“冬が旬のお魚”の中から、『ブリ』についてです。
■今週(12/9~12/13)のテーマ:『ブリ』
12/9(月) 『ブリとは』
ブリは北太平洋に広く生息する大型のお魚で、毎年決まった季節に一定の海流を移動する、『回遊魚』です。
日本付近では、春から夏にかけて北に向かう稚魚が、
冬の初めから春になると、今度は南に向かって行き成長していきます。
このため地域によって、ブリが獲れる時期が違ったりしています。
さらに養殖されたものもあるため、“季節を問わず食べられるお魚”ではあるんですが、
もっとも脂ののりが良くなるのは“冬”です。
さらに『寒ブリ』といった言葉からも、“冬を代表するお魚”であると考えられています。
また『鰤(ぶり)』という漢字は、“魚へん”に“師走”の“師”と書きますが、
その由来も“旬”が“師走”ということに由来しているそうです。
そんなブリですが、名前の由来には諸説あります。
その1つが江戸時代の学者、貝原益軒(かいばら・えきけん)が書いた
健康や長寿の心得を示した本、『養生訓(ようじょうくん)』に由来するという説です。
本ではブリのことを、『脂多き魚なり、脂の上を略する』と紹介していて、
この『あぶら』が『ぶら』になり、最終的に『ぶり』となった・・・としています。
【感想】
『あぶら』から『ぶら』、『ぶり』・・・。なるほど。寒ブリって美味しくて大好きです。
1年中、スーパーに並んでるから、あまり季節を感じませんが、確かにブリは冬、美味しいですよネ。
私はもっぱら、塩焼きとか照り焼きが好きですかねぇ。
アッ、ブリしゃぶもイイですよネ。
年末年始の食卓に、ブリは登場回数が多くなるお魚ですよネ。
12/10(火) 『ブリの豆知識①』
ブリは『アジ科』のお魚です。
同じアジ科の仲間には、カンパチやヒラマサがいますが、見た目がブリと似ていることから、
『ブリ御三家』ですとか、『青物御三家』、『青物三兄弟』と呼ばれているそうです。
この御三家の中でも、ブリとヒラマサはパッと見ただけでは、分からないくらい似ているそうなんですネ。
写真を見ますと、どちらも見ただけでは分かりません。
・・・同じお魚にしか見えないんですけども。
それでもよ~く見ると、違いがあるそうなんですネ。
どちらも体の部分に、“黄色い帯のようなもの”が入っていますが、
その“黄色い帯”と“胸びれの付け根”がある“距離”に、違いがあるそうなんです。
具体的にはブリの場合、“お互い離れているところ”にあるのに対して、ヒラマサは“近いところ”にあるそうなんですネ。
また“上あごの角の部分”にも違いがあって、ブリは“直角に曲がっている”そうなんです。
それに対してヒラマサは、“やや丸みがある”そうです。
・・・イヤ~、でもこれ、ほとんど分からない違いですネ。
プロはこれを見抜いて、ヒラマサとブリに分けてるんですネ。
そしてお刺身にした時、ブリが“赤みがかった色”なのに対して、ヒラマサは“透き通るような白い色”をしています。
食感もヒラマサのほうが、“締まった身”をしているので、歯ごたえがあるそうです。
さらに味も、ブリのほうが脂ののりが“コッテリ”しているのに対し、ヒラマサの脂は“サッパリ”としていて、
“上品な味わい”といわれているそうです。
【感想】
こんなに似てるのに、切り身にすると違いが明確になるんですネ。
“私と親友はよく似ている”と周りから言われてるんですが、中身はまったく違っていて、
私が“ブリ”で、親友は“ヒラマサ”なのかなぁ~なんて想像して笑ってしまいました。
・・・でもよく似ています。
12/11(水) 『ブリの豆知識②』
お魚の中でも、“大きくなるにつれて名前が変わって、その価値も高まるお魚“のことを『出世魚』といいます。
これは“武士の風習”に由来しているそうです。
武士の子どもは、大人になると名前が変わります。
さらに“地位が与えられる”、つまり“出世”すると、今度は“それにふさわしい名前”に変えていきました。
このように武士が出世するごとに名前が変わっていくように、
“成長するごとに名前が変わっていくお魚”のことを『出世魚』と呼び、“縁起物”として親しまれているそうです。
そしてブリは、ボラやスズキと並んで、出世魚の“代表”といわれています。
ブリの稚魚のことを、『モジャコ』といいます。
これは“藻につく小魚”という意味で、ブリは生まれてしばらくすると、
流れてくる藻にくっ付いて生活することから、この名が付いたそうです。
他にも地域によっては、呼び名が違うそうです。
このモジャコが成長するにつれて、名前が変わっていきます。
そして一般的に『80cm以上』に成長すると、『ブリ』と呼ばれるようになります。
そこまで成長するまでの間に、いくつか名前があるそうなんですネ。
