【スタッフMの番組報告】
先週のゲスト認定NPO法人「REALs」理事長の瀬谷ルミ子さんとの対談、みなさんいかがだったでしょうか。
私は、連日ロシアのウクライナ侵攻のニュースが伝えられている今、紛争やテロを自分事としてきちんと捉える
いい機会を与えていただいたと思っています。

左:認定NPO法人「REALs」理事長の瀬谷ルミ子さん
今はウクライナの危機ばかりが取り上げられていますが、世界には他にもさまざまな地域で、紛争などの緊張が高まっています。今夜のNGO世界一周!では、昨年8月にタリバン政権が誕生してから今もなお緊張が続くアフガニスタンへ、「REALs」がどのような支援活動を行っているのか詳しくお伺いしました。
「REALs」では、アフガニスタンの中で特に女性世帯や大黒柱が病気で困窮しているご家庭などに食料を届けていて、今年の6月までに1万5000人に食料を届けられるように準備をしているそうです。
命の危機が迫っているのになかなか支援を得られない人たちにとっては、瀬谷さんたち「REALs」の活動がどれほど尊いものか計り知れません。
瀬谷さんのお話の中で、驚かされたのが、アフガニスタンからSOSを寄せてくる人の多くが、タリバン政権になる前には社会を担う側だった政府関係者や弁護士、ミュージシャンなどの職種で、タリバン政権下ではこうした人たちは攻撃の対象となって迫害を受けているという現状でした。
昨年8月タリバンが首都カブールを制圧したときのニュース映像で、深刻な食糧不足や治安の悪化が伝えられていたのは記憶していましたが、日本に伝えられている以上の、想像を絶する状況がいまだ続いていることを、痛感しました。
そんなアフガニスタンにいる無数の退避希望者のうち、アメリカは8万人、イギリスは1万5000人、韓国は390人を救出しているなか、日本政府の対応はどうだったのか、現地の人々のリアルな声をたくさん聞いてきた瀬谷さんだからこそ知る問題点を教えていただきました。
日本政府は、大使は退避させるけれど家族は置いていけというような支援の仕方、それは殺されかけている人たちに悪魔のような選択をさせるもので、何のために平和支援をするのか、日本としての哲学的なポリシーがなかったことが一番問題だったという瀬谷さんのお話は、驚きとともに自国への落胆の気持ちで切なくもなりました。
だから結局、日本はアフガニスタンから1人しか退避させられていないという悲しい現実とともに…。
冒頭にも書きましたが、昨今はウクライナ危機のニュースが世界中を占拠して、その他の地域で起きている問題を私たちも忘れがちですが、世界にはアフガニスタンをはじめ、まだまだ緊張が続く地域が多数あります。
今はどうしてもウクライナ支援を優先しがちな国が多いですが、命の危険を感じる人たちへの支援はみな平等に行われるべきだと思います。政府だけでなく、「REALs」のような民間で活動する方々の力に私たちが少しでもお役に立てるよう、小さなことからやっていこうと、私自身改めて思いました。
また日本では、フルタイムの就労や留学先を確保して、身元保証人をつけて在留資格をとらないと受け入れないという、避難してくる人たちにとってはかなり過酷な現実があることも初めて知りました。
番組の最後で阿部さんも、日本は表向き優しい国だけど世界で最も冷たい対応の国かも…と感想を言っていましたが、本当にそうかもしれませんね…。
瀬谷さんのお話を2週に渡って伺って、水色と黄色をまとってウクライナ支援とか、そういうファッション的な流行りの感覚で支援を口にするのではなくて、少額でもいいから寄付をしたり、行動に移さねば何も変わらないのだな、と思い知らされました。
「行動する平和の取り組み」の大切さ。
瀬谷さんからの魂のメッセージがみなさんにも届いていますように…。
認定NPO法人「REALs」の活動について、詳しくお知りになりたい方は
来週の放送もお楽しみに!