【スタッフMの番組報告】
早いもので、もう6月も終わりを迎える、つまり、2022年が半分過ぎてしまったということです…。なんと…。
先日ある記事で「2022年上半期ヒットしたもの」などという特集がなされていて、その事実を初めて認識した
次第です…。(ちなみに上半期ヒットしたもののなかには、レトルト食品を電気で手軽に温められる家電や逆さタイプの洗剤などがありましたよ!)
ぼーっと生きてんじゃないよ!とどこかの女の子に怒られないように、襟を正して生きていかねば…
みなさん!今年も折り返しに入りましたよー!(笑)
さて、今回のNGO世界一周!のゲストは、2008年から社会課題の解決に取り組み、「社会課題解決のスペシャリスト」とも言うべき、NPO法人「issue+design(イシュープラスデザイン)」代表の筧裕介さんでした。
筧さんは、正解がない、難しくて複雑な問題を解くことを「デザイン」と呼んでいて、これまでにいくつもの社会課題をデザインされてきました。
想像力と創造力の翼が無限に広がっている筧さんのお話はとても興味深かったです!

右;NPO法人「issue⁺design(イシュープラスデザイン)」代表の筧裕介さん
元々広告会社の第一線で働いていた筧さんは、正解のない、人の気持ちを動かすデザインというものを考え出すことを学び、アメリカの同時多発テロを現地で体験した際に、仕事をすべて失ったところから、自分に何かできることはないかと考えて、現在の社会的なテーマに仕事の軸足を移していこうと決めたそうです。
華やかな広告会社という世界から、社会的課題に取り組む世界に身を移そうという決断の裏には、テロや震災のような自然災害に突然襲われたなかでも、歩みを止めず、自分なりの正解を探そうとする筧さんの熱い想いが
あったことがよくわかりました。
長いコロナ禍にあったこの数年、世の中がすべてストップして、生き方や人生について、考える時間が増えた方も多いと思います。筧さんのように「自分に何ができるか」を考えて新たな一歩が踏み出せる、そういう人間になりたいな、としみじみ感じました。
筧さんのお話には「人の気持ちを動かせるような楽しさや美しさ」という言葉が何度もでてきました。
これは、広告会社にいたときから、今もずっと変わらず筧さんがこだわりつづけていることなのです。
世の中にはたくさんの社会課題がありますが、政策やお金が絡んでくると、私たち市民はどうしても自分事という風にとらえられなくなりますよね。市が、国がやってくれるか…と思いがちです。筧さんはいかにそれを、自分事として捉え、関わる気持ちを持つようになってもらうか、日々考えているんです。
筧さん率いるissue+designの活動のなかで、なるほど!と思ったのが、震災での課題を解決するために、ボランティアスタッフや被災された方々が自分にできることを表明する「できますゼッケン」の考案です。
阿部さんも東日本大震災の被災地に行ったときに、当時の混乱した状況下でのボランティアの交通整理が必要だと感じたそうです。この「できますゼッケン」があれば、呼び名とできることが一目でみんなにわかって、ボランティアの力も最大限にいかせますよね。
気仙沼では公式なボランティアツールになっているくらい、「できますゼッケン」はこれからの災害時、必須となってくるのではないでしょうか。
さまざまな課題をデザインしてきた筧さんが、今一番力をいれているプロジェクト「気候危機+DESIGN」のお話も、日々、エコや地球温暖化というフレーズを耳にするようになった今の日本では、かなり自分事として取り組める課題だなと思いながら聴いていました。
今、地球がどんな悲鳴をあげているのかを可視化することで、世界各地で起こっている気候変動の事例をみんなが理解しやすくなり、自分たちが暮らしを変えることでこの問題が解決できる、と考える仲間を増やしていく、筧さんの狙いと目指す未来像が伝わりました。
今の時代、多様性ということの重要性が盛んに叫ばれますが、多様性の本当のゴールは、筧さんが目指すような
世の中にあるたくさんの難しい課題に、自分なりの解決を見つけていくことなのかもしれません…。
そんなさまざまなデザインを仕掛ける筧さんが、昨年発売した本が「認知症世界の歩き方」という本です。
来週は筧さんが認知症をどうデザインしたのか、今や85歳以上の日本人の半分がなんらかの認知症を患っているというのですから、多くのみなさんに是非聴いてほしいです!
来週の放送もお楽しみに!