【スタッフMの番組報告】
前回から引き続きのゲスト、NPO法人無国籍ネットワークから、今回は発起人の陳天璽(チンテンジ)さんと、
学生ユースで活動する東京大学1年生の宇佐美恵満さんにお越しいただきました。
陳さんは、「無国籍」という本を出していて、阿部さんもその昔読んでいたので、著者との出会いに感激していました!

NPO法人無国籍ネットワークのみなさん
陳さんは1971年に横浜中華街に生まれ、30年近く無国籍としてご家族共に生きてこれたそうです。
その決断にいたるまでの苦悩や、思いも放送では話してくださいました。
日中国交正常化の裏で、台湾(中華民国・陳さん一家は中華民国の国籍だった)と国交を断絶した日本で暮らす
人たちは、陳さん一家と同じく、当時様々な決断を迫られたのです。
陳さん一家は、苦悩の末、「無国籍」を選択したそうですが、その先には壮絶な差別や偏見、生きにくさがあったと
おっしゃっていました。
国籍がないことで、パスポートがない、在留カードに「無国籍」と書かれている、これだけで、アパートを借りたり、銀行口座を開設するのも大変なのです…。
日頃、私たちは国籍を意識して暮らしている方は少ないと思うので、こうした困難が毎日ある「無国籍」の方の存在をこの放送で知って、ぜひみなさんの中で、考えていただけたらなと思いました。
陳さんのそうした生い立ちから現在までのストーリーを絵本にして、子どもにも「無国籍」というものを周知させたり、無国籍の人がどんな困難と向き合いながら生きているのかを知る、ボードゲームを作ったり、学生ユースは
そうした活動をしています。
陳さんが教鞭をとる早稲田大学の学生ボランティアから始まったユースの活動も、今では上智、ICU、高校生など
幅広い若者を巻き込んでインカレサークルになっているそうです。
宇佐美さんも、自分の友人が「無国籍」であることを知って、この活動に参加したという、優しく温かい女性でした。絵本の読み聞かせなどもして、多くの子どもたちにこの問題をしってほしいと話すその目は、輝いていました。
私たちが知らないことで、傷つき、苦しむ人が実は多くいる、ということが、この「無国籍」の根底にある問題
だと思います。
であるならば、今回、「放送を通じて初めて知った」、「ぼんやりしていたけど、そういうことか」と思った方は
ぜひ、そういう人たちがこの世界にはいて、国籍がある人の暮らしも国籍がない人の暮らしも、幸せである社会
になってほしいと願っていただけたら…。
無国籍ネットワークの活動や「虹色のペンダント」の絵本に関心のかる方はぜひ、公式HPをご覧ください!
https://stateless-network.com/
次回の放送もお楽しみに!