1月15日のゲストは、前回に引き続きNPO法人「POSSE」代表の今野晴貴さんでした

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【スタッフMの番組報告】

前回に引き続きのゲスト、NPO法人「POSSE」代表の今野晴貴さんのお話、今回は、奨学金の返済に苦しむ若者や外国人技能実習生の問題について詳しく伺いました。

2020年度の日本の大学生の奨学金利用率は、49.6%と言う数字にも、少しびっくりしましたが、もっと驚いたのは、その返済に対する取り立てが、普通の借金のとりたてのように返済期限などが相当、厳しく、利子もしっかりつくということ。それが返せず、苦しくて一家で路頭に迷うという学生も少なくないそうです。

こうした、知っているようで現状を理解していない人が多い、奨学金の問題について、今野さんに詳しく教えていただきました。

左:NPO法人「POSSE」代表 今野晴貴さん

返済期間は15年の貸与型の奨学金の、平均受給額は300万円だそうです。これを猶予期間は10年という中で
どんな企業に就職できるか不透明な未来のもと、返済をしていかねばならないわけです。
2018年には返済不要な給付型も登場したようですが、利用できる対象が極めて限られていることから、学費が高騰する私大などで悩む多くの学生の救世主には、到底なりえていないようです…。

そこで、今野さんがおすすめしてくれたのは、「機関保証制度」という制度。
奨学金の返済においては、どうしても親や身内を連帯保証人にしている方が多いそうですが、親の高齢化や収入の減少などで返せる保証はありません。そんな時、保証人を身内ではなく、公的な金融機関にしておけば、共倒れすることはなくなります。ただ、これには保証料はかかってしまいます。そこだけなんとかクリアできる方は、断然
機関保証の利用がおすすめだと、今野さんはおっしゃていました。

また、近年増加する外国人技能実習生の問題も労働環境においては、深刻化していることも伺いました。
外国人技能実習生を採用している職場の70%が、労働法に違反しているという実態。
過労死ラインを超えた労働や、保険もなにもつけずに危険な作業をさせたり、その実態は、言葉を失うものばかりでした。
なぜ、そんなひどいことができるのか…。多くの方がこの話をそう聴いていたかと思います。
でも、これが日本の労働環境の実態なんです。

働いて、お金を稼ぐということは、どんな業種でも、楽なものではありません。それは、世界共通で。
ただ、劣悪な労働環境を、外国人だから強いていいという理屈は絶対に通りません。私たちが日々目にする様々な
場面で、活躍して下さっている外国人の方に、もっともっと思いをはせて、私たちは生きていかないといけないなと、今野さんのお話で痛感しました。

思いやる気持ちが、社会を変えることが必ずあるはず…。

NPO法人「POSSE」について詳しく知りたい方は、公式HPをご覧ください。
https://www.npoposse.jp/

次回の放送もお楽しみに!