羽田美智子のいってらっしゃい

2024.12.06

2024年12月2日週 テーマ「コタツ」

日本で古くから親しまれている暖房器具、『コタツ』についてです。

 

■今週(12/2~12/6)のテーマ:『コタツ』

12/2(月) 『コタツの歴史①』   

 

コタツの歴史は古く、約600年前の室町時代に誕生したといわれています。

一説には、コタツが生まれた背景には、当時の日本の家の造りが関係しているそうです。

といいますのは、当時は冬になると、囲炉裏を使って暖まっていたそうなんですネ。

 

ところが当時の家というのは“夏の暑さをしのぐ”ということを大前提に造られていたため、

“通気性”が重視されていたそうです。

そのため冬になると、冷たいすきま風が吹き込んできて、家の中でも寒かったそうなんですネ。

そこで“せめて足元だけでも温めたい・・・”という“生活の知恵”から生まれたのが、コタツなのだそうです。

 

当時のコタツですが、囲炉裏の火力を弱くして、そこに板を組み合わせた“すのこ”のようなものを置いて、

さらにその上に衣服をかぶせたもので、そこに足を入れて温まっていたそうです。

これが“コタツの始まり”とされています。

 

江戸時代になると、囲炉裏の上に木を組み立てて作った“やぐら”を組んで、その上に布団をかぶせるようになりました。

さらに“火鉢を使ったコタツ”、その名も『置きゴタツ』が登場します。

『置きゴタツ』の場合、“囲炉裏のコタツ”と違って、移動させることができるため、多くの家庭に広まっていきました。

 

【感想】

コタツ大好き!足を入れてぬくぬくとして、テーブルの上にはミカン。最高ですよネ。

私の母は、“コタツは苦立つ”と言って、“コタツに入ると立つのが苦痛になる。

立っている人にモノを頼みたくなる“って、よく言ってましたねぇ。

足下が温かいと、全然寒さが違うんですよネ。コタツはイイですよネ。

 

12/3(火)   『コタツの歴史②』

寒い冬を少しでも暖かく・・・という思いから生まれたコタツですが時代が明治になると、

薪ストーブや暖炉といった暖房器具が、外国から入ってきました。

それでもコタツは引き続き、日本の冬に欠かせないものでした。

 

ところが日本で暮らす外国人の方の中には、

正座やあぐらをかいたり脚を伸ばして入るコタツが苦手・・・という方もいたそうなんです。

イギリス人の陶芸家、バーナード・リーチさんもそのひとりで、そこで1909年(明治42年)に、

イスのように腰掛けることができるコタツ、『堀りゴタツ』を考え出し、自宅に造りました。

 

実は日本には以前から、“『堀りゴタツ』の原型”ともいえるコタツがあったそうなんですネ。

それは床を深く掘って、囲炉裏を床よりも下に置いた『腰掛けゴタツ』と呼ばれるものでした。

但し一般のご家庭に、『堀りゴタツ』を造ったのは、バーナード・リーチさんが最初だそうです。

 

その後、時代が昭和になると『電気コタツ』が登場します。

その中でも1957年(昭和32年)に、『東芝』さんから発売された『やぐら式電気こたつ』は、

爆発的なヒット商品となりました。

私たちが“コタツ”と聞いてイメージする、ヒーターの部分がやぐらの上のところに付いているコタツです。

その後、コタツは様々な進化を遂げ、時代が令和になった今でも愛用されています。

 

【感想】

バーナード・リーチさんといえば民芸。

芸術品のような器を日常の暮らしに使えるように・・・ということで、日本を率いた方なんですよネ。

その方が掘りゴタツを最初に作ったとは、やっぱりすごい方ですネ。

私の実家でも、コタツは必ず冬に出しますネ。

友達の家でも床暖房の上に置いたりして、今でもなじみ深い冬の風物詩ですよネ。

 

12/4(水)  『コタツの豆知識』

昭和の時代に誕生した『電気コタツ』ですが、平成・令和と時代を経て大きく進化しています。

以前は“コタツ=冬に使うもの”でしたが、今は季節を問わず使える『家具調こたつ』が主流となっています。

 

またコタツの高さも、ちゃぶ台のような低い“ロータイプ”だけでなく

テーブルのような“ハイタイプ”も数多く登場しています。

“ハイタイプ”の場合、“脚を伸ばせる”というのが最大の利点で、人数が多くてもゆったりと使うことができます。

それに加えて、“高さを変えられるタイプ”もあるんですネ。

 

また、コタツでくつろぎながら、スマホやパソコンが使える

『USBポート付きこたつ』や“おひとり様専用のコタツ”もあります。

このように、これまでは“暖房器具の1つ”だったコタツも、

今では“インテリアとして楽しむもの”へと変化しています。

 

