夏になると、よく耳や目にするお魚、『ハモ』についてです。
■今週(7/14~7/18)のテーマ:『ハモ』
7/14(月) 『ハモとは』
ハモは『ウナギ目(もく)』という、“細長い体の魚のグループ“に属するお魚で、
ウナギやアナゴ、ウツボなどと仲間です。
とがった大きいくちばしと、鋭い歯が特徴です。
ハモは赤道を中心に幅広く生息してますが、
日本の周辺には『ハモ』、『スズハモ』、『ハシナガハモ』、『ワタクズハモ』の4種類が生息しています。
この中で主に食用とされているのは、『ハモ』と『スズハモ』です。
『スズハモ』は『ハモ』よりも大きく、練りものなど加工用に使われることが多いそうです。
ハモは漢字で、『鱧』と書きます。
“食べると美味しくて、心が豊かになる”、“栄養が豊富”ということで、まさにハモにピッタリの漢字なんですネ。
でも、この漢字は本来、“れい”とか“らい”と読むそうで、
『ライギョ』や『ナマズ』、『ヤツメウナギ』のことを指すそうなんです。
それが“ハモ”という読み方があてられたのは、そ
の“鋭い歯”と“強いアゴ”から、“噛む”が訛(なま)って“ハモ”になったのだそうです。
そんなハモの産地として有名なのは、瀬戸内海に面した兵庫県や徳島県、愛媛県、山口県、
さらに大分県や熊本県などです。
【感想】
ハモって子どもの頃は、まったく知らないお魚でした。
京都に行くようになって初めていただいて、真っ白なキレイな身に梅肉があえてあって、
なんて美味しいんだろう!と驚いたことを思い出します。
『鱧』の漢字、素敵ですよネ。“魚へん”に“豊か”。
7/15(火) 『ハモの旬』
『ハモは梅雨の水を飲んで育つ』という言葉があるそうで、
“6月から7月の産卵前の時期が、一番身が柔らかくて美味しい”というのが一般的とされています。
そのため“ハモの旬”は、“夏”といわれています。
実はハモにはもう一度、“旬”があって、それが“秋”で、具体的には10月から11月です。
この時期のハモは“産卵を終えた後”で、栄養を消耗しています。
そこで栄養を蓄え、さらに冬の間の冬眠に備えてたくさん食べるそうなんです。
そのため“秋のハモ”は脂もよくのって、弾力性もあるシコシコした身になるそうです。
味で比較すると、“夏のハモ”がアッサリしているのに対し、
“秋のハモ”は脂がよくのっている・・・という違いなんだそうです。
この“秋のハモ”のことを、“松茸ハモ”とも呼ぶそうなんですネ。
これは“秋の味覚”の代表、松茸と一緒に料理することからそう呼ばれているそうなんです。
確かに“松茸とハモの土瓶蒸し”は、秋を代表するお料理です。
またこの時期ならではの、ぜいたくな一品に“ハモと松茸のしゃぶしゃぶ”があります。
ハモの骨で取ったお出汁に松茸を入れて、ハモと松茸のエキスが十分に出たところで、
ハモの身をしゃぶしゃぶしていただきます。・・・想像しただけで、お腹が空いてきますネ。
【感想】
ハモはまさしく今が旬です。
この季節のハモはアッサリしていて、本当に美味しいですよネ。
秋にももう一度、旬が来るんですネ。
というより、私は“ハモは冬眠するんだ”ってことにビックリしました。
“ハモと松茸のしゃぶしゃぶ”、ぜいたくな取り合わせ。一度は食べてみたいですネ。
7/16(水) 『ハモの豆知識』
ハモは“京都の夏の風物詩”で、“夏の京料理に欠かせない食材”です。
『京都のハモは山で獲れる』という言葉があるそうで、これは昔、お魚の行商人の方が、
瀬戸内で獲れたハモを海水が入った桶に入れて、京都へ向かっていました。
そして京都の峠を越えている時、休憩中に元気の良いハモたちが桶から飛び出してしまいました。
それでも拾い集めましたが、1匹だけ取り逃がしてしまいました。
その後、地元の方がその峠のところで、何やら動くものを見つけました。
それは、行商人の方が取り逃がしたハモだったんです。
ハモは生命力が強く、水がなくても24時間以上、生きられるそうで
その元気なハモを見て、“ハモは山で獲れる”という言い伝えが広まったそうです。
このように夏の暑い時期でも、ハモを瀬戸内から京都まで持ってくることができたことから、
京都では“ハモは夏が旬”といわれるようなったとされています。
そんなハモと同じように、“京都の夏の風物詩”が、現在開催中の『祇園祭』です。
実は『祇園祭』は別名、『鱧祭(はもまつり)』と呼ばれているんですネ。
これは“ハモの旬”が、『祇園祭』の頃であることに由来しています。
