学校の行事の1つ、『遠足』についてです。
■今週(4/22~4/26)のテーマ:『遠足』
4/22(月) 『遠足とは』
『遠足』を辞書で調べますと、『学校行事の一環として、教師が生徒を引率して、
日帰り程度で校外に出かけること』とあります。
そんな遠足には、“自然とのふれあい”や“レクリエーション”、そして“身体を鍛える”といった目的があります。
遠足は漢字で、“遠い”に“足”と書きますよネ。
この言葉ですが、江戸時代には既にあって、“歩いて遠くまで行く”、“遠くまで足を延ばす”という意味で使われていたといわれています。
その後、時代が明治になると、教育制度が確立され、いくつかの小学校が合同で運動会を行うようになりました。
その際、“離れた小学校まで集団で歩いていくこと”を『遠足』と呼ぶようになり、
明治の中頃には“教育的意義を持つ学校行事”となったそうです。
このように遠足とは本来、“目的地まで歩いて行くこと”を指す言葉ですが、時代とともに交通機関が発達すると、
徒歩だけでなく、バスや電車を利用して、遠くまで出かけるようになりました。
遠足と同じように“校外で行う学校行事”の1つに、『校外学習』ってありますよネ。
遠足との違いですが、一般的には校外学習の場合、工場や施設などの“見学”や、
自然などの“観察”といったように“学習”が目的で、“授業の一環”という違いがあると考えられています。
【感想】
遠足と聞くと、今でもウキウキするのは私だけでしょうか。
みんなでバスに乗って、おやつ持って水筒持って行きましたよネ。
私のふるさとでは校外学習は、千葉県野田市のキッコーマンの醤油工場に行きましたねぇ。
お醤油がどうやって造られているのかを見学して、お醤油をお土産にもらった記憶があります。
筑波山にも行きました。遊びながら学習する貴重な体験、遠足ってイイですネ。
4/23(火) 『遠足の歴史』
現在のような“学び”を目的とした『遠足』の始まりは、1896年(明治29年)といわれています。
当時、東京の高等師範学校の先生だった、樋口勘次郎(ひぐち・かんじろう)さんが、
小学2年生を対象に、『飛鳥山遠足』というのを行いました。
飛鳥山とは、現在の東京・北区にある“桜の名所”として知られるところです。
この飛鳥山遠足とは、上野・不忍池(しのばずのいけ)をスタートして、ゴールの飛鳥山までの約6キロの道のりを歩く・・・というものでした。
“6キロ”って結構な距離ですが、樋口先生が事前に生徒たちに“本当に歩けるのですか?”と聞いたところ、
一斉に“歩けます!連れて行ってください”と声があがったそうです。
こうして飛鳥山遠足の開催が決まりましたが、それに向けて樋口先生はコースを何度も下見しました。
そして当日は生徒たちに地図を持たせ、それによって“地図の見方”や“地図上と実際の違い”などを学んだそうです。
それに加えて、途中にある田んぼや畑、工場や鉄道などを見学したり道端にある植物を観察したりしたそうです。
こうして生徒たちはこの遠足によって、農業や商業、工業、植物、地理など、たくさんの事柄を学んだそうです。
【感想】
6キロって、クルマでもなかなかの距離ですけど、先生が何度もルートを確認して、どんな学びがあるのか?
下見してくれたのが、今でいう遠足の始まりなんですネ。
本の中の勉強よりも実際に見て、ふれて、感じて、五感を使った学びのほうが身になりますよネ。
“目的地が学びの場”ではなく、“目的地までが学びの場”というのが、遠足の良いところなんですネ。
4/24(水) 『修学旅行①』
遠足と同じように、“学習活動の一環”として行われるものに『修学旅行』があります。
どちらも“集団的な校外活動”の1つですが、この2つの違いとして、一般的には“宿泊を伴うもの”を修学旅行としています。
“日本で最初の修学旅行”は1886年(明治19年)、
東京師範学校で行われた『長途遠足(ちょうと えんそく)』といわれています。
名前に“遠足”と付いていますが、11泊12日という日程で、
東京と千葉県・銚子を徒歩で往復したことから“修学旅行の始まり”とされています。
当時は“経済を発展させ、軍事力を強化する”という国の政策のもと、体を鍛えることも兼ねた遠足が行われていました。
その延長として行われたのが、この長途遠足だそうです。
この時、生徒たちは“ただ歩く”のではなく、その途中で遺跡を見学したり、
お天気を調べたり、天然の物質・鉱物などを観察したりしていたそうです。
このように修学旅行は“軍隊の訓練”に、“学びの要素”を加えて始まったもの・・・といえるのだそうです。
その後、時代とともに“体を鍛える”という目的が薄れていき、“学び”を目的とした現在の修学旅行の形になっていったそうです。
【感想】
修学旅行の始まりは、徒歩で往復11泊12日!
