9月19日(月)のゲストは認定NPO法人「だいじょうぶ」理事長 畠山由美さんでした

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【スタッフMの番組報告】

withコロナ…そんな言葉ももう聞き慣れてしまい、もはやマスクをして、出先では常にアルコール消毒と検温、パテーション越しの飲食、会話、これが当たり前の風景となりましたよね…。
第7波以降の最近では、その対策も意味があるのか…と言わんばかりに「自主的緩和」で行動している人も増えている気がします。

しかしそんな長期で私たちの暮らしを振り回してきたコロナによって、深刻に暮らしぶりが悪化した方が多くいるのも現実です。

今回から2週に渡ってゲストにお迎えしたのは、栃木県日光市で虐待のリスクやその不安がある家族に寄り添い、
コロナ禍で仕事を失って生活が苦しくなっているご家庭に、食材配布などのサポートをしている、認定NPO法人
「だいじょうぶ」理事長の畠山(はたけやま)由美さんです。

右:認定NPO法人「だいじょうぶ」理事長 畠山由美さん

畠山さんには昨年7月にも番組にご出演いただきました。その時もコロナの影響で日光市のホテルや旅館、飲食店などで働く非正規雇用のお父さんやお母さんのいるご家庭の生活状況が厳しく、食材を届けたり、サポートをしているお話を伺いました。その1年後、まだこのコロナ禍が続いているとは…。
その後の「だいじょうぶ」の支援活動や新たな取り組みについて、今回もじっくり伺いました。

長期化するコロナ禍で、困窮世帯は本当に大変で、車がないと生活できない日光のような場所では、車検代が払えずに車を手放す方もいると聞いて、その深刻さを痛感しました。

「だいじょうぶ」では小学生以上のお子さんが夕ご飯を食べたり、お風呂にも入れてもらえる「ユアプレイスひだまり」という居場所や、乳幼児を預かる「ひだまりキッズ」というのを運営していて、この取り組みはシングルマザーのご家庭に大変喜ばれているそうです。

乳幼児のいるご家庭では、保育園から帰ってからの時間が壮絶だとよく聞きます。お迎えして、たくさんの洗い物、夕飯の支度、お風呂に入れて、翌日の準備、寝かしつけ、これら全てを、仕事から帰って疲れたお母さん一人がこなさねばならないシングルマザーのご家庭は、特に本当に大変ですよね…。

子育てをしているお母さんやお父さんが疲弊していると、そのぶん子どもへの虐待のリスクも上がってしまいます。
なので、畠山さんたち「だいじょうぶ」のような団体が、親御さんの負担を少しでも減らすべく支援してあげることで、救われるご家庭もたくさんいるということがよくわかりました。

私自身も東京生まれで核家族で育ってきたので、何か困ったときにすぐ頼れるご近所付き合いというのは皆無に等しかったです。ただ、育児こそ先輩ママが頼りになりますし、役所や病院などの機関に行く手前の段階で、気軽に
相談できるような人、場所を持てるってどれだけ育児において心強いか…。

畠山さんたちの優しい想いが、コロナ禍で息詰まって暗雲立ち込めるご家庭を少しでも明るくしているんでしょうね。

また、今回の放送で印象に残っているのが、「だいじょうぶ」が取り組んできた児童虐待からの親の治療を行う
プログラム「マイツリーペアレンツプログラム」の対象を、お母さんだけでなく、お父さんにも広げて開催することにしたというお話。

お父さんの虐待というのは、得てして、力の強さから、子どもたちが死にいたってしまう可能性も高いそうです。
そこで、いらだちを抑える深い呼吸法を練習したり、体罰の問題性や自己肯定感などをテーマにグループワークを行っているんだそうです。

「男は泣くな」という教育を受けてきたお父さんも多いため、泣いている子どもの対応として、泣いてもいいんだよ、というワークも取り入れているというのが、なるほどーと感心してしまいました。

自分が泣かない強さと、泣いている人を思う気持ちのバランス、これをしっかり理解するべきなんですね…。

長く先の見えないコロナ禍。
私たちはこの3年間いろんな苦しみや悲しみを、それぞれの立場で経験してきました。

こんな時代にも、多くの未来ある子どもたちが誕生し、懸命に生きようとしています。
苦しい状況は大人にも等しくありますが、人生の先輩として、そのストレスを子どもたちに向ける前に、自らのあり方をきちんと見直す時間を持つことが大切なんだなと、畠山さんたち「だいじょうぶ」の活動を聴いて、改めて
感じました。

来週の放送では、「だいじょうぶ」が新たに取り組む、養育里親についても詳しく伺います。
お楽しみに。