば、どなたでも体験できるんだそうです。
中山さんがこの体験を児童養護施設の子どもたちに提供しようと考えたのは、中山さんご自身が若い頃アトピー性皮膚炎に悩んでいて、ハワイの海でドルフィンスイムに出会い、心も体も癒され、内側からいろんなことが変わっていく自分に気づいた経験をしたことから、なんだそうです。たしかに、あの大きなイルカが隣で一緒に泳いでくれることで、飾らないありのままの自分を受け入れてくれる感覚が自然と湧いてくるんでしょうね…。
児童養護施設にいる多くの子どもたちは、虐待などの理由で親と一緒に暮らせていません。自分のことも他人のことも信じる力が失われている子どもたちにとって、「ありのままの自分を受け入れてくれる存在」のイルカは、
とっても大切な相棒になるんです。
中山さんはこうした活動を通じて、島での暮らしも含め、児童養護施設の子どもたちの「真夏の大冒険」のような
成長を期待しているのでしょう。どんどん成長する子どもたちを見て、アートセラピーやさまざまなことも取り入れ、活動は大人気プログラムとなっていきました。
このドルフィンスイムで出会った子どもたちのその後の人生のサポートも請け負う覚悟で、中山さんは
ファミリーホームを立ち上げていったと聞いて、その心根の深さと温かさに、収録日の寒さが吹っ飛びました。
児童養護施設は18歳で卒業することが決まっています。しかし、18年間、家庭の愛情を知ることなく、いろんな経験も教育も満足に受けてこなかった児童養護施設の子どもたちにとっては、18歳で社会の荒波に出ていくことは、相当な困難があります。
中山さんはイルカと泳げたこの体験を自信に、自分を信じるチカラと他人を信じてみようというチカラ、どちらも身に付けてもらいたいと話していました。
子どもたちの話をする中山さんの横顔は、多くの子どもたちのお母さん、そのものでした。
次回は、そのファミリーホーム「クロップハウス」について、伺っていきます。
次回もお楽しみに!
NPO法人クロップみのり HP
http://cropminori.com/