10月24日のゲストは認定NPO法人「地球市民の会」ミャンマー代表 柴田京子さんでした

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【スタッフMの番組報告】

2010年の番組スタートから丸12年、国内外問わず、実にたくさんのゲストの方にお話を伺ってきたこの番組ですが、阿部さんにとっては、2015年に訪れているミャンマーという国はとてもつながりの深い国なんです。

そんなミャンマーも、阿部さんが訪れた時とは一転して、国軍によるクーデターから、すでに1年半以上が経過し、少数民族が暮らす一部の地域では、軍による弾圧で、多くの市民が亡くなっているのが現状です。

「阿部亮のNGO世界一周!」今回から2週にわたって、そうしたミャンマーで有機農業の普及や農業用水の確保などに取り組んでいる、認定NPO法人「地球市民の会」ミャンマーの代表を務める柴田京子さんをゲストにお迎えしました。

右:認定NPO法人「地球市民の会」ミャンマー 代表 柴田京子さん



2002年から18年にわたってミャンマーで活動されてきた柴田さん。阿部さんとの再会は2015年のミャンマー訪問以来、実に7年ぶりでした!しかし、あの時は、まさかミャンマーが今のような事態になるとはだれも予想だにしていなかったわけで…。今回は政変後のミャンマーでの活動状況や今後の展望などをじっくり2週にわたってお話いただきました。

「地球市民の会」ミャンマーは主にシャン州とチン州の2つの州で、有機農法の普及活動をしていましたが、政変後はその活動のほとんどができなくなり、スタッフも国外に逃げざるをえない状況になって、事務所も閉鎖したそうです。

シャン州では農家の人たちの暮らしが大変厳しくなり、チン州では戦闘がいまだ激しいために生活面のすべてで
サポートの必要があるそうです。

いまだ続く政変後の混乱は、私がメディアを通じて知りうる想像をはるかに超えるすさまじいものなのだということも、柴田さんのお話からよく伝わってきました。
そして、驚いたのは、シャン州の農家の人たちの多くが国外に出稼ぎに行くのが、生活が苦しいからというよりは、若い男性が村に残っていると徴兵される可能性があるからということも大きいという事実・・・。

こうした状況下でも、柴田さんたちは、シャン州で農村リーダーの育成を行い続けていると言いますから、本当に頭が下がります。

その内容は、高校生に2年間の研修を行って、学校に行きながら農業・畜産の技術を教えているというもの。7月に2年ぶりにミャンマーに行かれた柴田さんにとって、こんな大変な状況でも懸命に生きる高校生たちの顔を見たら、何よりホッとしたでしょうね。もはや、柴田さんにとっては実のお子さんへの気持ちと同じなはず・・・。

ミャンマー最大の都市ヤンゴンでは、いまだに銃を持った人がいたり、爆発音があちらこちらで聞こえてくる状態で、かつて「地球市民の会」が運営していた有機作物の専門店「オーガニック・グリーンヒル」も閉めたまま、なかなか日常が戻らない現状に、一番心を痛めているのは柴田さんたち、現地で貧しい人たちの暮らしをサポートしてきた人たちなんだろうな、と痛感しました。

ただ、政変で現地に日本のスタッフが行けない2年の間に、「良い変化」もあったとか。
それは、現地のスタッフだけでやりたいことを実現していこうとする「主体性」みたいなものが生まれたそうです。その一つが、ごみ拾い活動。決して派手な活動ではないかもしれませんが、困難な状況でも自主的に活動する機運が高まることで、立ち行かない空気を一変できるかもしれないですよね。

地道で誠実な活動こそが、本当に価値がある。

私はこの番組にいらっしゃる多くの団体の方から、毎回このことを教えられているような気がいたします。

2年ぶりにミャンマーに帰った柴田さんには、今のミャンマーはどう映ったのか。
阿部さんの問いに、「すごく希望のある国、とはだれも思っていない空気。国を良くしたいと思っていても、外に出ざるをえない人もたくさんいて、少しずつ良くなっていた矢先の政変は本当につらい・・・」
と答えていました。

柴田さんにとって、第二の故郷ともいえるミャンマーで、柴田さん自身息子さんを通じたママ友もたくさんいて、
明るい未来を信じていたと思います。その中でのこの状況は本当につらいものだったはずです。

でも柴田さんは、ミャンマーの明るい未来のためにさらに立ち上がりました!

認定NPO法人「地球市民の会」では、【ミャンマーの子どもたちに学ぶ幸せを届けたい、たくさんのエールを本や文房具にのせて】というクラウドファンディングを10月3日から11月11日まで受け付けているんです!

いただいた寄付金で高校生の奨学金や文房具のサポートなどさまざまな支援に活用していくそうです。

ご興味がある方はぜひ認定NPO法人「地球市民の会」のホームページをご覧ください。

http://terrapeople.or.jp/main/1.html


「地球市民」とは、あなたのしあわせが私のしあわせと感じられる人、のことを指すそうです。
その地球市民を増やすことを目的に、20年もミャンマーで地域づくりに取り組んできた柴田さん。

この放送を聴いてくださった多くの方が「地球市民」としての優しさを持ってくださることを、願っています。
来週は地球市民の会の新たな取り組みについても詳しく伺います。

来週の放送もお楽しみに!