“階段の形をしていて、自動で人を運んでくれるもの”、『エスカレーター』についてです。
■今週(3/4~3/8)のテーマ:『エスカレーター』
3/4(月) 『エスカレーターとは』
『エスカレーター』という名前が初めて登場したのは1859年です。
名前の由来は、ラテン語で“階段”を意味する『スカラ(Scala)』と『エレベーター』を組み合わせて作ったとされています。
ところが、この『エスカレーター』という名前ですが、
アメリカの『オーチス・エレベーター』という会社が商標として登録したため、
しばらくの間、使うことができなかったそうなんです。
そのため日本では『自動階段』、『移動式階段』といった名前で呼ばれていたそうです。
その後、1950年になると、ようやく『エスカレーター』という名前は“一般の名称”として使われるようになりました。
エスカレーターで“人が乗るところ”のことを『踏段(ふみだん)』といいます。
この踏段の幅によって、1段に付き乗ることができる人数は『2人まで』、または『1人まで』と決められているそうです。
それ以上の人数、例えば3人で乗ろうとした場合、真ん中の人は手すりをつかむことができません。
エスカレーターの場合、“手すりをつかんで乗る”というのが、“安全な正しい乗り方”とされていますので、
安全面から3人以上は乗ることはできないそうです。
【感想】
子どもの頃、近所のスーパーのエスカレーターに乗るのが怖くて、母と手をつないで、
“せーの”って声をかけてもらって乗った記憶を、今でも鮮明に覚えています。
今ではいろんなタイプのエスカレーターがありますよネ。
途中、踊り場のように平らになる場所があったり、曲線を描くようなものもあったり・・・。
また人感センサーで、人が近づくと動き出すなんていうのも画期的ですよネ。
3/5(火) 『日本のエスカレーターの歴史』
日本で初めてエスカレーターがお披露目されたのは、1914年(大正3年)3月です。
場所は、東京・上野で開催された『東京大正博覧会』です。
『わが国最新の自動階段』という宣伝文句で、2つの会場を結ぶ連絡通路として設置されました。
エスカレーターの高さは推定で10mといわれ、秒速30cmほどで動いたそうです。
料金は10銭。
この時代、おそばが1杯4銭だったそうですから、2倍以上のお値段です。
そして同じ1914年には、東京・日本橋の三越呉服店、現在の日本橋三越本店さんに、
日本で初めての“常設のエスカレーター”が誕生しました。
建物の1階と2階を結び、1分間で約60人ものお客さんを運ぶことができたそうです。
このエスカレーターですが、1923年、関東大震災によって建物とともに、火災で失われてしまいました。
ちなみに、“日本で初めての電動式エレベーター”が設置された
浅草の展望用の建物『凌雲閣(りょううんかく)』も関東大震災が原因で取り壊されたそうです。
奇しくも同じ年に、“日本初のエレベーターとエスカレーター”が失われたことになります。
【感想】
1923年の関東大震災によって、日本初のエレベーターもエスカレーターもなくなってしまったんですネ。
“時代の変わり目”というのは、そういうことなのかも知れませんネ。
でも初めて見た人、乗った人は時代の先端を行くこの乗り物、画期的だったでしょうネ。
今は“あって当たり前”の乗り物になっているエスカレーターです。
3/6(水) 『エスカレーターの速さ』
エスカレーターの速さは法律で定められています。
その基準ですが、エスカレーターの角度によって異なります。
具体的には、『角度が8度までの場合、分速50m(時速3キロ)以下』。
『30度までの場合、分速45m(時速2.7キロ)以下』。
そして『35度までの場合、分速30m(時速1.8キロ)以下』です。
ちなみに、『角度が8度まで』というエスカレーターとは、いわゆる『動く歩道』のことだそうです。
また、『日本エレベーター協会』さんによりますと、駅や商業施設などにあるエスカレーターの速さは、
『分速30m(時速1.8キロ)』が標準だそうです。
その一方で“速いなぁ”、“ゆっくりだなぁ”って感じるエスカレーターってありますよネ。
実際、場所や時間帯によっては、標準よりも速くしたり、逆に遅くしたりしているところがあるそうなんです。
“速い”と感じるエスカレーターの場合、速さは『分速40m(時速2.4キロ)』、
“遅い”と感じるエスカレーターの場合、『分速20m(時速1.2キロ)前後』が多いそうです。
遅くしている理由ですが、高齢者の方の転倒事故を防ぐためで、
特に利用者が多い施設や医療機関によく見られるそうです。
【感想】
エスカレーターの速さって、法律があったんですネ。
私はデパートなどでは、エレベーターで一気に目的の階に行くよりも、エスカレーターに乗って、
