5月22日のゲストは、前回に引き続き、NPO法人「ヒューマニティ」理事長の小早川明子さんでした。

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【スタッフMの番組報告】

前回のゲスト、NPO法人「ヒューマニティ」の理事長小早川明子さんのお話、みなさんいかがだったでしょうか。
NPO法人「ヒューマニティ」は、≪被害者だけでなく加害者も救済されて初めて事件は解決する≫を活動理念に掲げ、1999年からストーカーの被害者支援・加害者支援に取り組む団体なんです。

左:NPO法人「ヒューマニティ」理事長 小早川明子さん

前回は、ストーカー被害に遭わないために、恋愛関係になった相手の、ここをきちんと見ておくべき!といった
小早川さんならではのアドバイスをラジオのリスナーの方にも、たくさん伝授いただきました。

なぜ、そんな点にまで気が付くのだろう・・・と思うようなご指摘もたくさんありましたが、それもそのはず。
小早川さんご自身が、長くストーカー被害に遭われて、命の危険を感じるほど苦しまれてきた経験があるので、
誰にも言えずに苦しむ被害者が出ることなく、自分の主張ばかり押し通す加害者が出ることない、社会の実現に
向けて活動できるんです!

今回の放送では、加害者支援について、詳しくお話を伺いました。

加害者に対しては、対話によって思考に働きかける「カウンセリング」。その次はイメージにより感覚に働きかけて相手にはまってしまっている現状を気づかせる「心理療法」があり、さらに、近年「条件反射制御法」という画期的な治療法も登場しているそうです。

「条件反射制御法」とは、下総精神医療センターの平井慎二医師が開発したもので、人間には本能行動を司る脳と
思考の脳があり、トレーニングをすることで、思考の脳が本能行動を制御できるようになるというものなのです。
具体的には、はまってしまった行動にストップをかける言葉「私は〇〇さんに会えない、大丈夫」という言葉をある動作とともにずっと繰り返し言って、これが「刺激」となり、累計200回程度で行動を制御できるようになる、という治療法なんです。

すごいですよね。。。加害者の心だけでなく脳にも刺激を入れることで科学的見地から根本的に治療をしていく。
悲しい事件を繰り返さない、二度と起こさない世の中にしていくためには、必要不可欠です。

小早川さんもおっしゃていましたが、これだけ加害者治療法が進んだり、警察の法的整備が進んでも、ストーカー事件が減っていかないのは、SNSの普及が大きいと。

面識のない相手に対して、SNSで写真を見ただけで「付き合っている」かのような錯覚を起こし、接近欲求がエスカレートしていく、この負の連鎖をどうにかして断ち切っていかねばなりませんね・・・。

出会いも別れもスマホひとつ、SNSでパパッとっできてしまう今の時代。
気持ちの丁寧な紬だけは、簡素化しないように生きていかねばいけませんね。


小早川さんの書かれた「ストーカー」という本の中には、社会問題化しているストーカーについて、自分事として
捉えるヒントがたくさんつまっています。興味のある方は、ぜひ手にとってみてください。

NPO法人「ヒューマニティ」の活動について、詳しくは公式HPをご覧ください。
https://npo-humanity.org/

次回の放送もお楽しみに。