列車で長時間、移動する時の楽しみのひとつ、『駅弁』についてです。
■今週(6/16~6/20)のテーマ:『駅弁』
6/16(月) 『駅弁の始まり』
“駅弁の始まり”ですが、諸説あります。
例えば1877年(明治10年)、当時の『梅田駅』、現在の『大阪駅』で始まったとする説。
また同じ年に、『神戸駅』で始まったとする説。
そして1883年(明治16年)、『上野駅』で始まったとする説です。
そんな中、“定説”とされているのは、1885年(明治18年)7月16日、
現在のJR東北本線『宇都宮駅』で始まったとする説です。
『白木屋(しろきや)』さんという旅館が、黒ゴマをふりかけた梅干し入りの『おにぎり2個』と
『たくあん2切れ』を竹の皮に包んで5銭で売り出しました。
この『宇都宮駅で駅弁が始まった日』、7月16日ですが、2001年、国土交通省が『駅弁記念日』と定めました。
ちなみに『駅弁の日』もありまして、こちらは4月10日です。
こちらは『日本鉄道構内営業中央会』さんが1993年に定めたものです。
由来ですが、お弁当の『弁』という漢字が、数字の『4』と漢数字の『十』の組み合わせでできていて、
『当』は数字の『10』と同じように、“とう”と読めることから、4月10日としたそうです。
【感想】
駅弁は、乗り物に乗る時のお楽しみのひとつですよネ。
私は主に新幹線に乗る時に買いますが、今は種類も豊富で、目移りしますよネ。
地域色も豊かで、私は東京駅ならおにぎり、新横浜では崎陽軒とか、ホント楽しいですよネ。
定説は宇都宮が始まりか・・・。いろいろ駅弁のドラマもありそうですネ。
6/17(火) 『駅弁の豆知識①』
1885年(明治18年)7月16日、現在のJR東北本線『宇都宮駅』で、
『おにぎり2個』と『たくあん2切れ』の駅弁が発売されました。
その約3ヶ月後、10月15日、JR信越本線『横川駅』でも『おむすび』の駅弁が発売されました。
この駅弁を手がけたのは、群馬県にあります『荻野屋』さんです。
その後、荻野屋さんは駅弁の大ヒット商品を誕生させました。
それが『峠の釜めし』です。
誕生のキッカケは、荻野屋さんの3代目のご主人の奥さま、髙見澤みねじサンです。
若くしてご主人を亡くされたみねじサンは、4代目社長に就任すると、
当時、駅弁の売り上げが伸び悩んでいた状況を打ち破るために、
“お客様に本当に喜ばれる特色のある駅弁”の開発を決意します。
そして自ら毎日、駅のホームで列車を利用する人に、“どんなお弁当がお好みですか?”と聞いて回りました。
その結果、“温かくて、家庭的なぬくもりがあり、見た目も楽しいお弁当“ということが分かりました。
その後、試行錯誤をくり返した結果、1957年(昭和32年)に誕生したのが、『峠の釜めし』です。
それでも当初は意外にも、販売数は伸び悩んだそうですが、
クチコミやメディアでの紹介もあって、ついには全国に知られるほどの人気商品になりました。
【感想】
『峠の釜めし』、大好き!お土産に買ってきてもらうこともありました。
器が本格的な陶器でできていて、何個かたまると、家でも釜めしができそうな器になるんですよネ。
甘く煮た大きな栗がのっていて、乗客の皆さんにアンケートを取ったり、
相当な企業努力のおかげのお弁当なんですネ。
6/18(水) 『駅弁の豆知識②』
駅弁の中でも、『幕の内弁当』が好きです!よく買いますという方、いらっしゃるかと思います。
『幕の内弁当』の駅弁が最初に発売されたのは、1889年(明治22年)、現在のJR『姫路駅』です。
この駅弁は兵庫県にあります、
現在の『まねき食品』さんが開発したもので、“13種類のおかず”と“ごはん”が別々に入っています。
写真を見ますと、焼き魚や伊達巻、カマボコ、煮物などが入っていて、
まるでお正月のおせち料理みたいで美味しそうです。
その後、時代とともに次々と駅弁が誕生しますが、その中には令和の今も人気の駅弁がたくさんあります。
例えば、富山県の『源(みなもと)』さんの『ますのすし』の発売は1912年。
“明治”から“大正”へと移り変わった頃です。
北海道の『いかめし阿部商店』さんの『いかめし』の発売は、戦前の1941年(昭和16年)。
神奈川県横浜市の『崎陽軒』さんの『シウマイ弁当』の発売は、1954年。
そして、群馬県の『たかべん』さんの『だるま弁当』は、1960年です。
ちなみに、『たかべん』さんの『だるま弁当』ですが、
当初は“瀬戸焼の容器”で、1973年に現在の“プラスチックの容器”になったそうです。
【感想】
有名な駅弁ばかりですネ。
