オリンピック プレゼンツ 今伝えたい、ありがとう

2020.08.13

第3回 サイクルオリンピック 古屋直隆社長

首都圏でスーパーマーケットなどを展開する「オリンピック」グループが今年で創業58年を迎えます。
『今、伝えたい、ありがとう』と題して、「オリンピック」グループの社長の方々に大切にしている理念や、これまで支えてくれたお客様へ伝えたい想いなどたっぷりとお話をうかがいました。
オリンピックグループは、自転車の販売や修理を行う「サイクルオリンピック」というブランドも展開しています。今回はサイクルオリンピックの古屋直隆さんです。

社長、それはユニフォームですか?ボウリングウエアみたいで、かっこいいですね!

古屋 ありがとうございます(笑)これは取材用なんです。実際、作業するときはボールペンをさしたり、ドライバーをぶら下げたりするので、ちょっと違うんです。

社長も現場に出て、作業をするんですか?

古屋 もちろんです!自転車屋さんって現業ですから、この仕事をやらせてもらうことになってからは、まず自転車修理の資格をとりにいきました。

サイクルオリンピックに足を運びますと目立つのが「フリーパワー」というのぼり!これはどんな商品なんですか?

古屋 「フリーパワー」というのは、ペダルが付いているギアの部分の構造をさします。これは世界的に特許をとっている品物なんですが、(自転車を)漕ぎだすときって、重たいですよね?止まっている状態から走り始めるまで非常に負荷がかかるんです。

そうですねぇ。よく、立ちこぎになっちゃいますよね。

古屋 動き出すとき、ペダルを踏んで、自転車が動き出すまでのタイムラグは、関節とか骨とか筋肉への負担になっていたんです。その部分をなんとか無駄にしないで、推進力に変えられないか、ということで、ギアの中にゴムの一種であるシリコンを内在しています。最初に踏み込むことで、踏力とか体重をシリコンが吸収して、ぎゅっと縮まって蓄力するわけです。そのとき、収縮したシリコンが反発をすることで自転車のチェーンを引っ張る、という構造です。いままで無駄になっていた推進力を活用するというメカニズムです。どこまで表現していいのか悩んだんですが、“電池の要らないアシストギア”という誇大広告ギリギリのところで表現させていただいています(笑)ただし、この自転車は購入前に必ず試乗していただいてます。というのも、漕ぎ方・乗り方で効果に大きな差が出てしまうんです。だから、(フリーパワーの)評判だけ聞いてきたお客様に販売するのは簡単なんですが、せっかく買っていただいたのに、その効果を十分に得られないのは申し訳ないので、必ずスタッフが付き添って、試乗していただいています。お客様から話を聞いて、家の近くに坂があるかどうか、お買い物の頻度は毎日なのか、それともたまになのか。それぞれの自転車の乗り方にアドバイスをさせていただいて、最適な一台に、最適なギアをお取り付けしてお渡しする、ということを徹底しております。

このコロナ禍で自転車通勤が増えたという話も聞きますが、お店で働いていて、実際はいかがですか?

古屋 急増してます。公共交通機関を使っていた方が、3密を避けたいということから。また、在宅勤務の方がお買い物に行く際に使う方だったり。いままで自転車に乗っていなかったお客様や、ひさしぶりに乗る方が増えましたね。これを機会に買い換えよう、という方も増えて、需要が急増している状況です。ただ、わたしは(お店には)「売り急ぐなよ」とは言ってるんですけどね。

どうしてですか?

古屋 一生の間に購入する自転車って、だいたい1人6台と言われています。仮に10歳から60歳と仮定すると、10年に一度の買い物なんですよ。10年に一度なので、その方にぴったりの1台を選んでいただかないと。「すいません、これください」「はい、どうぞ」っていう売り方はするなよ、と。

お客様と対面でお話を伺っているわけですね。

古屋 そうですね。サイクルオリンピックで自転車を買って良かった、という風に言ってもらえることが最大の目標です。品ぞろえ、接客、アフターサービスなど、いろんなことを含めて「ここで買って良かった!」と思われるようにしてくれよ、と言われるように常々、従業員一同、心掛けています。

さて、「いま、伝えたいありがとう」と題してお話をうかがっています。
古屋さんにとっての「ありがとう」はなんですか?

古屋 自転車屋さんって、結構過酷な肉体労働なんです。電動アシスト自転車なんか30㎏超えるものもありますから。パンク修理をすれば、手は泥だらけ。チェーンを替えれば手は油だらけ。特にこのコロナ禍では、従業員が自分自身の感染を予防しながら、お客様にも感染させない。そのうえで、丁寧な接客をして、お客様の期待にこたえられるようお店で頑張っている200名の従業員の方々に「ありがとう」と、強く思っています。あと、もうひとつ、この仕事に携われている運命と言うか、タイミングと言いますか、こういう環境に対しても「ありがとう」と、自分自身、思っています。

パーソナリティ
  • 上柳昌彦
    上柳昌彦