羽田美智子のいってらっしゃい

2025.07.18

2025年7月14日週 テーマ「鱧(はも)」

夏になると、よく耳や目にするお魚、『ハモ』についてです。

 

■今週(7/14~7/18)のテーマ:『ハモ』

7/14(月) 『ハモとは』   

 

ハモは『ウナギ目(もく)』という、“細長い体の魚のグループ“に属するお魚で、

ウナギやアナゴ、ウツボなどと仲間です。

とがった大きいくちばしと、鋭い歯が特徴です。

 

ハモは赤道を中心に幅広く生息してますが、

日本の周辺には『ハモ』、『スズハモ』、『ハシナガハモ』、『ワタクズハモ』の4種類が生息しています。

この中で主に食用とされているのは、『ハモ』と『スズハモ』です。

『スズハモ』は『ハモ』よりも大きく、練りものなど加工用に使われることが多いそうです。

 

ハモは漢字で、『鱧』と書きます。

“食べると美味しくて、心が豊かになる”、“栄養が豊富”ということで、まさにハモにピッタリの漢字なんですネ。

でも、この漢字は本来、“れい”とか“らい”と読むそうで、

『ライギョ』や『ナマズ』、『ヤツメウナギ』のことを指すそうなんです。

それが“ハモ”という読み方があてられたのは、そ

の“鋭い歯”と“強いアゴ”から、“噛む”が訛(なま)って“ハモ”になったのだそうです。

 

そんなハモの産地として有名なのは、瀬戸内海に面した兵庫県や徳島県、愛媛県、山口県、

さらに大分県や熊本県などです。

 

【感想】

ハモって子どもの頃は、まったく知らないお魚でした。

京都に行くようになって初めていただいて、真っ白なキレイな身に梅肉があえてあって、

なんて美味しいんだろう!と驚いたことを思い出します。

『鱧』の漢字、素敵ですよネ。“魚へん”に“豊か”。

 

7/15(火)   『ハモの旬』

『ハモは梅雨の水を飲んで育つ』という言葉があるそうで、

“6月から7月の産卵前の時期が、一番身が柔らかくて美味しい”というのが一般的とされています。

そのため“ハモの旬”は、“夏”といわれています。

 

実はハモにはもう一度、“旬”があって、それが“秋”で、具体的には10月から11月です。

この時期のハモは“産卵を終えた後”で、栄養を消耗しています。

そこで栄養を蓄え、さらに冬の間の冬眠に備えてたくさん食べるそうなんです。

そのため“秋のハモ”は脂もよくのって、弾力性もあるシコシコした身になるそうです。

 

味で比較すると、“夏のハモ”がアッサリしているのに対し、

“秋のハモ”は脂がよくのっている・・・という違いなんだそうです。

 

この“秋のハモ”のことを、“松茸ハモ”とも呼ぶそうなんですネ。

これは“秋の味覚”の代表、松茸と一緒に料理することからそう呼ばれているそうなんです。

確かに“松茸とハモの土瓶蒸し”は、秋を代表するお料理です。

 

またこの時期ならではの、ぜいたくな一品に“ハモと松茸のしゃぶしゃぶ”があります。

ハモの骨で取ったお出汁に松茸を入れて、ハモと松茸のエキスが十分に出たところで、

ハモの身をしゃぶしゃぶしていただきます。・・・想像しただけで、お腹が空いてきますネ。

 

【感想】

ハモはまさしく今が旬です。

この季節のハモはアッサリしていて、本当に美味しいですよネ。

秋にももう一度、旬が来るんですネ。

というより、私は“ハモは冬眠するんだ”ってことにビックリしました。

“ハモと松茸のしゃぶしゃぶ”、ぜいたくな取り合わせ。一度は食べてみたいですネ。

 

7/16(水)  『ハモの豆知識』

ハモは“京都の夏の風物詩”で、“夏の京料理に欠かせない食材”です。

『京都のハモは山で獲れる』という言葉があるそうで、これは昔、お魚の行商人の方が、

瀬戸内で獲れたハモを海水が入った桶に入れて、京都へ向かっていました。

 

そして京都の峠を越えている時、休憩中に元気の良いハモたちが桶から飛び出してしまいました。

それでも拾い集めましたが、1匹だけ取り逃がしてしまいました。

 

その後、地元の方がその峠のところで、何やら動くものを見つけました。

それは、行商人の方が取り逃がしたハモだったんです。

ハモは生命力が強く、水がなくても24時間以上、生きられるそうで

その元気なハモを見て、“ハモは山で獲れる”という言い伝えが広まったそうです。

 

このように夏の暑い時期でも、ハモを瀬戸内から京都まで持ってくることができたことから、

京都では“ハモは夏が旬”といわれるようなったとされています。

 