乗り物に乗る時ばかりではなく、わざわざ駅弁を買ってご自宅で食べる方も多いんですよネ。
大きさも手ごろで、駅で売っている特別感。
旅情も重なって、特別なお弁当ですよネ、駅弁って。・・・食べたくなりましたネ。
6/19(木) 『駅弁の豆知識③』
駅弁は大きく、『普通弁当』と『特殊弁当』の2つの種類に分けられるそうです。
『普通弁当』は、“ごはん”と“おかず”がセットになっていて、
いわゆる『幕の内弁当』と呼ばれるお弁当のことです。
ちなみに、駅弁の幕の内弁当には“三種の神器”と呼ばれるおかずがあるそうで、
『お魚料理』と『カマボコ』、『卵焼き』です。・・・確かによく見かけますよネ。
そして『特殊弁当』とは、“ごはんとおかずがセットになっていないお弁当のこと”だそうです。
季節やその土地土地の食材が使われています。
具体的には、『鯛めし』や『鳥めし』、『釜めし』、『あなごめし』などの“ごはん類”。
『押しずし』や『ますずし』、『さばずし』といった“おすし類”。
他にもタコやイカ、貝など“地域の名産品の魚介類”や、
キノコや山菜、さらにボリュームのある“お肉系”などがあります。
“お肉系の駅弁”といえば、私のふるさと・茨城にもあるんですよネ。
例えば、『しまだフーズ』さんの『常陸牛(ひたちぎゅう) 牛(ぎゅう)べん』です。
黒毛和牛を、すき焼き風の甘めのタレで味付けしたお弁当で、駅弁ファンの間でもとても人気が高いそうです。
さらに、茨城県のブランド豚『ローズポーク』を使った
『ローズポーク 豚べん』もあって、こちらも人気だそうです。
【感想】
茨城大使の私としたことが、まだこちらのお弁当、食べたことがないんですよネ(汗)。
でも“美味しい”という噂は聞いているんです。なかなか手に入らないんですよネ。
写真を見ますと、美味しそうです。
常陸牛もローズポークも、茨城が誇るブランドもので、ホントに美味しいんですよネ。
『しまだフーズ』さんの『牛べん』、『豚べん』、チェックしましょう。
6/20(金) 『駅弁の豆知識④』
駅弁の大きな特長は“冷めても美味しいこと”です。
そこには駅弁の業者さんによる、“食の安全”を考えたうえでの長年にわたる努力や工夫があります。
そんな中、1987年(昭和62年)、“日本で初めて加熱式の駅弁”、
その名も『あっちっちスチーム弁当』が登場しました。
こちらは兵庫県神戸市の『淡路屋』さんが開発したものです。
“冷めても美味しい”、“冷たいまま食べる”という、
それまでの駅弁の概念を打ち破ったホカホカの駅弁は、大きな驚きと衝撃を与えました。
この加熱式弁当の仕組みですが、お弁当の下に、
『発熱ユニット』と呼ばれる“粒状の生石灰(せいせっかい)”と“水が入った袋”が入っています。
そこにひもが付いていて、引っ張ると袋が破れて、生石灰と水が混ざって化学反応を起こし、
熱と蒸気が発生して温かくなる・・・というものです。
実はこの『あっちっちスチーム弁当』の前に、
『あっちっち弁当』というのがあったそうなんですネ。
こちらは“携帯カイロでお弁当を温める”という仕組みでしたが、
カイロの場合、ずっと温かい状態が続くことから、衛生面で不安があったそうなんですネ。
そして開発を重ねて、最終的に現在の形になったそうです。
【感想】
この『あっちっちスチーム弁当』、初めて見た時はビックリしました。
このお弁当がいつ熱くなるのか。不思議でしたよネ。
ひもを引っ張ると、シュウシュウシュウと蒸気が出てきて、ホッカホカに・・・。
発明した人は本当にすごいですよネ。
日本は縦長の国だから、地方地方に特色があるお弁当があって、食に恵まれていますよネ。
・・・ありがたいことです。
【今週の感想】
駅弁の売店に行くと、どれも食べたくなりますよネ。
迷っているとアッという間に、発車の時刻まで時間が経っちゃいますよネ。
“あの駅弁を買うぞ”と決めて行ったのに、ついつい他の駅弁に目移りしてしまったり・・・。
でも駅弁を選んでいる時間って、幸せですよネ。
駅弁の世界って、本当に本当に奥が深くて、今回ご紹介したのはほんの一部でした。
またいつか第2弾をお届けできたら・・・と思います。
【お知らせ① 次週(6/23~)からのテーマ】
“海の玄関口”、『港』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング ♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング ♪To Be / モントルー
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