7月11日のゲストは認定NPO法人「フリースペースたまりば」の理事長 西野博之さんでした

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【スタッフMの番組報告】

7月も3週目に入ってくると、子どもたちにとっては待ち遠しい、親御さんたちにとっては朝昼晩とご飯の支度を
しなければならない、恐怖の!?夏休みの足音が聞こえてきますよね…。
しかも昨今の物価上昇で、スーパーで急遽献立を変えざるをえないようなそんな厳しい時代の夏休みは、私も今から怖くてたまりません!

でも、どんなに大変であっても家や学校に居場所があるということは、子どもにとってとても幸せなことなのだ、と今日のゲストのお話を伺って実感いたしました。

「阿部亮のNGO世界一周!」今夜から2週に渡ってゲストにお迎えしたのは、神奈川県川崎市にある、認定NPO法人「フリースペースたまりば」の理事長西野博之さんでした。

西野さんは、不登校に悩む子どもたちのさまざまな希望を実現させたプレイパーク「川崎市子ども夢パーク」を
2003年にオープンして、今も子どもたちのそばに寄り添う場所を提供しているんです。

そのきっかけは、たまたま知り合った小学校1年生の男の子が、入学してわずか1か月で、学校に行こうとすると
お腹が痛くなってしまうということが続き、その子が残した「ぼく、もう大人になれない…」という言葉だったそうです。

学校に行きたくてもいけない、そういう子どもたちが学び、育つ場は本当に学校だけなのか?学校以外に学び、
育つことができる場所を自分たちの手でつくってあげればいいんじゃないか、そう考えた西野さんは、「登校拒否」という偏見や無理解がはびこっていた30年前の日本で、アパートを借りて「フリースペースたまりば」を始めたのです。

とっても物腰の柔らかい、明るい声の西野さんから飛び出す言葉はどれも前向きで、力強くて、悩みを抱える子どもたちのために最前線で活動しているエネルギーが伝わってきました。

右:認定NPO法人「フリースペースたまりば」理事長 西野博之さん

        
西野さんのお話の中でとても印象的だったのが、「たまりば」を始めてすぐのころ、集まってきた子どもたちにいろいろ手を差し伸べようと試行錯誤していた西野さんたち大人に、子どもたちが天井裏にこもって「ここが私たちの居場所よ!」と微笑んだというエピソードでした。

この子どもたちの行動から、西野さんは「私たちは私たちのままでいさせてよ」という子どもたちのメッセージを感じ取ったそうです。子どもたちは、大人の差し伸べる手は求めていない、つまり、大人のよかれは子どもにとっては迷惑なんだと…。

私たち大人は、困っている子どもがいたら、ついつい手を差し伸べたくなってしまいますよね。でも、大人が差し出すもののなかには、かえって子どもたちを追い詰めてしまったり、子どもたちのホッとする時間を奪ってしまったりするのだ、と、気づかされました。

高度経済成長期以降、日本の大人は子どもに対して、将来失敗しないように、早期教育、一流大学、一流企業へのこだわりを、大人目線で押し付けすぎてきたのかもしれませんね。
大人がやらせたいことより、子どもがやってみたいことに挑戦させること!
これってわかっていながら、親の私もなかなかできずにここまできてしまいました…。(猛省)

そうやって時代の流れの中で生きづらさを感じる子どもたちと真摯に向き合い続ける西野さんは、2001年に施行された「子どもの権利に関する条例」の策定にも携わり、そのときも条例案作りに子どもも参加させて、2年間に200回という会議を重ねたそうです。すごいですよね!

その条例の具現化を目指してオープンしたのが、「子ども夢パーク」なんです。
私もホームページで拝見したのですが、とにかく子どもが自分の責任で自由に遊ぶ場所で、約1万㎡の広大な敷地では火おこし、木登り、水遊び、工具を使った創作活動など、なんでもやってOKなのです!

普通の家庭なら親が「危ないからダメ―」と言いそうな遊びが、この「子ども夢パーク」ではすべて実現できてしまう、まさに子どもにとっては夢が叶う場所ですよねー。
「子ども夢パーク」には【禁止】の看板がないんです!

これには、西野さんの子どもたちに対する深い思いやりがあるんです。
今の世の中過剰なくらい子どもたちにケガをさせない、失敗させないと身構えてる大人が多すぎて、でもそれは子どもたちの危険を察知する力すら奪ってしまっている、だから安心して小さな失敗をする場所を作ってあげよう、そんな西野さんの思いが詰まってできたのが、「子ども夢パーク」なんだとよくわかりました。

「子ども夢パーク」のルールを、西野さんは、≪ケガと弁当、自分持ち!≫と笑顔で宣言されていました。

放送中阿部さんもこの言葉はとてもいい言葉だと言っていましたが、私も思わずメモをとってしまいました。
私も含め、現代の過保護になりがちな親が肝に銘じなければいけない言葉ですよね。

もうすぐ夏休みがやってきます。
親子で過ごす時間ももちろん大切ですが、子どもたちのやりたいことを好きなだけやらせてみる、そんなきっかけをくれるかもしれない「子ども夢パーク」、興味のある方は是非足を運んでみてください!
親の知らない子どもたちの新たな顔を見られるかもしれないですね…。

認定NPO法人「フリースペースたまりば」の活動に関して詳しくお知りになりたい方は

https://www.tamariba.org/

来週は西野さんが「子ども夢パーク」内に開設した「フリースペース えん」や、その様子をおさめた
現在公開中のドキュメンタリー映画『ゆめパのじかん』について詳しく伺います。
お楽しみに!