この時期、旬のハモのお料理を用意するご家庭も多く、ハモを堪能されています。
【感想】
『ハモは山で獲れる』とは、そういう意味だったんですネ。
また、水から出して動かなくなってしまったハモに海水を入れると、
すぐに息を吹き返す・・・ということも聞きました。
とにかく生命力が強いんですよネ。
そんなハモをいただいたら、元気になりそうですネ。
7/17(木) 『ハモの料理』
ハモは白身で味は淡白ですが、それでいて旨味があります。
そんなハモを使ったお料理はたくさんありますが、とても小骨が多いのが特徴です。
そのため開いたハモを専用の包丁で、皮1枚だけを残して、ザクッザクッと身と骨を切っていきます。
これを『骨切り』といいます。
これがまさに職人芸で、一寸(約3cm)の大きさの身に包丁を25回くらい入れるそうです。
そうやって包丁を入れた身を、お湯に通した後、すぐに氷水に入れて身を引き締めたのが、『ハモの湯引き』です。
皮が縮んだ白い身は、まるでお花が開いたようになりますが、それを梅肉などでいただきます。
関西では“氷水に落として締める”ことから『ハモの落とし』、
または“お湯に入れた時に、身がチリチリと縮む”ことから『ハモちり』と呼ばれているそうなんですネ。
他にも、皮の部分を強火で焼いた『ハモの焼き霜造り』や、
香ばしく蒲焼きにしたハモちりを使って作る『ハモ寿司』などがあります。
同じ『ハモ寿司』でも、“棒状”となっているものや、細い箱で作る『押し寿司』などがあります。
他にも、お吸い物や鍋料理、天ぷら、フライなど、様々なお料理があります。
【感想】
ハモの調理って大変・・・って聞きました。
一度、京都のお魚屋さんの生簀(いけす)の中で、ハモを見たことがあるんですが、
これがなかなか狂暴で、歯が鋭いんですネ。
ちょっと“細長いピラニア”かと思うくらい狂暴でした。
このハモを切る包丁も、京都ではそれなりに造られていますし、
たくさんハモのお料理方法があって、ハモもすごいけど、人間の努力もすごいなぁ・・・と思います。
7/18(金) 『ハモの栄養価』
生命力の強いハモは、古くから“栄養価の高い食材”として知られてきました。
特に“三大栄養素”のひとつで、大切なエネルギー源でもある『タンパク質』が豊富に含まれています。
他にも、『ビタミンA』。
夏バテや貧血、風邪の予防、さらに眼の疲労の回復など様々な効果が期待できるビタミンです。
続いて、『ビタミンB1』。
糖質の代謝を助け、疲労回復や細胞の新陳代謝を促す働きがあるとされています。
続いて、『ビタミンB2』
皮膚や粘膜の機能を維持したり、成長に必要とされるビタミンです。
また“抗酸化ビタミン”と呼ばれる『ビタミンC』や『ビタミンE』も含まれています。
どちらも活性酸素の発生を抑えて、動脈硬化の予防や、皮膚や血管の老化防止、免疫力のアップが期待できます。
またハモは『骨切り』が必要なほど、小骨が多いんですが、その分、『カルシウム』が多く含まれています。
『カルシウム』は、体づくりや骨づくりに欠かせない栄養素です。
他にもハモには、様々な栄養素を含んでいて、特に夏の暑い時期にはピッタリです。
【感想】
栄養も豊富だから、“魚へんに豊か”と書いて『鱧』。
これ、うなずけますネ。
この頃は関東でも食べられるようになりましたし、
せっかくですのでハモをいただいて、栄養素をいっぱいいただいて、元気にこの夏を乗り切りましょうネ。
【今週の感想】
“ハモ=関西”というイメージをお持ちの方、いらっしゃるかと思いますが、
今では東日本でもいただけるようになりました。
私もお魚屋さんで『ハモの湯引き』を見かけたこと、何度もあります。
見た目はちょっと怖いですが、味は淡泊。
それでいて旨味というか、何とも言えない美味しさがあって、
私は個人的に夏になると食べたくなる食材の1つです。
ハモは小骨が多く、骨切りはまさに職人技です。
そんな職人技と一緒に、ハモを味わいたいと思います。
【お知らせ① 次週(7/21~)からのテーマ】
“ネバネバの野菜”の1つ、『オクラ』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング ♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング ♪To Be / モントルー
2025.07.18
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