羽田美智子のいってらっしゃい

2025.09.12

2025年9月8月週 テーマ「梨」

“秋を代表する果物”の中から『梨』についてです。

 

■今週(9/8~9/12)のテーマ:『梨』

9/8(月) 『梨とは』   

 

梨は『バラ科』の植物です。

同じ仲間にリンゴやイチゴ、サクランボ、桃、ビワ、プルーン、梅などがあります。

 

“原産地”は現在の中国といわれていて、はるか昔から存在していたと考えられています。

日本でも梨の栽培が弥生時代から始まっていて、当時の遺跡から梨の種が発見されているそうです。

その後、江戸時代に本格的に栽培が始まりました。

 

この『梨』という名前ですが、由来には諸説あります。

例えば、“中の果肉が白い”ことから『なかしろ(中白)』と呼ばれ、それが略されて『なし』になったとする説。

また梨は“風があると実らない”といわれていることから『かぜなし(風なし)』で、

略して『なし』になったとする説です。

 

実は梨には、『ありの実』という“別名”があるそうなんですネ。

これは“なし”という言葉の響きが、“有り・無し”の“無し”に聞こえて、“縁起が悪い”ということで、

逆の意味の“有る”にして『ありの実』とも呼ぶようになった・・・といわれています。

 

ちなみに同じ梨でも甘いのは“下半分”で、特に“お尻の部分”が甘いそうです。

ここはお花がついていたところで、お花が咲く部分に近いところには、

お花を咲かせるために、たくさんの栄養が集まっているので甘くなる・・・といわれています。

 

【感想】

梨の季節ですネ。

私の故郷・茨城も梨の産地で、8月の中頃から梨が出回り始めているんですネ。

水分が多くて、みずみずしくて、甘~くて美味しいですよネ。

ちょうど夏が終わり、秋になると(空気が)乾燥しますよネ。

その頃に梨を食べるのが最高なんだそうです。

 

9/9(火)   『梨の豆知識①』

梨は大きく分けて、『和梨(日本梨)』、『西洋梨』、『中国梨』の3つの種類があります。

一般的に“梨”と言われて思い浮かぶのは『和梨』で、日本で最も多く栽培されています。

 

2024年の『都道府県別の生産量』の割合を見ますと、

千葉県が12%で最も多く、以下、茨城県が10%、福島県が9%、栃木県が8%、長野県が7%と続いています。

この5つの県で、全国の約半分を占めています。

 

和梨は形が丸く、皮の色が“黄色がかった茶色”や“緑色”の品種が多いです。

そんな和梨の中で、トップクラスの生産量を誇り、

“日本を代表する梨”といわれている品種が『幸水(こうすい)』です。

 

果汁がとても多く、ジューシーでシャキシャキとした歯ごたえ。

そして甘みが強く、酸味は控えめで、梨らしいさわやかな香りが楽しめます。

 

他にも代表的な品種として、『豊水(ほうすい)』。

“果汁が豊かで、みずみずしい梨になってほしい”という願いから、この名前が付けられたそうです。

甘みと酸味のバランスが良く、さわやかな味わいが特徴です。

 

『幸水』と見た目はよく似ていますが、『幸水』よりもやや大きく、

“甘酸っぱい梨”がお好きな方に、特にオススメだそうです。

 

【感想】

幸水は、硬めの食感がお好きな方にオススメ。

豊水は、柔らかな食感がお好きな方にオススメです。私は“豊水”派ですかネ。

梨をそのまま食べるのも美味しいですが、

私が今ハマっているのは、豚肉を巻いてちょっと焼くんですネ。塩だけかけて。

すると、周りの塩味と梨の甘みがちょうど良くて、すごく美味しいのでオススメです。

 

9/10(水)  『梨の豆知識②』

日本で最も多く栽培されている梨の種類『和梨(日本梨)』の中で、

『幸水』や『豊水』の次に生産量の多い品種が『新高(にいたか)』です。

“梨の王様”と呼ばれていて、梨の中でもひと際大きく手のひらに収まらない大きさです。

 

そして『二十世紀梨(にじっせいきなし)』です。

“にじゅっせいきなし”という読み方だと思っている方、いらっしゃるかもしれませんが、

正式な読み方は“にじっせいきなし“なんですって。

 

『二十世紀梨』は“千葉県発祥の品種”です。

1888年(明治21年)、現在の千葉県松戸市で発見されたのが始まりといわれています。

 

当時13歳の松戸覚之助(まつど・かくのすけ)さんが、

親戚の家のゴミ置き場の周りに生えていた苗木をたまたま見つけ、それを実家の梨の農園で育てました。

すると10年後に、とても美味しい梨ができたそうです。

 

そして“二十世紀を代表する品種になってほしい”という願いを込めて、

1904年に『二十世紀梨(にじっせいきなし)』と名付けられました。

さらにこの年、現在の鳥取県鳥取市で農業を営んでいた方が、

この松戸さんの農園から『二十世紀梨』の苗木を購入し、それを自分の果樹園に植えました。

これが“鳥取県での二十世紀梨の栽培の原点”となったそうです。

 

