【スタッフMの番組報告】
前回のホームページで、我が家の高校３年生の息子の浪費癖(笑)について、少し愚痴をこぼしてしまいましたが、
実は今年度から学習指導要領の改訂により、高校の家庭科や公民で、新たな金融教育なるものを教えているんだそうです。
内容は学校によって多少違うようですが、１８歳成人ということで、クレジットカードの作成や住宅・車のローンの組み方など、社会に出てから直面する金融にまつわる仕組みを学ぶ授業とのこと。
今の子供たちもこういう授業なら、興味を持って聞くのでしょうかね…。
キャッシュレス化が進んで、お金の重みや価値というものが、目に見える形で理解しづらい世の中になっているのかもしれないので、金融教育というのは大切だな、と親としても痛感しております。
左：五常・アンド・カンパニー株式会社 代表執行役 慎泰俊（シン・テジュン）さん
先週に引き続き今週もご登場いただいた、五常・アンド・カンパニー株式会社創設者で代表執行役の慎泰俊（シン・テジュン）さんの目指す、「世界中すべての人に平等な金融サービスを！」というお話もまた、最良の金融教育でした。
先週の放送で、慎さん率いる五常・アンド・カンパニーが、銀行口座を持たない途上国の多くの人たちにお金を
融資する「マイクロファイナンス」の取り組みを伺いました。今回の放送で、五常・アンド・カンパニーで融資を受けた方の中で、お金を返せなかった人の割合が０.５％を超えたことがないと聴いて驚きました。
「返せない人には貸さない」という金融機関としての建前と、融資に担保がない貧困層にお金を貸すという現実のはざまで、慎さんが生み出したのが、テクノロジーとオペレーションを駆使した融資のやり方でした。
例えば、五常・アンド・カンパニーの７，８割はインドで事業を展開していて、インドでは紙をなくして、お客さんの情報はタブレットで全て入力しているそうです。ここで重要なのは「紙がないこと」。
紙を使っていると、膨大な書類を人が運ぶ作業が必要になり、融資先をとってくる営業とそれを審査する人が一緒の空間にいることが多くなり、お互い情が生まれて合理的な意思決定ができなくなって、生産性も下がる、だから、紙はいらない、現金も使わずキャッシュレス！という話はとても興味深かったです。
日本は先進国ではありますが、キャッシュレス化という点では、９５％キャッシュレス化が進むインドに比べたらだいぶ遅れていますよね。無駄を省いて最小限のコストで最大の利益を生む仕組みを考える、これが、都市部ばかりではない途上国で融資をしていく上で、とても大切なことなんだなと、勉強になりました。
また、慎さんは今年３月に五常財団というのも設立されました。
これは、先週の放送で五常・アンド・カンパニーのお客さんのほとんどが、１日２００円から６００円で暮らす人
というお話でしたが、慎さんはさらに、１日２００円未満で暮らしている人たちにもなんとか金融サービスを届けることはできないか考え、五常財団をつくったのです。
文字や数字が読めない人たち向けの金融サービスプロジェクトを立ち上げたり、ものすごい山奥で暮らす人たちでも金融サービスを受けられるようにしたい、という慎さんの熱い想いが、よく伝わってきました。
利益を出さねばならない株式会社の経営ではできない活動を、財団でやっていく。
慎さんの目指す社会の実現に向けての行動力は、本当に素晴らしいです！
「マイクロファイナンス」という言葉を聞いたことがある方なら、その道の第一人者グラミン銀行をご存知かもしれませんが、そのグラミン銀行でも顧客１００万人に到達するのに、１７年かかったそうですが、五常・アンド・カンパニーは創業わずか８年で顧客１００万人に到達したと言いますから、そのすごさがわかりますよね。
落ち着いた語り口の中に常に熱い想いが込められている慎さん、番組の最後で成功の秘訣を聞かれた際も、
「気合・根性・ラッキー」とはにかみながら答えてくださったのが印象的でした。
途上国のみならず、世界中が潤う金融サービスを提供するには、相当綿密な戦略が立てられていると思っていましたが、慎さんいわく、戦略は優秀な人が集まればだいたいどうにかできるが、それを実行に移していく、もうちょっと、もうちょっと、と頑張れることのほうが実は大切、というお話は、人生のさまざまな場面にあてはまることだなと感じました。
「誰もが自分の未来を決めることができる世界」
五常・アンド・カンパニーの目指す世界が実現する日は、そう遠くない未来にありそうです…。
これからも応援して見守っていきたいですね！
五常・アンド・カンパニ－株式会社の活動について詳しくお知りになりたい方は
五常・アンド・カンパニー株式会社
https://gojo.co/landing-page-jp
五常財団
http://gojofoundation.org/
来週の放送もどうぞお楽しみに！
