12月5日のゲストは、株式会社コワードローブ 代表取締役 前田哲平さんでした。

  • LINEで送る

【スタッフMの番組報告】

先日知り合いの妊婦さんが、マタニティウェアをネットで購入しているのを横からのぞかせてもらったのですが、
20年近く前の私の妊婦時代とは違って、その品数の多さにビックリしてしまいました。

私が妊婦のころは、正直オシャレさよりも、お腹のゴムがドラえもんのようにびよーんと伸びて、臨月までお腹をすっぽり覆って長く使えるものばかりで、選択肢はほとんどなかった記憶があります。

でも今はデザイン性も高く、ジーンズからワイドパンツからワンピースまで、多岐に渡っていて、人によっては悪阻や精神的に落ち込むこともあるマタニティライフを、ポジティブに変えてくれるものだなーと感じました。

そうなんです、洋服って、年齢や妊娠やケガなどさまざまな事情と絡んで、着れる服が変わっていくものなんですよね。そして、それがバラエティに富んだ選択肢であふれていると、利用する側は心が踊りますよね。

今回の「阿部亮のNGO世界一周!」のゲストは、ケガや障害のある方、高齢者のために「服を着やすくお直しする」サービス、≪キヤスク≫を運営している株式会社コワードローブの代表取締役 前田哲平さんでした。

右:株式会社コワードローブ代表取締役 前田哲平さん

冒頭にも書きましたが、洋服って誰でも、自分の着たいものを自由に着たいものですよね。でも、障害のある方や
高齢者の方は、自分の好みのものよりも、着やすさを一番優先して服を選ばざるを得ないのが現実なんです。

前田さんは2年前まで、ユニクロで働いていて、その時に障害者の方から「着る服がなくて困っている」という悩みを聞き、その現実に初めて直面したんだそうです。

その後いろいろな人にヒアリングをして、障害者の方の服に関する共通の悩みが、≪服の選択肢が少ない≫ということに、前田さんは気づいたのです。

今、世間ではファストファッションなるものが当たり前のように存在し、格安で品質もいい衣服がたくさん出回っています。決して高いお金を出さなくても、好きな色、好きなデザインの服を自由に気軽に身に着けられる時代になっているのに、その便利さが障害のある方々に行き届いていない現実が、前田さんの使命感を突き動かしたのかもしれません。

全ての人が着たい服を自由に着られる世の中を目指して、前田さんはユニクロを退社し、株式会社コワードローブを創業して、今年の3月からキヤスクのお直しサービスを始めたんです。


キヤスクでのお直し依頼の流れを簡単にまとめますと・・・

①キヤスクサイトにログイン(キヤスクでは店舗を持たないでオンラインで全て対応しています)

②お直ししたい服を準備する

③依頼したいお直しを選ぶ

④お直しを担当するキャスト(キヤスクでは実際にお直しをするスタッフをこう呼びます)を選ぶ

⑤キャストと詳細を打合せする(この段階でお直し内容と料金が確定)

⑥お直しする服をキャストに送る(配送料金はお客様負担)

⑦キャストがお直しをする

⑧お直しされた服が戻ってくる(配送料金はお客様負担)

ざっと、こういった流れで、着たい既製服を気軽にお直ししてもらえるサービスということがおわかりいただけたでしょうか。障害者の方でも今まで、着たい服を諦めていた方、きっとたくさんいると思います。
これは画期的なアイディアですよね!

上の写真にもあるように、そのサービス内容は、一般のお直し内容かそれ以上に多岐に渡っていて、Tシャツを前開きにするのが1650円、ボタン留めシャツをマジックテープ留めに変更で1650円など、聴いた方みなさんおそらく「え?そんなにお安いの?」と驚かれたことでしょう。私も街のお直し屋さんをよく利用しますが、その相場と比較してもだいぶ良心的なお値段な気がします。

しかも、これらの作業は、ひとつひとつ、キャストと呼ばれるスタッフがお客様の困りごとに寄り添い、お客様の要望に沿ったお直しを実現していての話なのですから、素晴らしいですよね。

一体どんな方がキャストを・・・、と思って前田さんのお話を聴いていたら納得いたしました。
キャストの3分の2がご自身のお子さんやご家族に身体の不自由な方がいて、これまでその家族のために服を作ったり直したりしてきた経験がある方なんです!

だから、身体の不自由な方の困りごとが具体的にイメージできて、お客様の要望にしっかり寄り添うサービスが提供できるんですねー。キャストの人選に一番気を配ると、前田さんもおっしゃていましたが、『技術でも心でも
寄り添う』というキヤスクの姿勢が、このキャストさんの存在に集約されているのかもしれません。

私も一児の母ではありますが、正直ミシン、手芸、そういったものは本当に苦手で・・・。
でも子どもって、親の手作りなものが、お弁当でも手芸品でも一番気に入ってくれて好きなものなんですよね。

身体の不自由なお子さんのためにお直しをしてあげたくても、技術的に高度なものが必要で諦めていたお母さんも
こういう心のこもったサービスがあれば、お母さんの思いものせて作ってくれる安心感もあり、頼みたくなりますよね。

実際にキヤスクにも、兄弟でお兄ちゃんが健常児、弟が障害児というおうちのお母さんから依頼があり、兄弟でおそろいの服を着せるためにお直しを頼まれた方がいたそうです。そうした方から「新品を買うより、想像もつかないアイディアで温かさを感じるお直しをしてくれた」という声もあったとか・・・。

将来的に、キヤスクのサービスが一番必要とされる特別支援学校などと提携していきたいと、前田さんは語っていました。制服のお直しを特別支援学校と提携して取り組めたら、事業としても今後大きな柱になっていくでしょうね!

キヤスクのスローガンは【着たい服を着る日常を、すべての人に】。
バリアフリーが当たり前な時代、衣食住の衣の部分でも多くの方が自分の好みの服を自由に着られる世の中になれば、社会は大きく変わっていく気がします。

前田さん率いるキヤスクのサービスには、未来への可能性がふんだんに詰まっていることがよくわかりました。
今後の活躍から目が離せませんね!

今回、キヤスクのサービスを利用したいと思われた方、また、キヤスクの配布している冊子を置きたいという団体や個人の方などは、公式ホームページに是非アクセスしてみてください。

https://kiyasuku.com/


次回の放送もお楽しみに!

【番組からのお知らせ】

12月18日(日)19時~20時、「阿部亮のNGO世界一周!In宮古島~人の思いがつなぐ島」を放送します!
東京から直行便で3時間の沖縄県・宮古島。阿部さんもプライベートでよく訪れるそうですが、観光客だけではなく、移住者の数も増えているのをご存知でしょうか。今回は阿部さんが宮古島で歴史を大切に生きる地元の方や
移住してきて宮古島のキレイな海を守る方などにインタビューしてきました!
変わりゆく宮古島の「今」に迫る1時間、お楽しみに!

なお、この番組はラジオ沖縄でもニッポン放送と同じ12月18日19時~20時で、放送されることが決定いたしました!沖縄のみなさまにもぜひお聴きいただきたい内容です!お楽しみに!

そして、番組からのお知らせ第二弾!
今年2月23日にニッポン放送で、放送されました「阿部亮のNGO世界一周!今 注目の町 北海道・ニセコ最前線!」が、このたび12月25日(日)19時30分~21時、北海道STVラジオで放送されることが決定いたしました!北海道のみなさんにもぜひ聴いていただきたい内容です!こちらもお楽しみにー!