番組スタートから祝12年! 10月3日のゲストはNPO法人「SALASUSU」代表 青木健太さんでした

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【スタッフMの番組報告】

タイトルにも書かせていただきましたが、「阿部亮のNGO世界一周!」、この10月で番組スタートから丸12年
となりました!!!
ひとえに番組をいつも聴いてくださっているリスナーのみなさま、そして番組にご出演いただいた様々なNGO、NPOの団体のみなさまのおかげです。本当にいつも応援いただきありがとうございます。

13年目に突入いたしましても、素晴らしいゲストのみなさまとともに、実りある放送をお届けしていきますので
これからもどうぞ「阿部亮のNGO世界一周!」をよろしくお願いいたします!

左:認定NPO法人「かものはしプロジェクト」理事長、NPO法人「SALASUSU」代表 青木健太さん



この記念すべき12周年の回に、とってもふさわしいゲストをお迎えいたしました。

番組冒頭でも阿部さんが話していましたが、阿部さんがNPOやNGOの活動に興味を持つようになったきっかけが
認定NPO法人「かものはしプロジェクト」を創設された村田早耶香さんの講演を聞いたことでした。

その後この番組も生まれ、まさに阿部さんにとって「かものはしプロジェクト」は特別な団体なんです。
その「かものはしプロジェクト」を村田さんと一緒に設立した方が、今回のゲスト、「かものはしプロジェクト」理事長で、NPO法人「SALASUSU」代表も務める青木健太さんなんです。

2002年からカンボジアで、人身売買から子どもを守るために活動を続けてきた「かものはしプロジェクト」ですが、2018年に活動を終了しました。その理由は、青木さんたちの活動が実を結んで、子どもの人身売買がほぼなくなったからだそうです。すごいことですよね。

阿部さんも支援した「かものはしプロジェクト」が立ち上げた「コミュニティファクトリー」が、女性への職業訓練と雇用を提供しつづけたおかげで、子どもを売らずにすむようになったというのです。
そのノウハウを活かして、2018年からは、インドで子どもを人身売買から守る活動をされています。

青木さんはなぜ次なるターゲットをインドにしたのか。私もお話を聞き入ってしまいました。

青木さんいわく、インドはたくさんの国がくっついているようなイメージなんだそうです。つまり、州がちがうと
インド国内でも、言葉もなにもかも違うので、インドで人身売買を取り締まろうにも、州をまたがって捜査するわけでもないので、人身売買の業者が有罪になるのはたった数パーセントなんだそうです。被害者は耐え難い苦痛を味わううえに裁判などのお金をだしてまで、そんなことはしない・・・となると、人身売買業者にとっては捜査の手が及ばない、訴訟にもなりにくい「割のいいビジネス」となってしまうというからくりなんだとか・・・。

カンボジアのように、「かものはしプロジェクト」の活動が実を結んで、インドでもなんとか2025年までには人身売買を根絶したいと語る青木さんの熱い眼差しが印象的でした。

そんな青木さんは今、カンボジアでNPO法人「SALASUSU(サラス―ス―)」をあらたに立ち上げ、活動しています。SALA=学校  SUSU=頑張って という意味なんです。

先ほども紹介した「コミュニティファクトリー」は、農村で貧困に苦しむ女性たちに職業訓練を行う施設で、阿部さんも以前訪れたことがあるんです!
ここでは、ミシンの使い方から会計管理の仕方など、阿部さんも言ってましたが、貧困から抜け出す仲介者として
青木さんたちが一役買っていることがよくわかりました。

青木さんがこだわっているのは、貧困に苦しむ人々に【ライフスキル】を身につけてもらうことだそうです。

【ライフスキル】とは、簡単に言うと、よりよく生きるために必要な技術的能力。

カンボジアでは、初等教育も満足に受けられず、日雇いの仕事に従事してきた女性ばかりで、そうなると、いざ、仕事に就いてみると、自信も経験値もないので問題解決までいけないんだそうです。
そこで、【ライフスキル】を身につけることで、モノづくりを通じた人づくりまでやることができ、カンボジアはさらに発展していく、と青木さんは考えているんですね。

9月にゲストでいらした高山さんはカンボジアの負の遺産ともいわれる地雷の撤去に汗を流し、安全な地域をどんどん増やしていて、今回の青木さんはカンボジアの経済をより一層発展させる知恵を提供していて・・・
ジャンルは違えど、日本人の英知の結集がカンボジアの発展に繋がっているかと思うと、誇らしい気持ちでいっぱいになりました。

とにかく、溢れる情熱と行動力を秘めながら冷静に情勢を見極め、誰かのために迅速に動ける方・・・
私には青木さんはそのような素晴らしい方に映りました。放送を聴いたみなさんにも伝わったでしょうか…。

今回、青木さんのお話で私が一番印象に残ったのが、『頑張るということ自体が環境が与えてくれた技術だ』という言葉でした。

これは、放送でも話してくださいましたが、カンボジアに12年いて、コミュニティファクトリーを卒業して就職しても、さまざまな理由ですぐ辞めてしまう彼女たちを見て、「なんでもっと頑張れないんだ!」と、憤っていた青木さんだからこその気づきだったんです。

私たち日本人は恵まれた環境にいるから、「頑張る」ということを当たり前のように他人にも求めてしまいますが
明日の自分がどうなるのかもわからない環境に生きる人たちにとって、頑張ることはとてもハードルが高いことなんだと。

だからこそ、【ライフスキル】にこだわって支援していこうと青木さんは決意したのです。

キャリアとしてうまくいった女性から、生きるのが楽になったと言われたという話をなさる青木さんの横顔は
頑張った先の幸せを知った人、という感じでした。

コミュニティファクトリーで現地の女性が作った商品は、世界遺産アンコールワットがある街、シュムリアップに
ある「SALASUSU]のお店に並び、日本からも公式オンラインストアで購入できるんです!


上の写真で阿部さんが手にしているのが、最近大人気のカンボジア伝統の織物クロマ―から作るフリンジバッグ
です。私も現物を見させていただきましたが、とてもオシャレで色合いも素敵で感激しました。
雑誌「FUDGE」9月号にも掲載されていて、興味のある方は是非、公式オンラインストアをご覧ください。

青木さんはこうした商品に込められた、作り手の女性たちのエネルギーを感じて欲しいとおっしゃていました。

青木さんたちがこうした工房で作り上げてきたライフスキル教育が、カンボジア中に広がっていくことは、青木さんだけでなく、同じ日本人として私たちも誇らしい気持ちになれますよね。本当に素晴らしいです!

青木さんはエンディングで、「今、もし夢ややりたいことがなくても全然大丈夫。自分も人生でやりたいことが見つかったのは起業して15年たった33歳くらいの頃。すっごいがんばった先よりも、ゆっくり休んで旅をしたりして、自分が人生において何に喜びを感じる人間なのか、自分が何者でありたいのか、を時間をかけて見つけて欲しい」というメッセージを残してくださいました。

あまりに素敵な言葉だったので、文字に起こしてここに書かせていただきました。

「頑張る」ということの本当の意味は、がむしゃらさではなく柔軟な心と頭を持ち合わせることなのでは、青木さんのお話から、そんなことを感じました。
みなさんの心にはどう届いたでしょうか…。

認定NPO法人「かものはしプロジェクト」について詳しくお知りになりたい方は、

https://www.kamonohashi-project.net/

NPO法人「SALASUSU]について詳しくお知りになりたい方、公式オンラインストアは

https://salasusu.com/

次回のゲストもカンボジアで活動されてきた方です!どうぞお楽しみに!