11月6日のゲストは、NPO法人「World Open Heart」理事長の阿部恭子さんでした。

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【スタッフMの番組報告】

この番組がスタートして14年目に入りましたが、多くのNPOやNGOの方をゲストにお迎えしてきました。どの
方にも共通するのが、様々な窮地に立つ弱き方々に、あたたかく大きな心で寄り添う姿勢だと、私は常々感じております。今回2週に渡ってお迎えするゲスト、NPO法人「World Open Heart」理事長の阿部恭子さんもまさに、そうした方でした。

右:NPO法人「World Open Heart」理事長 阿部恭子さん

2008年に宮城県仙台市で団体を立ち上げて以来、2000件を超える事件の加害者家族支援する活動をしているNPO法人「World Open Heart」。被害者支援の団体はよく耳にしますが、加害者の家族の支援に心を配る阿部さんたちの活動の意義を、放送でたくさん伺いました。

①週目の今回は、加害者家族がどうした状況にいるのか、それにどうやって阿部さんたちは支援をしていくのか
詳しく教えていただきました。

私が一番印象に残っているのは、海外と日本における、犯罪加害者家族の扱われ方のちがいです。
アメリカやイギリスでは、たとえば銃乱射の未成年の犯人の家族が顔を出して取材に応じたりが当たり前の様で、むしろお父さんお母さんが頑張って支えてあげて…のような目線で加害者家族は見られているそうです。
日本では顔出しなんて絶対にありえないですし、最近では加害者やその家族がSNS上で特定され、たたかれるというようなこともよく聞きます。
だからこそ、阿部恭子さんたちのような支援が、日本にはとても大切なのかもしれません。

恭子さんもおっしゃっていましたが、日本には目に見えない「世間」というものが大きく存在し、世間の目、というものを気にしすぎるあまり、さまざまなことが起こると。
欧米では個人と家族がはっきり切り離されている、そういう点が大きく違うようです。

犯罪を犯した加害者本人は当然のことながら、罪を償う責任があります。ただ、家族の誰かがある日突然加害者となってしまった時、被害弁償のために加害者の家族が経済的、心理的に追い詰められていく、それは本当に辛い話です。

15年活動を続けている阿部恭子さんはおっしゃっていました。
「国の被害者への救済、保障がまだまだ足りていないから、そこを加害者家族が負担していかねばならなくなっている。被害者への国のサポートをもっと手厚くすれば、加害者家族の負担も変わってくる」と。

家族の誰かがある日突然加害者になったとき、誰しも冷静ではいられないです。
でも、恭子さんの言葉の中にあった「人を支えるには、支える人が溺れていてはダメなんです」ということを
胸にとめて、家族だからこそできるサポートをしていく方向へ、自らを律していかねばならないのだと、
この放送で痛感しました。

「困った人がいたら、困った人の分だけサポートはあっていい」
犯罪加害者家族、というなかなか難しい立場の方々に寄り添ってきた阿部恭子さんだからこそ言える言葉だなと
噛みしめました。

次回も阿部恭子さんの言葉に注目して、ぜひお聴きください

NPO法人「World Open Heart」について、くわしくはHPをご覧ください。

https://worldopenheart.com/

次回の放送もお楽しみに。