日本で古くから親しまれている暖房器具、『コタツ』についてです。
■今週(12/2~12/6)のテーマ:『コタツ』
12/2(月) 『コタツの歴史①』
コタツの歴史は古く、約600年前の室町時代に誕生したといわれています。
一説には、コタツが生まれた背景には、当時の日本の家の造りが関係しているそうです。
といいますのは、当時は冬になると、囲炉裏を使って暖まっていたそうなんですネ。
ところが当時の家というのは“夏の暑さをしのぐ”ということを大前提に造られていたため、
“通気性”が重視されていたそうです。
そのため冬になると、冷たいすきま風が吹き込んできて、家の中でも寒かったそうなんですネ。
そこで“せめて足元だけでも温めたい・・・”という“生活の知恵”から生まれたのが、コタツなのだそうです。
当時のコタツですが、囲炉裏の火力を弱くして、そこに板を組み合わせた“すのこ”のようなものを置いて、
さらにその上に衣服をかぶせたもので、そこに足を入れて温まっていたそうです。
これが“コタツの始まり”とされています。
江戸時代になると、囲炉裏の上に木を組み立てて作った“やぐら”を組んで、その上に布団をかぶせるようになりました。
さらに“火鉢を使ったコタツ”、その名も『置きゴタツ』が登場します。
『置きゴタツ』の場合、“囲炉裏のコタツ”と違って、移動させることができるため、多くの家庭に広まっていきました。
【感想】
コタツ大好き!足を入れてぬくぬくとして、テーブルの上にはミカン。最高ですよネ。
私の母は、“コタツは苦立つ”と言って、“コタツに入ると立つのが苦痛になる。
立っている人にモノを頼みたくなる“って、よく言ってましたねぇ。
足下が温かいと、全然寒さが違うんですよネ。コタツはイイですよネ。
12/3(火) 『コタツの歴史②』
寒い冬を少しでも暖かく・・・という思いから生まれたコタツですが時代が明治になると、
薪ストーブや暖炉といった暖房器具が、外国から入ってきました。
それでもコタツは引き続き、日本の冬に欠かせないものでした。
ところが日本で暮らす外国人の方の中には、
正座やあぐらをかいたり脚を伸ばして入るコタツが苦手・・・という方もいたそうなんです。
イギリス人の陶芸家、バーナード・リーチさんもそのひとりで、そこで1909年(明治42年)に、
イスのように腰掛けることができるコタツ、『堀りゴタツ』を考え出し、自宅に造りました。
実は日本には以前から、“『堀りゴタツ』の原型”ともいえるコタツがあったそうなんですネ。
それは床を深く掘って、囲炉裏を床よりも下に置いた『腰掛けゴタツ』と呼ばれるものでした。
但し一般のご家庭に、『堀りゴタツ』を造ったのは、バーナード・リーチさんが最初だそうです。
その後、時代が昭和になると『電気コタツ』が登場します。
その中でも1957年(昭和32年)に、『東芝』さんから発売された『やぐら式電気こたつ』は、
爆発的なヒット商品となりました。
私たちが“コタツ”と聞いてイメージする、ヒーターの部分がやぐらの上のところに付いているコタツです。
その後、コタツは様々な進化を遂げ、時代が令和になった今でも愛用されています。
【感想】
バーナード・リーチさんといえば民芸。
芸術品のような器を日常の暮らしに使えるように・・・ということで、日本を率いた方なんですよネ。
その方が掘りゴタツを最初に作ったとは、やっぱりすごい方ですネ。
私の実家でも、コタツは必ず冬に出しますネ。
友達の家でも床暖房の上に置いたりして、今でもなじみ深い冬の風物詩ですよネ。
12/4(水) 『コタツの豆知識』
昭和の時代に誕生した『電気コタツ』ですが、平成・令和と時代を経て大きく進化しています。
以前は“コタツ=冬に使うもの”でしたが、今は季節を問わず使える『家具調こたつ』が主流となっています。
またコタツの高さも、ちゃぶ台のような低い“ロータイプ”だけでなく
テーブルのような“ハイタイプ”も数多く登場しています。
“ハイタイプ”の場合、“脚を伸ばせる”というのが最大の利点で、人数が多くてもゆったりと使うことができます。
それに加えて、“高さを変えられるタイプ”もあるんですネ。
また、コタツでくつろぎながら、スマホやパソコンが使える
『USBポート付きこたつ』や“おひとり様専用のコタツ”もあります。
このように、これまでは“暖房器具の1つ”だったコタツも、
今では“インテリアとして楽しむもの”へと変化しています。
そんな中、2022年に登場したのが“ソファやイスに座ったまま使えるおひとり様用のこたつ”、
その名も『こたんぽ』です。
こちらは東京・千代田区にあります『サンコー株式会社』さんが発売しました。
