3月27日のゲストは、NPO法人日越ともいき支援会代表の吉水慈豊(よしみずじほう)さんでした

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【スタッフMの番組報告】

最近は、コンビニや飲食店、建設現場など多くの場面で外国人労働者の方を目にしますよね・・・。
言葉も習慣も大きく違う国で、お金を稼ぐということは、どのような職種であっても大変なことです。
懸命に働く彼らの姿を目にすることが多い私たち日本人も、そうした外国人労働者の方が、どんな事情で来日し、どんな環境で働いているのか、その背景についてはよく理解していないのが現状です。

今回の「阿部亮のNGO世界一周!」は。日本で働くベトナム人の職場での待遇改善をサポートし、解雇などで行き場を失ったベトナム人の保護にも尽力している、NPO法人日越ともいき支援会の代表 吉水慈豊(よしみずじほう)さんをゲストにお迎えいたしました。(日越の越は、ベトナムのことを表します。)

右:NPO法人日越ともいき支援会 代表 吉水慈豊さん

吉水さんのご実家はお寺で、お父様がベトナム人僧侶の支援をしていたことから、一緒に活動するようになり、東日本大震災で被災した在留ベトナム人の支援を機に、日本に住むベトナム人の生活相談就労相談などが増えて、
2020年にNPO法人「日越ともいき支援会」を設立したそうです。

そして現在はベトナムから来日した技能実習生を中心に、サポート活動していらっしゃいます。

知らない土地で、言葉も習慣もわからない、そんな中、故郷の家族を食べさせるため、お家を建てるため、
ベトナムだけでなく、多くの国から日本に働きに来る外国人の方がいます。

中でも今回「日越ともいき支援会」の活動を取り上げたのは、いま、ベトナムからの技能実習生が増えているということで、その現状や課題にについて2週に渡ってお聞きしました。

そもそも技能実習生とは、自分の国では学べない技術を習得する為に、途上国から来日して働く外国人のことを指します。東日本大震災以降、中国人の技能実習生が減り、人手不足の担い手として日本側から次はベトナムだ、と
受け入れが進んだことが背景にあるというお話には驚きました。そんな事情があったとは・・・。

ただ、こうしたベトナムの若者が日本で働くには、「送り出し機関」という仲介者が存在するのです。私はお恥ずかしながら、その仕組みも初耳でした。

吉水さんいわく、この送り出し機関にも悪質なところがあり、ベトナムでしていた仕事に嘘を書かせて来日させたり、日本語が全然できないまま来日させて雇用主とミスマッチが生じたり・・・とそのトラブルの内容は耳を疑うものばかりでした。

そんなことから、吉水さんのもとにはたくさんのベトナム人技能実習生から相談があるそうです。
その声は、本当に切羽詰まってベトナム語だったり、かたことの日本語で一生懸命涙ながらに電話をかけてきたり
私は聴いていて、この自分が暮らす国で、そんなひどいことをする企業、日本人がいることが許せなかったです。

一番多い相談内容は、雇用条件(お給料がきちんと払われない)や上司・同僚からのパワハラだと言います。

言葉が出ないですよね・・・。日本で夢を叶えるために来日して、一生懸命働こうとしているのに、外国人だから?技能実習生だから?理由も意味不明な圧力で彼らを追い込み、耐えられなくなった彼らが最後にとる手段が
「失踪」なのです。こんなこと許されていいわけがないですよね。

吉水さんは最後におっしゃっていました。
「このままだと、もう途上国の若者が、働く場所として日本を選ばなくなる」

これは近くでずっとベトナムの若者たちを支援してきた吉水さんだからこそ、声を大にして訴えたいことだったのだと思います。

こんな国、来なければよかった、そんな風に言われないためにも、受け入れる日本、そしてそこに暮らす私たち
日本人の外国人労働者の方に対する先進国としての大きな志をこれからは見せていかないといけないのだな、と痛感しました。

次回は、吉水さんが実際に出会ったベトナム人青年の体験を踏まえ、これからの「日越」の在り方などを一緒に考えていきます。次回の吉水さんの魂の訴えをお聴きのがしなく。


次回はもう新年度、4月ですね・・・。
お楽しみにー!