それぞれの階の雰囲気を見ながら行くのが好きですネ。
あれもきっと、ちょうど良い速さに調節してくれてるんですよネ。
しかし、それにしても“動く階段”って、すごい発明ですよネ。
3/7(木) 『エスカレーターの豆知識』
“世界一短いエスカレーター”として、1991年にギネスブックに登録されたエスカレーターがあります。
これは神奈川県川崎市にあります『川崎モアーズ』の地下2階にあるエスカレーターで、その名も『プチカレーター』です。
誕生したのは1989年(平成元年)。
エスカレーターに乗っている時間は8秒。
段の数はわずか5段で、高低差は83.4cmです。
この短いエスカレーターが誕生した理由ですが、1986年に地下商業施設『川崎アゼリア』が開業した際、
『モアーズ』との連絡通路を造ろうとしたそうなんですネ。
ところが『アゼリア』の地下通路が、『モアーズ』の地下1階と2階の間にあったため、
その段差を解消するために、エスカレーターが設置されたそうです。
逆に、“世界一長いエスカレーター”といわれているのは、香港にあります『ヒルサイド・エスカレーター』です。
高低差は135m、全長約800mもありますが、但し、これは“エスカレーター単体の長さ”ではなく、
20を超える数のエスカレーターを“合計した長さ”なのだそうです。
全部利用すると約23分かかるそうです。
ちなみに、“単体で世界一長いエスカレーター”は諸説ありますが、
一説には、ロシア・モスクワの地下鉄、『パールク・パベーディ駅』のエスカレーターで、長さは約130mだそうです。
【感想】
世界一短いエスカレーター、『プチカレーター』が川崎にあるんですネ。
写真を見ますと、本当に短くて可愛いんです。
23分かかる、世界一長いエスカレーターも乗ってみたいですネ。
3/8(金) 『エスカレーターの利用』
エスカレーターの利用について、『日本エレベーター協会』さんでは、
『歩いたり走ったりせずに、立ち止まって利用ください。』と呼びかけています。
その理由ですが、『バランスを崩して転倒したり、混雑時は他の利用者を
巻き込んだりして、大きな事故を引き起こすことがあります。』としています。
さらに『ケガをしている人、体の不自由な人のためにも、片側歩行はおやめください。
片方の移動手すりにしか、つかまることのできない方もいます。』と、
“急いでいる人のための片側空け”は危険であることを伝えています。
実際、“エスカレーターの事故”で最も多いのは『転倒』で、
その原因の多くが『歩いていてバランスを崩した』ですとか、『人との接触』といわれています。
こうした状況を受けて、2021年には埼玉県が全国で初めて『エスカレーター歩行禁止条例』を定めました。
愛知県名古屋市でも去年10月から『エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例』を定めて、
『立ち止まっての利用』を義務化しています。
また各交通機関なども、『エスカレーターでは歩かないでください』と呼びかけています。
エスカレーターはそもそも、“歩くこと”を想定して造られてはいないそうなんです。
他の人に迷惑をかけないためにも、“安全な乗り方”というのが求められています。
【感想】
そうですよネ。片側だけ空けているとバランスが悪くて、
機械自体への負担もありそうですし、右側がイイ人、左側がイイ人、それぞれ理由もありますからネ。
正しい乗り方に変えていきましょうネ。
【今週の感想】
エスカレーター、本当に便利ですよネ。
これを発明された方って、本当にすごいですよネ!
番組でもお話しましたが、私はエレベーターよりもエスカレーター派です。
子どもの頃、エスカレーターに乗るのが怖かった私からしたら、すごい進歩だと思いません?(笑)
これからもエスカレーターに感謝しながら、利用したいと思います。
【追伸】
能登半島地震発生から2ヶ月が過ぎました。被害に遭われた皆さまには、引き続きお見舞い申し上げます。
まだ避難生活を強いられている方がいらっしゃったり、
断水が続いているところがあったりと、まだまだ不安な気持ちが大きいかと思いますが、
どうかどうか、皆さまの苦しみや恐怖が去り、笑顔になれる日が早く来ますように・・・。
そして1日も早く、平穏な日常に戻られることを心よりお祈り申し上げます。
【お知らせ① 次週(3/11~)からのテーマ】
神社やお寺の門前町で親しまれている、名物のお菓子『門前菓子』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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