5月15日のゲストは、NPO法人「ヒューマニティ」理事長の小早川明子さんでした

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【スタッフMの番組報告】

最近のニュースでよく耳にすることが多くなったと言えば、「幼児虐待」や「ストーカー」という言葉のような気がします。とくに、「ストーカー」というものに関しては、SNS全盛のこの時代において、異性と知り合うことが意図も簡単にできてしまい、好きになるのも、嫌いになるのも、もはやゲーム感覚なのか、と思うほど(昭和世代の私にはどうにも理解が・・・)のことのように、見えてきます・・・。

インスタやTwitterによって、情報の共有や感情の共有は迅速に、広範囲になった一方で、本来、人間が丁寧に紡いでいくべき、人間関係の構築はどんどん粗雑に簡便になってしまい、ときに、それによるトラブルや事件が後を絶たなくなっているのかもしれませんね。

5月15日の「阿部亮のNGO世界一周!」のゲストは、そんな現代の日本社会で大きな社会問題となっている≪ストーカー≫の被害者はもちろん、加害者の支援にも取り組む団体、NPO法人「ヒューマニティ」の理事長 小早川明子さんでした。

右:NPO法人「ヒューマニティ」理事長 小早川明子さん

NPO法人「ヒューマニティ」は、「被害者だけでなく、加害者も救済されて初めて事件は解決する」を活動理念に掲げ、被害者はもちろん、加害者支援にも取り組んでいる団体なんです。

たしかに、先ほども言いましたが、SNS全盛時代、恋愛に対する価値観も、恋人、夫婦、親子、などの関係性も
多種多様変化している現代。いつ、誰しもストーカーになりうる危険性を持っていることを、小早川さんのお話を聴いて感じました。そして、それは、小早川さんたちのような専門家の方の力を借りて、治療していくことができる問題でもあり、社会が偏見を持ったり、諦めたり、他人事でいることが一番ダメであるということも身に沁みました。

実は、小早川さんご自身も5年にわたってストーカ―被害にあった経験から、この「ヒューマニティ」を立ち上げたんだそうです。一緒に会社を起業しようという口約束からそれが実現しなかったことによる、相手の執拗な嫌がらせに苦しんだ小早川さん。一時は命の危険すら感じた状態から、自分が被害者になってみて気づいたことは、
「被害者の盾になって、加害者の気持ちを変えるような介入する存在の必要性」だったと言います。そこから、小早川さんご自身がそういう存在になろうと団体を立ち上げたのですから、本当に強い!逞しい!

小早川さんのお話を聴いていて、勉強になったのは、ストーカーというとどうしても被害者の方ばかりに目が生きがちですが、加害者も「どうにも断ち切れない未練に苦しんでいる」ということ。もちろん、大前提として、どんなに相手への想いが強くても迷惑行為をすることは絶対にダメです!ただ、そこまでにいたってしまう加害者の心の闇にも手を差し伸べて治療しないと、ストーカー行為は繰り返されてしまうんだという悲しい現実も知りました。

小早川さんは、ストーカー被害を未然に防ぐために、交際を始める前に、相手の心を確認しろ、というアドバイスを送っているそうです。
「ポジショニング」・・・お互いがどういう立場か
「コミットメント」・・・それぞれ、何を最も大切に生きているか
「リミット」・・・これをしたら終わりだというほど嫌なことは何か
これらを確認してから付き合う、これがポイントだそうです。
なるほど・・・。たしかに、こういうことの確認が、いまの若者の希薄なコミュニケーションの中では足りないのかもしれませんね・・・。

これが、小早川さんの著書「ストーカー」。ここには、ストーカ―の被害者にも加害者にもならないための心得がたくさん載っています。

小早川さんご自身が経験した辛い、苦しいストーカー経験から、立ち上がったその原動力が「犬」(ワンちゃん)だと、ニッコリ微笑む姿に、被害者にも加害者にも寄り添う優しさと強さを感じました。

悲しい事件をなくすため、いつ、誰でも被害者にも加害者にもなりうるこの時代。
「ストーカー」という問題の根底を一から考えさせられました。

NPO法人「ヒューマニティ」の詳しい活動については公式HPをご覧ください。(放送で出てきた小早川さんの可愛いワンちゃんも載ってますよ!)

https://npo-humanity.org/

次回の放送もお楽しみに!