3月25日のゲストは、一般財団法人「イノセンス・プロジェクト・ジャパン」事務局長の笹倉香奈さんでした。

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【スタッフMの番組報告】

ちょうど先日、愚息の大学の卒業式がありました。
つまり…、1年前、ピカピカのスーツに着られていた入学式を迎えていた愚息も、もう2年生になるという…。
時の流れは早いというか、いやー、20歳になるとは思えないだらしなさで、心配しかありませんが(笑)

卒業を迎えたすべてのみなさんの門出が幸せなものでありますようお祈りしています!

さて、そんな3月最後のゲストは、一般財団法人「イノセンス・プロジェクト・ジャパン」事務局長で甲南大学法学部教授の笹倉香奈さんでした。

右:一般財団法人「イノセンス・プロジェクト・ジャパン」事務局長 笹倉香奈さん

みなさんは、映画やドラマ、小説などで「えん罪」というものを耳にしたことがあるかと思います。えん罪とは
無実であるにも関わらず犯罪者として扱われてしまうもの。
どうしてこうしたことが起きてしまうのか、そこには、「間違った目撃証言」や「科学的な鑑定の過信」、「威圧的な取り調べによるウソの自白」など、さまざまな要因が重なり合って起こることがわかってるそうです。
そして、日本にはさらにそこに、「人質司法」と呼ばれる世界的に非難される、逮捕から起訴までの最大23日間
被疑者の身体を拘束することが認められているんだとか。
これによって、たとえ自分はやっていないと主張したくても、警察の描いたストーリーにならないと、なかなか保釈されず、音を上げてウソの供述をしてしまうこともある、というの現状だそうです。

これを聞いて、私は、現実の世界でもドラマのようなそんなことがまだ起きているのか・・・と唖然としました。

たとえば、欧米などでは取り調べには弁護人がつきますし、黙秘権を行使したら、取り調べがストップしますが、
日本では黙秘をしても、否定をしても、取り調べは変わらず続くそうです。
「自白重視」という考えが根強い日本ならではなのかもしれませんが、改革の余地はあるのでは…と笹倉さんのお話を聴いていて思いました。
みなさんはどう思われたでしょうか…。

えん罪救済ということにいち早く取り組んできたアメリカで、1992年に始まったイノセンスプロジェクト。
そのアメリカのイノセンスプロジェクトに参加して経験したことを日本に持ち帰り、笹倉さんは2016年にイノセンスプロジェクトジャパンの前身・えん罪救済センターを設立しました。

甲南大学法学部教授でもある、笹倉さんが300人近い学生ボランティアや仲間の弁護士などと協力して活動していると言いますから、その熱量は素晴らしいですよね。

参加する学生たちも最初は、ドラマなどの影響で悪を成敗する「検察官」にあこがれているようですが、刑事裁判の実態を生で見ていく活動のなかで、すべての人の権利を守っていく「弁護士」重要性に気づいていき、主体的に社会と関わろうとしていく成長が頼もしいと、話す笹倉さんはとても優しい「先生」の眼差しでした。

「人は誰でも間違える。でも間違えを防ぐことはできる」
たしかアメリカの医療現場でよく使われる言葉と聞いたことがありますが、これは司法の現場でも同じではないかと思います。

笹倉さんたち、イノセンスプロジェクトジャパンがその間違いを科学的に証明し、救っている、こうした現実があることを、今回の放送を通じて多くの方に知っていただけたら、と思いました。

次回は、実際に無罪を勝ち取るまでの笹倉さんたちの苦悩や成果も伺います。

お楽しみに!

一般財団法人イノセンス・プロジェクト・ジャパン HP
https://innocenceprojectjapan.org/