羽田美智子のいってらっしゃい

2025.10.24

2025年10月20日週 テーマ「昭和のドラマ」

“昭和のアニメシリーズ”に続く新シリーズ、『私がよく観ていた昭和のドラマ』についてです。

 

■今週(10/20~10/24)のテーマ:『昭和のドラマ』

10/20(月) 『赤い疑惑』  ♪主題歌:ありがとう あなた / 山口百恵

 

『赤い疑惑』はサスペンスドラマ“赤いシリーズ”の2作目で、1975年(昭和50年)10月から放送されました。

山口百恵さんと三浦友和さんが“ドラマで初めて共演した作品”で、

主題歌も百恵さんの『ありがとう あなた』です。

 

大学病院の爆発事故で放射線を大量に浴び、

白血病に侵されてしまう女子高生、“幸子(さちこ)”役を、百恵さんが演じました。

その事故の際、“幸子”を救い出した医大生“光夫”役を三浦友和さん、

娘を支える父親役を宇津井健さんが演じています。

 

やがて“幸子”と“光夫”は、次第に惹かれ合っていきますが、

そんな二人には“異母兄妹”という、あまりにも過酷な運命が待ち受けていた・・・という物語です。

 

当時、ストーリーが進むにつれ、

“百恵ちゃんは本当に死んじゃうんですか?”という問い合わせが殺到するなど、

大変な反響を呼んだそうです。

まさに“涙なくしては見られない”という“赤いシリーズ”最大のヒット作です。

 

【感想】

私が初めて買ってもらったレコードは、まさに百恵さんの『ありがとう あなた』でした。

“赤いシリーズ”はハマって観ていたドラマです。

“パリのおばさま”役の岸恵子さんがとっても素敵で、

また“お父さん”役の宇津井健さんも、本当にやさしくて素敵でしたネ。

三浦友和さんと山口百恵さんが、このドラマをキッカケに結婚された・・・と知った時は、

時代が経ったあの時でも、私たち世代の人たちはドラマの続きを観ているみたいで、

“素敵、最高”って思いましたネ。とっても素敵なドラマでした。

 

10/21(火)   『岸辺のアルバム』  ♪主題歌:ウィル・ユー・ダンス / ジャニス・イアン

 

『岸辺のアルバム』は1977年(昭和52年)に放送されました。

原作・脚本は山田太一さん。

主題歌は、ジャニス・イアンの『ウィル・ユー・ダンス』です。

 

東京郊外の多摩川沿いの住宅街を舞台に、ある4人家族の物語で、

専業主婦・“則子”役を八千草薫さん。

夫・“謙作”役を杉浦直樹さん。

大学生の娘・“律子”役を中田喜子さん。

高校生の息子・“繁”役を国広富之さんが演じています。

 

一見すると幸せそうに見える、この家族4人ですが、

実はその裏では“則子”が竹脇無我さん演じる“北川”と不倫関係になるなど、

それぞれがいろいろな問題を抱えていました。

それをキッカケに、やがて家族が崩壊してしまう・・・という衝撃のホームドラマです。

 

最終回では、水害で家が流されてしまいますが、

このシーンには1974年に実際に起きた『多摩川水害』の映像が使われていて、大きなインパクトを与えました。

日常生活で起こりうる様々な難問に、正面から取り組んでいて、

“テレビドラマの歴史に残る名作”といわれています。

 

【感想】

実はこの『岸辺のアルバム』は、大人になってから観たドラマなんですネ。

尊敬する脚本家の方から、“絶対に観たほうがイイ”と勧められて観たのですが、

八千草薫さんの何とキレイなこと。

また杉浦直樹さんの“昭和の猛烈サラリーマンの姿”や“亭主関白ぶり”がお見事で、

今となってはベテランの国広富之さん、中田喜子さんがまだ新人だった頃ですよネ。

危うい青春時代の心のヒダを上手に演じられていて、見応えのある大人のドラマでしたネ。

 

10/22(水)  『探偵物語』  ♪主題歌:BAD CITY / SHŌGUN 

 

『探偵物語』は、1979年(昭和54年)から放送されました。

主題歌は、SHŌGUNの『BAD CITY』です。

 

主人公は松田優作さん演じる、私立探偵の“工藤俊作”。

そんな工藤が様々な依頼を引き受け、刑事たちに邪魔者扱いされながらも、

街の仲間たちと事件の解決に乗り出す・・・という物語です。

 

松田優作さんといえば、それまではハードボイルドなイメージが強かったですが、

それがこのドラマでの“コミカルな演技”と“独特のスタイル”が人気を呼び、“伝説的な作品”となりました。

 

その他、“工藤ちゃん!”が口癖で、事あるごとに工藤に付きまとっては、

因縁をつける“刑事役”を成田三樹夫さん。

“敏腕の女性弁護士役”を倍賞美津子さんが演じています。

また第1話と18話に、熊谷美由紀さんがゲスト出演されていて、

この共演がキッカケで、のちに結婚され、“松田美由紀さん”になりました。

 

ちなみに探偵・工藤が乗っていた、イタリアのスクーター『ベスパ』は、

松田優作さんの私物だそうで、こちらも人気となりました。

 

