羽田美智子のいってらっしゃい

2024.08.02

2024年7月29日週 テーマ「素麵」

夏によく食べるもので、ツルツルとしてノドごしが良い『素麺』についてです。

 

■今週(7/29~8/2)のテーマ:『素麺』

 

7/29(月) 『素麺とは』   

素麺とは、お水とお塩を加えてこねた小麦粉に植物油を塗って、細く引き伸ばして、天日干しした麺のことです。

 

3世紀頃、現在の中国で誕生し、日本には奈良時代に伝わったといわれています。

実は“素麺の原型”とされるのは、『索餅(さくべい)』と呼ばれる、小麦粉と米粉を練って作る、お菓子の一種だそうです。

『索餅』の“索”という字には、“縄”という意味もあるそうなんですネ。

写真を見ますと、細長くねじってあって、確かに縄のような形をしてるんですネ。

 

その後、鎌倉時代になると中国から“麺を作る技術”が伝わり、『索餅』から進化した麺が作られるようになりました。

その麺は『索麺(さくめん)』と呼ばれるようになり、それが『素麺』になったと考えられています。

当時は特別な食べ物で、庶民が気軽に食べられるようなものではなかったそうです。

 

そんな素麺が庶民の間に広まっていったのは、江戸時代になってからです。

水車の力を利用して、粉をひく機械が誕生し、現在の製粉技術の基礎ができたといわれています。

 

【感想】

素麺は最初は、お菓子が始まりだったんですネ。

索餅の写真を見ますと、長崎にある『ねじねじ』という固いお菓子に似ているんですネ。

夏に素麺は欠かせませんよネ。

何と言っても、茹で時間が短いのがイイですよネ!

ツルツルとしたノドごしも良くて、ホントに大好きです。

 

【おことわり】

長崎銘菓のことを『ねじねじ』とお伝えしましたが、

『よりより』、『麻花兒(マファール)』、『唐人巻(とうじんまき)』などの名称があります。

 

 

7/30(火)   『素麺と冷や麦の違い』

『日本農林規格・JAS(ジャス)』では、麺の太さが“直径1.3mm未満のもの”を『素麺』、

“直径1.3mm以上1.7mm未満のもの”を『冷や麦』としています。

但しこれは、“機械で作られる麺”に適用される基準で、手作業によって作られる“手延べの麺”の場合、

“直径1.7mm未満の麺”であれば、『素麺』、『冷や麦』のどちらを名乗っても構わないそうなんです。

 

実際、徳島県の名産の『半田手延べそうめん』の場合、日本農林規格では『冷や麦』に分類されています。

それでも江戸時代から続く伝統や、麺の文化の地域性が認められ、特別に『そうめん』と表記できるそうです。

 

ちなみに『冷や麦』という名前ですが、

室町時代の頃、小麦粉をこねて細く切った麺のことを、『切麦(きりむぎ)』と呼んでいたそうです。

その『切麦』を温めたものを『熱麦(あつむぎ)』、冷たいものを『冷や麦』と呼ぶようになったそうです。

 

そんな冷や麦には、ピンクやグリーンなど色のついた麺が入っていること、ありますよネ。

これは素麺と冷や麦を区別できるように、冷や麦に入れられるようになったといわれています。

最近では冷や麦だけでなく、素麺にも入っていること、ありますよネ。

 

【感想】

素麺と冷や麦の違いは、太さの違いだったんですネ。

また冷や麦に対して、熱麦というのもあるんですネ。

素麺と冷や麦、皆さんはどっちが好きですか?

私たちのスタッフで話した時に、“冷や麦がイイ”、“素麺がイイ”って分かれたんですけども、

どちらにしても夏に食べたくなる麺ですよネ。

 

7/31(水)  『日本三大そうめん① 三輪そうめん』

“日本三大そうめん”とは、奈良県の『三輪そうめん』、兵庫県の『播州(ばんしゅう)そうめん』、

そして香川県の『小豆島そうめん』の3つの素麺です。

この中で『三輪そうめん』とは、奈良県桜井市を中心とした三輪地方で作られている素麺です。

 

奈良時代、日本で最も古いとされる神社、三輪山(みわやま)の

大神神社(おおみわじんじゃ)の神主さんの息子さんが、当時、飢饉や病気で苦しむ人たちのために祈りを捧げました。

そして神様のお告げに従って小麦を栽培し、

それを粉にし、湧き水でこねて延ばして糸状にしたものが、“素麺の始まり”と伝えられているそうです。

そんな“手延そうめん発祥の地”で作られている『三輪そうめん』ですが、コシの強さやノドごしが特徴です。

 

そして同じ『三輪そうめん』でも、『等級(グレード)』というのがあるそうなんですネ。

最も一般的で生産量も多いのが、『三輪の誉(ほまれ)』です。

そして、『三輪の瑞垣(みずがき)』、『三輪の緒環(おだまき)』と続き、

最高級品とされているのが『三輪の神杉(かみすぎ)』です。

1300年にもわたる、手延べの技術をつめ込んで作り上げた“超極細”の素麺です。

この『三輪の神杉』も『三輪の緒環』も、限られた生産者の方しか作ることができないそうです。

 

【感想】

三輪そうめんは有名で、絶対にいただいたことがあるんですが、あれは『三輪の誉』だったんでしょうか。

最高級品の『三輪の神杉』、超極細の素麺、食べてみたいですよネ。

素麺ってただでさえ細いのに、超極細ってどんななんだろう・・・?