しかもブリの場合、その名前が同じ日本の中でも、地域によって違っている・・・という珍しいお魚だそうです。
【感想】
出世魚、覚えるまでは大変ですが、名前が変わっていくって、なんかイイなぁ。
武士の文化も興味深いですネ。
名もなき時代から名前をもらって、だんだん格調ある名前に変化していくって、やりがいがあったでしょうネ。
お魚にとっては、出世も何も何と呼ばれようが関係ないんでしょうけどネ。
12/12(木) 『ブリの豆知識③』
“大きくなるにつれて名前が変わって、その価値も高まるお魚“のことを、『出世魚』といいます。
そんな出世魚の代表がブリです。
成長して最終的に“80cm以上”になると、『ブリ』の名前で呼ばれるようになりますが、
そこまで成長するまでの間の呼び名がたくさんあります。
その理由ですが、ブリは日本の場合、“ほぼ全国の海”にいるので、
地域によって様々な呼び名があるそうなんですネ。
その数ですが、“100を超える”ともいわれているそうです。
ほんのイチ例をご紹介しますと、関東ではサイズの小さい順に
『ワカシ』→『イナダ』→『ワラサ』→『ブリ』です。
これが関西ですと、『ツバス』→『ハマチ』→『メジロ』→『ブリ』になります。
お気づきかと思いますが、『ハマチ』という名前は“ブリの成長途中の呼び名”なんだそうです。
その一方で、“養殖されたもの”を『ハマチ』、“天然のもの”を『ブリ』と呼ぶことも多いそうです。
北陸・富山県ですと、『ツバイソ』→『フクラギ』→『ガンド』→『ブリ』で、
同じ北陸でも石川県では、『ツバイソ』が『コゾクラ』になります。
山陰地方では、『ツバス』→『ハマチ』→『マルコ』→『ブリ』。
福岡県ですと、『ツバス』→『ヤズ』→『メジロ』→『ブリ』です。
九州北部などでは、1mを超えると『オオウオ』とも呼ぶそうです。
【感想】
こんなに名前があって、お魚の名前にもともと疎い私には、大変難解な名前だらけです。
お寿司屋さんでカッコ良く、“ワラサください”とか“ガンドにしてください”とか
言ってみたいものですけど、ブリしか分からないです(汗)
これだけ名前があるということは、全国の人に愛されているお魚ということですよネ。
12/13(金) 『ブリの豆知識④』
大晦日に1年間の無事に感謝し、新年の年神様をお迎えするためのお祝いの食事のことを、『年取り膳』といいます。
その年取り膳の主役ともいえるのが、『年取り魚』です。
この年取り魚ですが、東日本では『サケ』、西日本では『ブリ』が一般的といわれています。
サケが年取り魚とされる理由ですが、“栄える”という言葉に通じるから・・・といわれています。
そしてブリは『出世魚』ですので、どちらのお魚も“縁起物”として親しまれています。
また冷蔵庫がなかった時代、ブリもサケも大型のお魚で、
塩漬けにすれば長期保存ができるのと、海から遠く離れたところでも運ぶことができるのが、
年取り魚として親しまれた理由といわれています。
“ブリを使ったお料理”は、いろいろあります。
お刺身やお寿司はモチロン、定番の『照り焼き』から『塩焼き』は、
お子さんから年配の方まで幅広い世代に人気です。
他にも冬が旬の大根にブリの旨味を染み込ませた、煮物の定番『ブリ大根』や、この時期、特に人気な『ブリしゃぶ』。
大根や白菜とブリを重ねて漬け込んだ、伝統的なお漬物『かぶら漬け』。
お酢で漬け込んだ、お正月のお料理『ぶりなます』。
そして、お雑煮にブリを入れた『ぶり雑煮』など、いろいろなお料理に、ブリが使われています。
【感想】
関東では年末にサケが出回りますネ。
私は関西の方からブリを年末にいただいて、その美味しさからブリを買うようになりました。
“栄える”とか“出世魚”とか、縁起を担ぐ・・・。これが日本の伝統なんですネ。
【今週の感想】
ブリって子どもの頃から食べている、とても身近なお魚ですが、知らないことばかりでした。
ブリが出世魚であることは、なんとなく知ってはいましたが、
その途中までの名前はよく分かっていなくて、まったく別々のお魚だと思っていました。
・・・でもこれって、私だけじゃないですよネ(汗)。
“我が家のお正月は、丸餅にブリですよ”というコメントもいただきました。ありがとうございました。
【お知らせ① 次週(12/16~)からのテーマ】
“クリスマスにいただくもの”の1つ、『クリスマスケーキ』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング ♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング ♪To Be / モントルー
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