ウィークエンド・ケアタイム『ひだまりハウス』~うつ病・認知症について語ろう

2025.08.17

2025年8月17日

ひだまりハウス、今回のナビゲートドクターは、うつ病専門医の樋口輝彦 先生と一緒にお送りしています。

先週に引き続きゲストは女性アスリートの健康問題に詳しい国立病院機構 西別府病院スポーツ医学センターのセンター長 松田貴雄先生のお話を伺っています。前回の放送では、女性アスリートの健康や、低容量ピルの効果についてお話を伺いました。松田先生は、産後うつを予防するために妊娠中のトレーニングの普及にも取り組まれています。妊婦さんは激しい運動は避けるべき…というイメージがありますが、じつは妊婦さんに進めるトレーニングをあるとのことで詳しく伺っています。

松田先生が取り組まれている妊娠中の運動、妊婦さんに向けて指導されているトレーニング。妊娠中の運動はウォーキングやヨガなどの軽いものかな…というイメージがありますが実は違うだそうです!がっつりと筋トレなども含めてしっかり運動して構いそうなんです!!

松田先生が妊娠中の運動について考えられるようになったのもアスリートからの相談がきっかけで、アメリカのプロサッカー選手が妊娠7か月でシュート練習をしている動画を見て衝撃を受けたことから始まりました。トップアスリートには、4年に一度のオリンピック出場のチャンスを目指しますが、妊娠をあきらめたり先伸ばしする選手も少なくないようで、パララノルディックスキーの阿部友里香選手など多くの選手に妊娠中の運動についてアドバイスを松田先生はしてきました。その中で妊娠中の運動に関して、いろいろ勉強していた時にちょうど受診されたのが、北京パラリンピック明けのパララノルディックスキーの阿部友里香選手でした。妊活の段階からかかわってきたとのことで目標の1年で出産して残り3年で次のミラノを狙うという目標を達成させつつあるようです!

阿部選手は妊娠してからも全日本の合宿に普通に参加。過度な運動が流産すると考える人も多いのですが、流産の多くが染色体異常などで、運動との関連はあまりなく胎児の問題で流産するとのことで、運動したから流産するものではないそうです。昔の人が子を産む前日まで野良仕事をしていた方も多くいらっしゃった前例もあり、欧米では出産直前まで妊娠に気がつかなかった人もいるようです。

そして、妊娠中の運動やトレーニングが出産後の心身の体調にも影響を与え、産後うつの予防につながる考えもあります。選手の活動性が落ちてしまうことが大きな問題で、イギリスのガイドラインでは運動は有効であることが言われています。産科領域だけでなく、精神科でも運動を取り入れる方向性は出てくるのではないか考えていらっしました。

松田先生は妊娠中の運動に関しての安全管理基準を変えようという提案もされています。妊娠中の運動に関しての安全管理基準は、今年の11月に臨床スポーツ医学会という学会で新しい提言が出されます。とかく妊娠は女性のキャリアや活躍の妨げになる。産後うつも含めて、ネガティブなイメージが強いのですが、それは様々な制約が多すぎるせいだと思います生涯に数回のマタニティライフを楽しんで過ごしてもらうためにいただきたいとのこと!できるだけ多くの女性に経験してほしいと…。これからも女性アスリートや妊婦さんたちの心強い味方としてご活躍下さい!この内容はradioでお楽しみいただけます。

ウィークエンド・ケアタイム 「ひだまりハウス」
~うつ病・認知症について語ろう~
| ニッポン放送 | 2025/08/17/日 06:25-06:44
https://radiko.jp/share/?sid=LFR&t=20250817062500
(無料版のradikoは次の日曜日まで聴くことができます)

■松田隆夫さんについて(国立病院機構西別府病院 公式サイト)
https://nishibeppu.hosp.go.jp/section/cnt1_00106.html

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