これはなんかもう楽しみよりも辛そうな訓練旅行ですネ。
私が修学旅行と聞くと、奈良・京都への日本の歴史を学ぶコースが一番最初に思い出します。
歴史を学ぶよりもお友達とお泊りをして、枕投げをした想い出が残ってますネ。
今は“枕投げ”なんて文化はないんでしょうネ。
4/25(木) 『修学旅行②』
明治時代の中頃に始まった修学旅行ですが、1958年(昭和33年)、大きな動きがありました。
それまで“課外活動”として扱われていたのが、“授業”と同じ位置付けになり、
それによって学校教育の中で『修学旅行』の地位が確立されたそうです。
それに合わせて普及していったのが、『修学旅行専用列車』です。
その名のとおり、修学旅行のための列車です。
その後、新幹線や飛行機が使われるようになり、修学旅行の交通手段も変化していきます。
そんな修学旅行ですが、2000年(平成12年)、『総合的な学習の時間』の導入で、大きな転機を迎えました。
それまでは“見学”が重視されていたのが、“体験”が重視されるようになりました。
それによって生徒自身で計画を立てたり、現地で何を体験するか決めたりできるようになりました。
さらに2020年度から『学習指導要領』が改訂され、教育課程に『探究的な学習』が取り入れられました。
これを“修学旅行の中にも求める学校”というのが増えたそうです。
またコロナ禍では、修学旅行が相次いで中止になる中、『VR・バーチャルリアリティ』の技術を使い、
行くはずだった現地の映像を見ながら、疑似体験できる修学旅行というも行われています。
【感想】
“見る”から“体験”へ・・・。
受け身より能動的な旅のほうが確かに学べますよネ。
私の子どもの頃は“日本国内の旅”というのが定番でしたけど、今は海外にも行くんですもんネ。
行く場所によってそれぞれ体験は違いますが、遠足は友達と行動を共にして、友情や発見、
そして感動が生まれる素晴らしい学習なんだと思います。
4/26(金) 『遠足の雑学』
“遠足に関する言い伝え”のひとつに、『おやつは300円まで』というのがあります。
それでも“いつ頃、誰が言い出したのか?”など、ハッキリしたことは分からないそうなんです。
一説には、“200円だと物足りないけど、500円だと多すぎるので、間をとって300円になった”といわれているそうです。
特に昭和の時代、今よりもお金の価値が高かったこともあり、“おやつに500円ももったいない!”という考えもあったそうです。
現在でも“おやつの金額”を決めている学校がある一方で、“金額の制限を決めず、
自分で判断して自分で食べられる量”というのに変更した学校もあるそうなんです。
さらに“学校でおやつを用意するので、持ってこないで”というところもあるそうです。
そしてここ数年、増えているのが、遠足などでのお友達との『おやつやお弁当の交換禁止』です。
これは“お子さんの食べもののアレルギー”に対応したものだそうです。
アレルギー反応によっては命にかかわることもあるため、禁止しているそうなんですネ。
最後に、これも“遠足の言い伝え”の1つですが、『バナナはおやつに入りますか?』。
これに対して、果物は“デザート”とカウントされるため、“おやつには入らない”という見方の方が多いそうです。
【感想】
“おやつ300円”、ありましたねぇ。あれも学びの一環ですよネ。
甘いものとしょっぱいもの、アメ、チョコ・・・。
“お金の計算”と“おやつの組み合わせ”、結構学べますよネ。
みんなが持ってきたおやつに興味津々でした。
みんなで行動すると、いつもは見えない友達の一面が見えたり、
大人になっても思い出すことがあったり、素敵な記憶の遠足です。
【今週の感想】
遠足、校外学習、修学旅行・・・。学生ならではの楽しみで、一生の想い出ですよネ。
同じ学校でも学年が違うと、行き先が全然違うんですよネ。
また同じ学年であっても学校が違うと、これもまた行った場所が違っていて、
その話で盛り上がったりできるのも、楽しみのひとつですよネ。
確かに時代とともに、遠足も校外学習も修学旅行も
私たちの頃とはスタイルが変わってきていますが、それでも“お友達と過ごす楽しい時間”というのは同じですよネ。
【お知らせ① 次週(4/29~)からのテーマ】
“名作”と呼ばれる映画には、素敵な音楽が流れています。
そこで『映画の音楽』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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