寝袋のように足を入れて、下半身をスッポリおおって使うそうなんですネ。
『着心地ふんわり 歩けるこたつ』ですとか
『つま先まるっとあったか 着るこたつ』というキャッチコピーがあります。
【感想】
写真を見ますと、コタツ、着てますネ。これ無敵ですネ。
歩けるし、何ならお料理などの家事もできそうです。
名前がおもしろいですネ。『こたんぽ』。
コタツと湯たんぽを掛けているんですかネ。
コタツの中でお父さんと足がぶつかって、どちらかによけるなんていう想い出はなくなりそうですが、
無敵なあったかさですネ。
12/5(木) 『コタツの雑学』
“コタツ本体”と“コタツ布団”の上にのせる、テーブルのようなものってありますよネ。
『天板(てんばん)』とか、『コタツ板』と呼ばれていますが、
実は電気コタツが登場した頃、『天板』はなかったそうなんです。
そんな中、旅館などでは天板をのせたコタツが、食卓の代わりに使われていて、
それがキッカケとなって、1959年(昭和34年)頃に一般のご家庭に広まったといわれています。
そしてこの天板ですが、昭和の時代、裏面には緑色した布が張られていました。
この布は『ラシャ』という厚手の毛織物ですが、
この『ラシャ張りの天板』が、ご家庭での遊びの際に、すごく役立っていたそうです。
例えば“マージャン”です。
マージャンって牌をかき混ぜる時に、ジャラジャラジャラって音がするそうなんですネ。
その音が近所迷惑にならないように、専用のマットというのを天板の上に敷くそうなんです。
でも、このマットがない時は天板をひっくり返して、ラシャ張りの面のところでかき混ぜれば、
“若干”ですが、音が小さくなるそうなんです。
他にも家族などでトランプをする際に、ラシャ張りの面ですと、カードがめくりやすかったそうです。
【感想】
これ、なつかしい~。
確かに緑色の面にひっくり返して、トランプとか花札とか、そういうカードゲームをして遊びましたねぇ。
今はこういう天板はないんですかねぇ。
私が知る限りは、表が白で裏が黒みたいな天板とか、木目調みたいのが多いのかなぁ。
これ、ひっくり返して使うって、すごく良いアイデアですネ。
まぁ、コタツ、ホントに歴史があって、懐かしい・・・。
しかも今は進化している。そういうものですネ。
12/6(金) 『コタツの雑学②』
子どもの頃、“コタツで寝ると風邪ひくよ!”と怒られた経験、どなたもあるかと思います。私もあります。
この“コタツで寝ると風邪をひく”という説ですが、科学的根拠というのはないそうなんです。
それでもお医者さんなど、医療の専門家の方によりますと、“理論的には十分にあり得る”のだそうです。
その理由ですが、古くから言い伝えられている健康法に“頭寒足熱”があります。
これは“頭の部分は涼しくて、足の部分は温かい”という意味で、
足下を温めることで全身の血流が良くなって、体温を上げる効果があるそうなんですネ。
そんな“頭寒足熱”に、コタツは“理想的な暖房器具”なんだそうです。
ところがコタツで寝てしまうと、下半身の体温が下がらないため、必要以上に汗をかいてしまうんですって。
そうなると脱水症状になり、また上半身との体温の差の激しさから、
“ウイルスに対する抵抗力”が落ちてしまうんだそうです。
また“コタツで寝ると、寝た気がしない”という方が多いように、睡眠の質が激しく下がるそうです。
他にも、首や腰の痛みのリスクもあります。
そういった要因がいくつも重なって、“コタツで寝ると風邪をひく”という説が、言い伝えられているのだそうです。
【感想】
確かにコタツでつい寝てしまうと、起きた時にノドが渇いていたり、
目が乾いていたり、明らかに脱水気味に乾燥してますよネ。
あくまでもコタツは、足をあっためて、起きている間、ぬくぬく過ごすための道具なんですよネ。
【今週の感想】
一度、コタツの温かさを知ってしまうと、やっぱり使いたくなりますよネ。
和室がなくても使えるコタツもどんどん登場してきて、この冬、買おうかな~って悩んでいます(笑)
月曜日に母が“コタツは苦立つ”と言っていたとお話したところ、
“分かる、分かる”ですとか、たくさんの賛同をいただきました。
ありがとうございます。
【お知らせ① 次週(12/9~)からのテーマ】
“冬が旬のお魚”の中から、『ブリ』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング ♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング ♪To Be / モントルー
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