【感想】

この音楽、たまらく素敵ですよネ。

今もこの音楽を聴くとドラマのシーンを思い出す・・・という最高傑作だと思います。

私、松田優作さんのお芝居、たまらなく好きでしたネ。

また“工藤ちゃ~ん”が口癖の成田三樹夫さんも、

とっても素晴らしい役者さんで、この二人の掛け合いが子どもながらにとっても好きでした。

また松田優作さんのスタイル、“黒い帽子”に“サングラス”をして、

“黒いスーツ”に“派手なネクタイ”をしてるんですよネ。

このスタイルが今でも『探偵物語』と聞くと思い出す・・・という

強烈な印象を残していて、素敵なドラマでした。

 

10/23(木) 『ふぞろいの林檎たち』 ♪主題歌:いとしのエリー / サザンオールスターズ

 

『ふぞろいの林檎たち』は、1983年(昭和58年)に放送されました。

原作・脚本は山田太一さん。

主題歌は、サザンオールスターズの『いとしのエリー』。

また挿入歌として、同じくサザンのナンバーが使われています。

この“ふぞろいの林檎”とは、“規格外の林檎”のことで、そこから“落ちこぼれ”を意味しているそうです。

 

中井貴一さん演じる“良雄”、時任三郎さん演じる“健一”、

柳沢慎吾さん演じる“実”の3人の“落ちこぼれ大学生”が主人公の青春ドラマです。

他にも、手塚理美さん演じる“看護学生・陽子”、

石原真理子さん演じる“陽子のルームメイト・晴江”、

中島唱子さん演じる“名門女子大生・綾子”、

さらに高橋ひとみサン、国広富之さんらが出演しています。

 

この最初のシリーズでは、“林檎たちの大学生活”、

1985年放送の『シリーズ2』では、“大学卒業から社会人”、

1991年放送の『シリーズ3』では、“30歳目前での林檎たちの再会”。

そして1997年放送の『シリーズ4』では、“30代半ばの林檎たち”を描いています。

 

ドラマのオープニングで流れる、“リンゴを投げているシーン”も印象的なドラマです。

 

【感想】

このオープニングのタイトルバックの“リンゴを投げている映像”は、鮮烈でしたネ。

主題歌の『いとしのエリー』もホントに素敵です。

中井貴一さんの実家が酒屋さんで、お兄さんが小林薫さん、

義理のお姉さんが根岸季依さん、

仲の悪いお姑さんが佐々木すみ江さん・・・なんですよネ。

若者の男女6人を取り囲む人間関係の設定も、本当にリアルで素敵で、秀逸のドラマでしたネ。

 

10/24(金) 『金曜日の妻たちへ3 恋におちて』  ♪主題歌 恋におちて / 小林明子

 

『金曜日の妻たちへ』、通称『金妻』は“3組の夫婦”と“それに関わる人たち”による様々な問題を描いた作品で、

このドラマをキッカケに『不倫』という言葉が世に知られるようになった・・・といわれています。

 

3回のシリーズにわたって放送され、

この小林明子さんの『恋におちて』が主題歌の『金曜日の妻たちへ3 恋におちて』は、

1985年(昭和60年)に放送されました。

 

このパート3では、東京の郊外の住宅地を舞台に、名門女子校の同窓生で、

現在は同じ住宅地で暮らすヒロイン4人の友情を、恋愛なども絡めながら描いています。

 

そのヒロイン4人を演じているのが、篠ひろ子さん、小川知子さん、森山良子さん、いしだあゆみサンです。

そして、篠ひろ子さんの夫役を古谷一行さん、小川知子さんの夫役を板東英二さん、

森山良子さんの夫役を長塚京三さんが演じています。

 

実は古谷一行さん演じる“圭一郎”と、いしだあゆみサン演じる“桐子”は“元恋人同士”で、

そんな二人の“偶然の再会”が様々な問題を引き起こしていく・・・というドラマです。

 

【感想】

これは大人のドラマでしたネ。私も背伸びして観ていました。

この舞台になった東京郊外の街も、大人気になりましたよネ。

友情といいながらも恋愛が絡んでくると、それぞれの本音が見えてきたり、

幸せそうに見えて心の中では違ったり・・・。みんなそれぞれ悩みや葛藤を抱えて生きている・・・。

そこを上手に描いた、あこがれの大人のドラマでした。

 

【今週の感想】

以前、私が観ていた昭和のアニメシリーズをお送りした時、

“ドラマシリーズもやってください”とリクエストをいただきました。

ありがとうございます。

それにお応えして、今回は昭和のドラマシリーズをお送りしました。

今回ご紹介したドラマは、すべてリアルタイムで観ていたわけではなく、再放送やビデオで観たりなど、

時代は違うんですが、それでもどれも印象に残る、本当に素敵なドラマばかりです。

そして当時、出演されていた俳優の皆さんが本当に素敵で・・・。

特に女性の方々の当時の年齢を知って、

“あの年齢でこんなに美しいの!”と驚いた記憶があります。

そういった先輩方を目標に、私も精進していきたいな・・・と思います。

 

【お知らせ① 次週(10/27~)からのテーマ】

私たちが日頃、使っている言葉の中には、言ったり書いたりする時、

実は間違っているものが結構あるそうなんです。

そこで『間違いやすい言葉』について・・・。

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

◆オープニング  ♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

◆エンディング  ♪To Be  /  モントルー

パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/