【スタッフMの番組報告】
コロナ第７波、物価高、酷暑、どれをとっても嬉しくない夏休みもようやく終わり、いよいよ新学期のスタート
ですね…。先日友人の５歳の娘さんの絵日記を見て衝撃的でした。
描かれている人間が、みんなマスクをしているんです。そうですよね…。コロナ禍で生まれ育ったお子さんにとっては、初めて見る世界は、マスクだらけの人が当たり前で…。ちょっと気の毒な気もしましたが、こんな時代もあったなーと大人になって笑える、明るい時代が来ることを願うしかないですね。
右：一般社団法人「ケアマネージャーを紡ぐ会」代表理事の宮崎直樹さん
今回の「阿部亮のNGO世界一周！」のゲストは、前回に引き続き、一般社団法人「ケアマネージャーを紡ぐ会」代表理事の宮崎直樹さんをお迎えいたしました。
前回の放送で、宮崎さんには、介護の世界ではなくてはならない存在の≪ケアマネージャー≫について、その問題点などを、詳しくわかりやすく教えていただきました。
今回の放送で、一番印象的だったのが、宮崎さんの口から最初に飛び出してきた、
「この業界（介護の）は舐められている！」という憤りの言葉でした。
とある施設で働いていたときに、ご老人から「あんたがいてくれると嬉しい」と言われてから、≪自分の居場所≫があると感じてのめりこんんでいったという宮崎さんのケアマネージャー人生。その宮崎さんが語気を強めて訴えた、この言葉にはとても重いものを感じました。
宮崎さんいわく、ケアマネージャーを含め、日本の介護職の給料が低い背景には、【日本型福祉】という考え方が
あるからだということです。この【日本型福祉】とは、介護は基本、家族がするもの、という考え方を指すそうです。だから、介護に携わる人に膨大な給料を出す仕組みにそもそもなっていないというのです。
たしかに、いくつになっても父や母は大切な親であり、孫にとっても同様です。でも医学の進歩で長生きご長寿が
日本の社会を元気にしてくれている今、その関わり方も多様化していくのは当然なわけで、介護は家族がやるべき
だから、それを代行している仕事の賃金は低くていい、という発想は納得できないですよね。
前にもこのＨＰで書きましたが、私は両親を施設にあずけている立場で、本当によくしていただいているし、家族だとついつい、感情的になってしまうことも、仕事として関わるプロたちの手を借りることでスムーズにハッピーにことが進むということが本当に多いんです。
資格を有するこれらの介護のプロたちの評価を表す一つが賃金であるならば、もっともっと高い給料が支払われるべきだなと実感しました。
給料が安いがために、介護職をすぐ辞めてしまう人だらけになったら、お世話になる高齢者やその家族は安心して信頼関係を築くことができないですよね。
宮崎さんはご自身の経験から、ケアマネージャーを続けながら、船橋市市議会議員になり、介護職の政治家を増やして待遇改善を目指しているんです。ものすごい行動力です！
また、以前番組でご紹介した「ななしょくプロジェクト」という、デイサービスを利用する人が活動期間中にコンビニで有償ボランティアを行うシステムも、宮崎さんが発案されたんです。
超高齢化社会が進み、複雑多様化する介護保険の世界のなかで、元気なお年寄りを増やし、それをサポートする
介護職の方がいきいきとやりがいをもって働ける社会になってほしいと、誰もが思っています。
それでも、宮崎さんが投げかけた山積みの問題は以前解決していないままです。
宮崎さんがおっしゃるように、介護のプロが議員になることで、その問題解決が少しでも前進するのであれば、
ぜひそういう世の中になってほしいですね。
介護の世界はいまだに３Ｋ「きつい・きたない・給料安い」という認識で、この３Ｋを「感謝・感動・希望」があるような仕事だと思ってもらえるように活動していきたいと語る、宮崎さんの眼差しは熱く、明るい未来が見えてくるようでした…。
利用者として、介護の世界を知った私は、こういう世界をきちんと理解することで、誰かの優しさであふれる世の中のすばらしさを実感しています。
この放送を聴いて、介護の世界をじっくりゆっくり、いろんな立場で考えてみるきっかけになっていただけたら幸いです…。
宮崎さんをはじめ、介護職をしながら議員をされている方への取材をまとめた本「介護職よ、地方議員を目せ！」は、「株式会社ともあ」から好評発売中です。
是非手に取ってみてください。
一般社団法人「ケアマネージャーを紡ぐ会」の活動を詳しくお知りになりたい方は、
来週の放送もお楽しみに！
