2024年1月1日元日のゲストは、一般社団法人「SDGsin Sports」代表理事の井本直歩子(なおこ)さんでした

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【スタッフMの番組報告】

いつも「阿部亮のNGO世界一周!」をお聴きのみなさま、新年あけましておめでとうございます。2024年も
どうぞ宜しくお願い致します。

番組冒頭で阿部さんも言ってましたが、今年最大のイベントといえば、やはり夏に開催される「パリオリンピック
パラリンピック」ではないでしょうか。
私は自分の運動神経はあえて汚い言葉で(笑)いうところの「やばい」んですが(笑)、スポーツを見るのは大好きで、オリンピックは夏も冬も毎回熱くなっております。コロナ禍で前回の東京大会は、地元開催にもかかわらず
選手のみなさんもマスク必須、検査や隔離などを繰り返しながら迎える、ある意味異常な雰囲気のなかでのオリンピックでしたよね…。密は避けて、距離をとって・・・そんなことばかりにピリピリしていた状況で、人と人が闘い合うことのむずかしさ、スポーツの意義みたいなこともたびたび議論になっていました。

しかし、そうしたコロナ禍での問題以上に問題だったことが東京大会ではありました。開催直前の組織委員会での
女性差別発言などの、ガバナンスの問題です。こうした問題が、今年のパリオリンピックでは起きないよう、あれから3年、立ち上がった方が、新年最初のゲストでした!

右:一般社団法人「SDGsin Sports」代表理事の井本直歩子さん

その方が、一般社団法人「SDGsin Sports」代表理事の井本直歩子(なおこ)さんです。
井本さんはアトランタオリンピック元競泳日本代表で、現役引退後は、発展途上国を中心に、平和構築、教育支援などの活動を続け、現在はアフリカのモザンビークにお住まいで、一時帰国中に収録にお越しいただきました!
貴重なお話をたくさん伺えましたー。

まず、私が井本さんのすごさを感じたのが、トップアスリートとして14歳から国際大会に出場している中で、
ゴーグルもない、水着も新品ではない、食事も選手村で今まで食べてこれなかったからと、レース前であってもおなかいっぱい食べている、そんな発展途上国の選手を真近で見たときに、「なんでこんなに自分はモノにも食事にもなにもかも恵まれた環境でスポーツをやっているんだろう…」と胸が痛んだという言葉。

日本の多くのトップアスリートが、恵まれた環境の中、練習や大会に参加していても、おそらく井本さんのような思いを感じてはいない気がします。すべてが当たり前になってしまい…。しかも14歳の頃からなんて脱帽です。
「これじゃいけない…」そう思ったところから、井本さんの今の素晴らしい活動は始まっていくんです。

現役引退後ユニセフで紛争地域などの発展途上国を中心に教育支援を14年続け、2021年、コロナ禍で帰国していた時に、その人生がまた大きく動いたそうです。それが、東京オリンピック、パラリンピック組織委員会での
元総理の「女性がいる会議は長い」という発言…。あれは多くの国民が言葉を失いましたよね…。

こうしたあまりに立ち遅れた日本のスポーツ界のジェンダー平等などの多様性の推進のために、「SDGsinSports」を立ち上げたんです。行動力のはやさ、すごいですよね!!!

井本さんは留学や国際大会での経験などをつうじて、日本が海外に比べて、ジェンダー平等だけではなく、選手育成や強化に関しても大きく遅れていることを感じたそうです。そうした生の声を反映しながら、これからのスポーツ界のために立ち上がったのです。

日本のスポーツ団体の女性理事の割合目標は40%だそうです。でもこの数字ばかりおいかけて、数だけ女性を増やしても、組織が本当の意味で変わるわけではない!と井本さんは強く訴えていました。

大切なことは、LGBTQの問題しかり、パラリンピックの問題しかり、日本社会の根底にまだまだ根強く残っている差別意識を、払拭していく活動。
誰かがやってくれる…そんな考えの人が多い今の日本。だからこそ、世界で本気で闘ってきたアスリートの言葉は
重みがあり、たくさんのことを考えさせられました。

今年の夏のパリオリンピック・パラリンピックでは、世界中の多くの国や地域、障害のある方も、LGBTQの方も
笑顔で楽しめるものであってほしいと、井本さんのお話を聴いて改めて感じました。

「スポーツが変われば世界が変わる」

井本さんの想い、「SDGsin Sports」の想いが結実する社会になりますように…。

一般社団法人「SDGsin Sports」について、詳しくは公式HPをご覧ください。
https://sports-sdgs.org/

次回の放送もお楽しみにー!