糸みたいなのかなぁ。興味ありますよネ。食べてみたい・・・。

 

8/1(木)  『日本三大そうめん② 播州そうめん』

『播州そうめん』の“播州”とは、兵庫県南西部の播州地方のことです。

この播州地方には『揖保川(いぼがわ)』という川があって、その水や播州平野で採れる質の良い小麦、

全国でも有名な赤穂(あこう)の塩を使って、素麺づくりが始まったそうです。

 

そんな『播州そうめん』の中でも、全国的に知られるトップブランドが『揖保乃糸』です。

『兵庫県手延素麺協同組合』さんが製造・販売している、とても人気のある素麺です。

 

そんな『揖保乃糸』を束ねてある帯の色ですが、“赤”のイメージが強いかと思います。

実は小麦粉の種類や麺の細さ、作られる時期によって、『等級(グレード)』が決められていて、

その違いによって、帯の色も名前も違うそうなんです。

 

例えば、一般的に知られている『赤い帯』は『上級』で、他にも『金色の帯』の『熟成麺』、

『緑色の帯』の『播州小麦(ばんしゅうこむぎ)』、

『紫色の帯』の『縒(より)つむぎ』、『黒い帯』の『特級』があります。

そして最高級品には、黒い帯に金色で『三神(さんしん)』と書いてあります。

 

【感想】

昨日ご紹介した三輪そうめんにも『グレード』がありましたが、揖保乃糸にも『グレード』があるんですネ。

最高級品は“三つの神様”と書いて、『三神』。

三輪そうめんの最高級品にも、『三輪の神杉』っていうのがありましたよネ。

“神様が宿るほど美味しい”とか“神に捧げる品物”という意味なんでしょうかねぇ。

こちらもぜひ食べてみたいですネ。

ひとくちに素麺って食べちゃうんですけど、グレードとかあまり考えたことがなかったので、

こんなに細かく分かれているんだなぁ・・・って思いますネ。

 

8/2(金)  『日本三大そうめん③ 小豆島そうめん』

『小豆島そうめん』は香川県の小豆島で、400年以上前から作られている手延べ素麺です。

小豆島の方が奈良県に立ち寄った際に、素麺の製造技術を学んで、島に持ち帰ったとされています。

小豆島は小麦の栽培に適した気候で、瀬戸内海で取れるお塩があり、

さらに素麺を作る時に使うゴマ油も豊富にあるなど、素麺づくりには最適な土地柄なのだそうです。

 

そんな『小豆島そうめん』ですが、一説には“一番伸びにくい素麺”といわれているそうなんですネ。

コシが強いんですが、かといって硬いというわけではなく、モチモチした食感が楽しめるのが特徴です。

そんな『小豆島そうめん』を代表するブランドが、

『小豆島手延素麺協同組合』さんが製造・販売している『島の光』です。

 

『三輪そうめん』や『播州そうめん・揖保乃糸』と同じように、『等級(グレード)』があります。

具体的には、『上級』の『赤帯』と『特級』の『黒帯』、そして“最高品質”とされる『金帯(きんおび)』です。

 

また小豆島といえば、オリーブが特産で有名ですが、

そんなオリーブの天然素材をたっぷりと練り込んだ『オリーブ素麺』というのもあるそうです。

 

【感想】

実は私のお店(羽田甚商店)では、小豆島のそうめんを取り扱っているんですが、

確かにモチモチして美味しいんですよネ。

この季節にはサッパリ、ツルツルとノドごしの良い冷たい素麺は美味しいですし、

冬にはあったかくして煮麺にしてもイイし、素麺は常備しておくと本当にイイなと思います。

とっさのお客様にも、サッと出せますしネ。

 

【今週の感想】

厳しい暑さが続くと、食欲が落ちてしまうことがありますが、

それでも“素麺なら食べられます”という方もいらっしゃいますよネ。素麺、本当に大好きです。

今回、『日本三大そうめん』をご紹介した時、“徳島の半田そうめんは入らないんだ”とか

“長崎の島原手延そうめんは?”といったコメントをいただきましたが、

それだけその土地によって、古くから素麺が作られて、長く愛されているんだなぁ・・・と思いました。

代々伝わる素麺文化、大切にしていきたいですネ。

 

【お知らせ① 次週(8/5~)からのテーマ】

“夏の風物詩”のひとつ、『盆踊り』についてです。

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

◆オープニング   ♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

◆エンディング    ♪To Be  /  モントルー

パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/