9月12日のゲストは認定NPO法人「国際地雷処理・地域復興支援の会」理事長 高山良二さん

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【スタッフMの番組報告】

早いもので2022年もあと3か月…。スーパーに栗やサツマイモ味のものが並び始めると秋を感じるのは、私だけでしょうか(笑)夏休みも終わり、世のお母さん方、やっと解放されたーと思われている方もいらっしゃるでしょう!私もです!(笑)

この夏は、甲子園の優勝校仙台育英高校の監督の言葉「青春てすごく密なんで…」に、痛く感動いたしました。愚息もコロナ禍ドンピシャの高3で、あと少しあと少しと我慢する時間の中で過ごす高校生活も、気づけば半年を切ってしまいました。密な青春、送れたのだろうか…、私たち大人はそんな若者たちの気持ちに寄り添う優しさを持ち合わせねばいけないな、と秋風にかわりつつある今感じております。

今夜の「阿部亮のNGO世界一周!」のゲストは、日本の多くのNGO、NPOが活動している国、カンボジアで、地雷や不発弾を除去する活動を続ける団体、認定NPO法人「国際地雷処理・地域復興支援の会」理事長の高山良二さんをお迎えいたしました。

真っ黒に日焼けした高山さんの明るい笑顔が、スタジオをパッと明るくしてくださいました!

右:認定NPO法人「国際地雷処理・地域復興支援の会」理事長 高山良二さん

認定NPO法人「国際地雷処理・地域復興支援の会」は、特に地雷や不発弾が数多く残る地域、カンボジアで日々
地雷や不発弾の撤去活動に汗を流しておられるんです。

カンボジアは1960年代後半のベトナム戦争に巻き込まれてから、30年以上も戦争状態が続いて、地雷が400万~600万個も使用されたと聞いて、平和ボケな私もさすがにその多さに言葉を失いました…。

自衛官としてカンボジアPKOに参加した後、半年の任期の間にご自分が何もできなかった…という悔しさでいっぱいになり、自衛官定年退職後3日でもうカンボジアに向かったというエピソードからも、高山さんの凄さがわかりますよね!!!

定年退職して3日なんて…、普通は、ゆっくりのんびり…余生を楽しみたい…と思っちゃいますよね。でも高山さんは違うんです!今回一番印象的だったのは、こうした自衛官退職後の高山さんの活動について、ご自身は「これは
第二の人生ではない。今を残りの人生なんて全く思っていない。55歳までは人生の練習期間」とおっしゃていたことです。PKOの活動中、命の使い方を考えたというだけあって、その言葉の重みが伝わってきました。

高山さんがPKO活動に参加されていた直前、世界はイランイラク戦争で大揺れのさなかでした。このときの日本政府の対応は世界的にも批判を浴び、「日本はお金だけ出して何もしない国」と揶揄されてきました。そんなこともあり、人一倍責任感が強く、熱い大和魂を持った高山さんはとにかくPKO活動を成功させたかったのです。
その思いの結実が今の活動につながっていることもよくわかりました。

日本の国を背負う使命感…本当に素晴らしいですよね!この男気を優しい笑顔で語る高山さんのお話は本当に
惹きこまれました。

高山さんがカンボジアで地雷除去されてきた地域は「地雷が一番多く埋没されていて、再貧困の村」で、高山さんの想像をはるかに上回る劣悪な環境が今でも続いているそうです。地雷被災だけではなく、エイズやマラリアなど
の感染症や人身売買など向き合わねばならない、たくさんの問題に直面しながらの活動は、余生なんていう甘い考えではできないですよね、冒頭の私の浅はかな考えを、高山さんのお話を聴いて、恥じました…。

高山さんは、撤去した地雷の数よりも、どれだけのエリアをカバーして安全にできたかにこだわっているともおっしゃていました。(ちなみに東京ドーム約65個分の土地を安全にされました!すごい!)
ただ地雷や不発弾を処理して終わりではなく、その地域が安全になって、そこに暮らす人達の生活が安定するまでの支援が不可欠と気づかれたそうです。

そんなカンボジアの真の復興を目指して日々奮闘されている高山さんの目標が「カンボジアの自主復興」。
そのためには、とにかく教育をしっかりして地場産業、農業を発展させることが急務だという言葉は力強かったです。

カンボジアの人が作ったものが、世界に流通して発展を遂げていくその日まで、高山さんのアグレッシブな活動は
続いていくのでしょう…。
今はお酒の開発にも力を入れているそうです。楽しみですね…。

激しい戦火のあった地域で黙々と地雷や不発弾という負の遺産と向き合いながら、ただの理想論や都合論で語る平和ではなくて、現実的な発展を遂げる平和を考えてきた高山さん。

政治に興味のない若者だらけの日本の方が、カンボジアよりもよほど心配だ…とエンディングでも嘆いておられましたが、この放送を、たまたまradikoで、たまたまタクシーで・・・なんていう形でも聴いて感じてくれる若者が一人でも多くいてくれたら…、と切に願いながら、高山さんに負けない大和魂を持って日々生きていかねばな、と感じた次第です…。

認定NPO法人「国際地雷処理・地域復興支援の会」の様々な取り組みについては

https://www.imccd.org/

【カンボジアで共に生き、共に歩み、平和の種を育てたい】 この高山さんの想いが届きますように…

   
来週の放送もお楽しみに!