5月16日のゲストはNPO法人「クロスフィールズ」代表理事の小沼大地さんでした

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【スタッフMの番組報告】

ゴールデンウィーク、みなさんはいかがお過ごしでしたか?3年ぶりの制限なしの連休ということで、ニュースでは帰省や旅行で混み合う駅や空港が映し出されていましたよね。当たり前だったはずの光景が、なんだかものすごく懐かしく感じられました。
それぐらい、コロナ禍の制限付き生活に、私たちは悲しいぐらい慣れてしまったのかもしれませんね…。

息子の通う高校も、今年は修学旅行も通常の予定で復活し、長らく中止となっていた短期留学プログラムも秋には復活するそうです。この長いコロナ禍の影響で一番制限されたのが、こうした海外留学や海外研修などのプログラムかもしれません。

今回のNGO世界一周!は、日本企業のビジネスパーソンを新興国に派遣し、現地の社会課題の解決に取り組む
「留職」や、企業の役職者が社会課題の現場を体感する「フィールドスタディ」などのプログラムを展開している
NPO法人「クロスフィールズ」代表理事の小沼大地さんをゲストにお迎えしました。

左:NPO法人「クロスフィールズ」代表理事小沼大地さん

「クロスフィールズ」こそ、先に述べたコロナ禍での海外渡航制限により、全てのプログラムが中止になり、大変な状況であったにもかかわらず、「ピンチをチャンスに」という小沼さんの発想の転換で、新たなプログラムを次々と立ち上げて見事に再生を果たしたのです!
2016年7月以来2回目のご出演ということで、パワーアップした「クロスフィールズ」、そして小沼さんの
アイデアの数々を教えていただきました。

              

2011年に創業したNPO法人「クロスフィールズ」は、日本企業のビジネスパーソンを新興国に派遣し、現地の
社会課題の解決に取り組む「留職プログラム」や、企業の役職者が社会課題の現場を体験する「フィールドスタディ」というものを展開してきました。

小沼さんのお話の中で、日本製品を輸出して買ってもらうのではなくて、そもそも日本が持っている技術者のスキルを、海外の現地課題からその場で考えて自分の技術がどう使えるか試していく、それこそが最高の人材育成につながるとありました。

そうした発想は、小沼さんご自身が大学時代に青年海外協力隊に行った経験からくるもので、「自分で課題を見つけて解決していく力」を持つことの大切さ、それが日本のリーダーシップ教育のボトルネックだというのがよくわかりました。

こんなエネルギッシュな理念を持つ小沼さん率いる「クロスフィールズ」の前に立ちはだかったコロナの壁…。
海外での活動がすべてストップしてしまい、収入も激減する中で、コロナだからできない、ではなく、できないからこそ、「クロスフィールズ」が培ってきた10年間のスキルから、どうやって新しい事業を生むかを考えたというのですから、さすがです!

海外に行けない分、国内でオンライン型の社会課題体感フィールドスタディを始めたということで、阿部さんも言っていましたが、海外に行って修行してくるというと、行く方も行かせる企業側も身構えてしまいますが、インターネットを介して体験できるというのはリアルと疑似との折衷案として、素晴らしい発想の転換ですよね。

リアルでやれば3週間かかるものを、3日でできたりすることで、活動の裾野が広がったという、「国内留職プログラム」、発想×エネルギーの無限の可能性を感じました。

また、小沼さんが前回ご出演いただいた時と世の中が大きく変わったことが、「SDGs」という言葉の世界での認知度です。今や、テレビやラジオ、雑誌などでもこの言葉を本当によく聞くようになりましたよね。
小沼さんはそれを追い風ととらえて、今は中高生向けに社会課題の現場を疑似体験できるプログラムを提供して
SDGs教育にも積極的に取り組んでいるそうです。

小沼さんのお話で印象に残っているのが、SDGsの教育は教えるのは簡単だけど、考えさせるのが難しい、大切なのは答えがない中で自分がどうしたいかを表現することだ、というお話でした。
「考えさせる授業」って、本当に今の子供達には必要だなと、親の立場からしても身に沁みました。

元々教師を志していた小沼さんだけあって、これからを生き抜く子供たちの未来をしっかり考えてのアイデアが
あふれでていて、こういう人がこの先の日本の未来を明るくしてくれるのだろうな―と願望をこめて聞いていました。

「クロスフィールズ」が提供する、リアルとの接点…
その根底には、小沼さんの流儀である「何か知ってる人が知らない人に教えるより、機会を与えることが大切」
という考えがあるのだということがよくわかりました。

社会課題が解決され続ける世界…
「クロスフィールズ」の目指す社会づくりから、これからもますます目が離せません!

NPO法人「クロスフィールズ」の活動について詳しくお知りになりたい方は
https://crossfields.jp/

来週の放送もお楽しみに!