そんなハモと同じように、“京都の夏の風物詩”が、現在開催中の『祇園祭』です。

実は『祇園祭』は別名、『鱧祭(はもまつり)』と呼ばれているんですネ。

これは“ハモの旬”が、『祇園祭』の頃であることに由来しています。

この時期、旬のハモのお料理を用意するご家庭も多く、ハモを堪能されています。

 

【感想】

『ハモは山で獲れる』とは、そういう意味だったんですネ。

また、水から出して動かなくなってしまったハモに海水を入れると、

すぐに息を吹き返す・・・ということも聞きました。

とにかく生命力が強いんですよネ。

そんなハモをいただいたら、元気になりそうですネ。

 

7/17(木)  『ハモの料理』

ハモは白身で味は淡白ですが、それでいて旨味があります。

そんなハモを使ったお料理はたくさんありますが、とても小骨が多いのが特徴です。

 

そのため開いたハモを専用の包丁で、皮1枚だけを残して、ザクッザクッと身と骨を切っていきます。

これを『骨切り』といいます。

これがまさに職人芸で、一寸(約3cm)の大きさの身に包丁を25回くらい入れるそうです。

 

そうやって包丁を入れた身を、お湯に通した後、すぐに氷水に入れて身を引き締めたのが、『ハモの湯引き』です。

皮が縮んだ白い身は、まるでお花が開いたようになりますが、それを梅肉などでいただきます。

 

関西では“氷水に落として締める”ことから『ハモの落とし』、

または“お湯に入れた時に、身がチリチリと縮む”ことから『ハモちり』と呼ばれているそうなんですネ。

 

他にも、皮の部分を強火で焼いた『ハモの焼き霜造り』や、

香ばしく蒲焼きにしたハモちりを使って作る『ハモ寿司』などがあります。

同じ『ハモ寿司』でも、“棒状”となっているものや、細い箱で作る『押し寿司』などがあります。

他にも、お吸い物や鍋料理、天ぷら、フライなど、様々なお料理があります。

 

【感想】

ハモの調理って大変・・・って聞きました。

一度、京都のお魚屋さんの生簀(いけす)の中で、ハモを見たことがあるんですが、

これがなかなか狂暴で、歯が鋭いんですネ。

ちょっと“細長いピラニア”かと思うくらい狂暴でした。

このハモを切る包丁も、京都ではそれなりに造られていますし、

たくさんハモのお料理方法があって、ハモもすごいけど、人間の努力もすごいなぁ・・・と思います。

 

7/18(金)  『ハモの栄養価』

生命力の強いハモは、古くから“栄養価の高い食材”として知られてきました。

特に“三大栄養素”のひとつで、大切なエネルギー源でもある『タンパク質』が豊富に含まれています。

 

他にも、『ビタミンA』。

夏バテや貧血、風邪の予防、さらに眼の疲労の回復など様々な効果が期待できるビタミンです。

 

続いて、『ビタミンB1』。

糖質の代謝を助け、疲労回復や細胞の新陳代謝を促す働きがあるとされています。

 

続いて、『ビタミンB2』

皮膚や粘膜の機能を維持したり、成長に必要とされるビタミンです。

 

また“抗酸化ビタミン”と呼ばれる『ビタミンC』や『ビタミンE』も含まれています。

どちらも活性酸素の発生を抑えて、動脈硬化の予防や、皮膚や血管の老化防止、免疫力のアップが期待できます。

 

またハモは『骨切り』が必要なほど、小骨が多いんですが、その分、『カルシウム』が多く含まれています。

『カルシウム』は、体づくりや骨づくりに欠かせない栄養素です。

 

他にもハモには、様々な栄養素を含んでいて、特に夏の暑い時期にはピッタリです。

 

【感想】

栄養も豊富だから、“魚へんに豊か”と書いて『鱧』。

これ、うなずけますネ。

この頃は関東でも食べられるようになりましたし、

せっかくですのでハモをいただいて、栄養素をいっぱいいただいて、元気にこの夏を乗り切りましょうネ。

 

【今週の感想】

“ハモ=関西”というイメージをお持ちの方、いらっしゃるかと思いますが、

今では東日本でもいただけるようになりました。

私もお魚屋さんで『ハモの湯引き』を見かけたこと、何度もあります。

見た目はちょっと怖いですが、味は淡泊。

それでいて旨味というか、何とも言えない美味しさがあって、

私は個人的に夏になると食べたくなる食材の1つです。

ハモは小骨が多く、骨切りはまさに職人技です。

そんな職人技と一緒に、ハモを味わいたいと思います。

 

【お知らせ① 次週(7/21~)からのテーマ】

“ネバネバの野菜”の1つ、『オクラ』についてです。

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

◆オープニング  ♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

◆エンディング  ♪To Be  /  モントルー

パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/