そんな中、2022年に登場したのが“ソファやイスに座ったまま使えるおひとり様用のこたつ”、

その名も『こたんぽ』です。

こちらは東京・千代田区にあります『サンコー株式会社』さんが発売しました。

 

寝袋のように足を入れて、下半身をスッポリおおって使うそうなんですネ。

『着心地ふんわり 歩けるこたつ』ですとか

『つま先まるっとあったか 着るこたつ』というキャッチコピーがあります。

 

【感想】

写真を見ますと、コタツ、着てますネ。これ無敵ですネ。

歩けるし、何ならお料理などの家事もできそうです。

名前がおもしろいですネ。『こたんぽ』。

コタツと湯たんぽを掛けているんですかネ。

コタツの中でお父さんと足がぶつかって、どちらかによけるなんていう想い出はなくなりそうですが、

無敵なあったかさですネ。

 

 

12/5(木)  『コタツの雑学』

“コタツ本体”と“コタツ布団”の上にのせる、テーブルのようなものってありますよネ。

『天板(てんばん)』とか、『コタツ板』と呼ばれていますが、

実は電気コタツが登場した頃、『天板』はなかったそうなんです。

 

そんな中、旅館などでは天板をのせたコタツが、食卓の代わりに使われていて、

それがキッカケとなって、1959年(昭和34年)頃に一般のご家庭に広まったといわれています。

 

そしてこの天板ですが、昭和の時代、裏面には緑色した布が張られていました。

この布は『ラシャ』という厚手の毛織物ですが、

この『ラシャ張りの天板』が、ご家庭での遊びの際に、すごく役立っていたそうです。

 

例えば“マージャン”です。

マージャンって牌をかき混ぜる時に、ジャラジャラジャラって音がするそうなんですネ。

その音が近所迷惑にならないように、専用のマットというのを天板の上に敷くそうなんです。

でも、このマットがない時は天板をひっくり返して、ラシャ張りの面のところでかき混ぜれば、

“若干”ですが、音が小さくなるそうなんです。

他にも家族などでトランプをする際に、ラシャ張りの面ですと、カードがめくりやすかったそうです。

 

【感想】

これ、なつかしい~。

確かに緑色の面にひっくり返して、トランプとか花札とか、そういうカードゲームをして遊びましたねぇ。

今はこういう天板はないんですかねぇ。

私が知る限りは、表が白で裏が黒みたいな天板とか、木目調みたいのが多いのかなぁ。

これ、ひっくり返して使うって、すごく良いアイデアですネ。

まぁ、コタツ、ホントに歴史があって、懐かしい・・・。

しかも今は進化している。そういうものですネ。

 

12/6(金)  『コタツの雑学②』

子どもの頃、“コタツで寝ると風邪ひくよ!”と怒られた経験、どなたもあるかと思います。私もあります。

この“コタツで寝ると風邪をひく”という説ですが、科学的根拠というのはないそうなんです。

それでもお医者さんなど、医療の専門家の方によりますと、“理論的には十分にあり得る”のだそうです。

 

その理由ですが、古くから言い伝えられている健康法に“頭寒足熱”があります。

これは“頭の部分は涼しくて、足の部分は温かい”という意味で、

足下を温めることで全身の血流が良くなって、体温を上げる効果があるそうなんですネ。

そんな“頭寒足熱”に、コタツは“理想的な暖房器具”なんだそうです。

 

ところがコタツで寝てしまうと、下半身の体温が下がらないため、必要以上に汗をかいてしまうんですって。

そうなると脱水症状になり、また上半身との体温の差の激しさから、

“ウイルスに対する抵抗力”が落ちてしまうんだそうです。

 

また“コタツで寝ると、寝た気がしない”という方が多いように、睡眠の質が激しく下がるそうです。

他にも、首や腰の痛みのリスクもあります。

そういった要因がいくつも重なって、“コタツで寝ると風邪をひく”という説が、言い伝えられているのだそうです。

 

【感想】

確かにコタツでつい寝てしまうと、起きた時にノドが渇いていたり、

目が乾いていたり、明らかに脱水気味に乾燥してますよネ。

あくまでもコタツは、足をあっためて、起きている間、ぬくぬく過ごすための道具なんですよネ。

 

【今週の感想】

一度、コタツの温かさを知ってしまうと、やっぱり使いたくなりますよネ。

和室がなくても使えるコタツもどんどん登場してきて、この冬、買おうかな~って悩んでいます(笑)

月曜日に母が“コタツは苦立つ”と言っていたとお話したところ、

“分かる、分かる”ですとか、たくさんの賛同をいただきました。

ありがとうございます。

 

【お知らせ① 次週(12/9~)からのテーマ】

“冬が旬のお魚”の中から、『ブリ』についてです。

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

◆オープニング  ♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

◆エンディング  ♪To Be  /  モントルー

パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/