【感想】

二十世紀(にじっせいき)、“にじゅっせいき”がなまった感じになったんですかネ。

二十世紀(にじっせいき)というのは、私も初めて知りました。有名な梨ですよネ。

鳥取では今、新しい品種が次々と誕生しているそうですが、

『新甘泉(しんかんせん)』もすごく美味しいんですよネ。

知人にいただいた中で、本当にこれは美味しいなと思って、ビックリしている梨があります。

 

≪追伸≫

二十世紀梨の読み方ですが、

“もともと「十」は「じゅう」ではなく、「じっ」と読むので、

 「じゅう」がなまったものではないですよ”というご指摘をいただきました。

大変失礼いたしました。またご指摘、ありがとうございました。

 

9/11(木)  『梨の豆知識③』

梨の種類の中で、“ヨーロッパ原産の果実の総称”が『洋梨』です。

『西洋梨』とも呼ばれています。

品種によって違いはありますが、洋梨の多くは“やや縦長のいびつな形”をしています。

丸い形の『和梨・日本梨』と比べると、形の違いがハッキリと分かります。

 

日本では約20もの品種の洋梨が栽培されていますが、その中のひとつが『ラ・フランス』です。

その名のとおり、“フランス生まれの洋梨”です。

 

1864年に発見された品種で、その美味しさに感動し、

“フランスを代表する果物にふさわしい!”と絶賛したことから、『ラ・フランス』と名付けられたそうです。

 

日本では山形県で最も多く生産されていて、全国の生産量の約7割を占めています。

山形県には大正時代の初めに伝わってきましたが、

当時は同じ洋梨でも、『バートレット』というイギリスの品種が“生産の主役”だったそうです。

 

それに対して『ラ・フランス』は“栽培に手間がかかる”といった理由から、注目されなかったんだそうなんです。

それでも1980年代以降になると、

『ラ・フランス』の美味しさが世の中に知られるようになり、人気を集めるようになったそうです。

 

【感想】

ラ・フランス。これも独特の甘さで、とっても美味しいですよネ。

形が可愛いんですが、よく体型で『洋梨型』とか分類されるんですよネ。

“ちょっと下半身がぽっちゃりしている人”のことをいうのですが、

私もいつも調べると、どうも『洋梨型』なんですよネ。

体型には『洋梨型』は、あまり嬉しくない表現ですけども、

でも和梨も洋梨もどちらも美味しさの違いがあって、両方好きだなって思いますネ。

 

9/12(金)  『梨の豆知識④』

梨の大きな特徴のひとつに、“シャリシャリとした食感”があります。

この“食感のもと”になっているのは、『石細胞(せきさいぼう)』と呼ばれる物質によるものです。

細胞の周りを固めて、その形を維持する役割があります。

 

野菜や果物の皮は、実や中の種を守るために硬くなるんですネ。

梨にはその“固くなる成分”が皮だけでなく、実の中にもあるので、

実が熟す前は果肉が固くなり、種を守っているんだそうなんです。

ところが実が熟すと、石細胞が果実全体に散らばるので、“シャリシャリとした食感”になるそうです。

『和梨・日本梨』は、この石細胞が多いそうなんですネ。

 

梨は英語で『pear(ペア)』といいますが、

イメージとしては『洋梨』のことなんだそうです。

そこで『和梨』のことは『Japanese pear(ジャパニーズ・ペア)』と

呼んで区別するそうですが、この“シャリシャリとした食感”がまるで“砂”みたい・・・ということで、

『サンドペア(砂の梨)』とも呼ばれているそうです。

 

最後に私のふるさと・茨城県は、千葉県に次ぐ“梨の名産地”ですが、“県のオリジナルの品種”がありまして・・・。

名前は『恵水(けいすい)』。

2011 年に登録された品種で、大玉で甘みが強く、酸味が少ないため、食べた時に“より深い甘み”が感じられます。

 

【感想】

シャリシャリと砂を噛むように感じる感想って、おもしろいなぁと思って、

今すごくその表現として、イイ勉強になりました。

またこの『恵水』なんですけど、実は私はまだいただいたことがなくて、

次に帰った時に食べてみようかな・・・と思います。

梨、秋に食べると本当に良いらしいですよネ。皆さんもぜひ梨を食べてください。

 

【今週の感想】

まだまだ暑いですが、“梨”って聞くと“秋”っていう感じがしますよネ。

あの甘みと食感は、他の果物では味わえないので、無性に食べたくなる時があります。

今回、ご紹介できなかったんですが、梨の品種に『長十郎』もありますよネ。

“私は長十郎派なので、名前が出てこなくて残念です(涙)”という

感想もいただきまして・・・。ゴメンなさい。

『長十郎』もちょっと固めの食感で、ほど良い甘さが美味しいですよネ。

私の故郷の『恵水』も含め、この秋、いろいろな梨の食べ比べをしたいと思います。

 

【お知らせ① 次週(9/15~)からのテーマ】

“訪れると元気をもらえたり、心が癒されたりする場所”、『パワースポット』について。

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

◆オープニング  ♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

◆エンディング  ♪To Be  /  モントルー

パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/