“冷たい食べ物”の代表、『かき氷』についてです。
■今週(7/10~7/14)のテーマ:『かき氷』
7/10(月) 『かき氷の歴史』
今でこそかき氷は季節に関係なく、1年中食べることができますが、
古くから“夏の風物詩”とされています。
紀元前の時代から、氷は“食べ物の保存用”、
さらに“食用”として利用されてきたそうです。
そんな氷を細かく削って食べるかき氷ですが、平安時代に
清少納言さんが書かれた随筆『枕草子』に、かき氷とされるものが
登場しているそうです。
そこには『あてなるもの(上品なもの)』として、
『削った氷に“甘葛(あまづら)”と呼ばれる植物から作られる
甘味料をかけたもの』を挙げています。
この当時、冬になると、山などから天然の氷を運んできて、
『氷室(ひむろ)』と呼ばれるところに保管していました。
その氷を夏になると都まで運ぶという、とても貴重なものでした。
また当時、甘葛やハチミツ、水あめといった甘味料も
高貴な身分の人しかクチにすることができない、貴重な食材でした。
ですから、“削った氷に甘味料をかけたもの”というのは、
貴族の中でも限られた人だけが食べることができた、
まさに『あてなるもの』だったそうです。
【感想】
暑~い夏、氷を見ただけでも涼しい気持ちになり、
クチに入れると体温が下がり、一気に涼しくしてくれる
とてもおいしいスイーツですよネ。
昔は貴族の中でも、ごく一部の人しかクチにできなかったんですネ。
今は私たち一般の人でも、手軽にかき氷が食べられて幸せですよネ。
かき氷はまさに夢がある、夏の食べ物の代表ですネ。
7/11(火) 『かき氷の豆知識①』
古くから“夏の暑い時期に氷を食べる”という習慣はありましたが、
天然の氷を運び出して作るかき氷は、とっても高価なもので、
食べることができたのは、ごく限られた人だけでした。
そんなかき氷が庶民の間でも広まるようになったのは、
時代が明治以降になってからです。
氷を人工的に作る技術が発達し、さらに“氷を刃で削っていく機械”、
『氷削機(ひょうさくき)』が誕生したことで、やがてかき氷は
身近な存在となっていきます。
この機械ですが、氷を刃で固定して、ハンドルをグルグル回しながら
削っていくもので、写真を見てみますと、
今でも使われているかき氷機と、ほとんど変わらない仕組みです。
それでも昭和の戦後の頃まで、“かき氷はお店で食べるもの”という
イメージでしたが、その後、電気冷蔵庫が普及するようになると、
ご家庭でも手軽に作れるかき氷機が次々と誕生していきます。
さらに、お子さんでも安心してかき氷が作れるように、
安全性に考慮し、見た目も可愛いかき氷機が次々と登場します。
例えば、1975年に『アサヒ玩具』さんから発売された
『氷かき ぺんぎんちゃん』。
ペンギンの形をしていて、胸のところからかき氷が出てきます。
他にも、1978年に『タイガー魔法瓶』さんから発売された『きょろちゃん』。
こちらはクマの形をしていて、ハンドルの回転に合わせて、
お目目がキョロキョロと愛らしく動いて、氷を削っていきます。
【感想】
『ぺんぎんちゃん』とか、『きょろちゃん』、とか
本当になつかしいですネ。
これ、いとこの家にあって、よくごちそうになりました。
私の家にも、もっとシンプルなものがあって、
おばあちゃんがよく食べていた記憶です。
イチゴシロップとかレモンシロップとか、ブルーハワイとか。
作るのも楽しいし、かき氷機、今年買ってみようかな。
7/12(水) 『かき氷の豆知識②』
同じかき氷でも、“ガリガリ・ザクザクした食感のもの”と
専門店のかき氷のように“ふわふわしたもの”がありますよネ。
“ガリガリ・ザクザクのかき氷”の場合、氷の粒が大きいのに対して
“ふわふわかき氷”の場合、氷が薄く削られています。
まるで鰹節のように薄く削ることで、クチに入れた瞬間、
すぐに溶けて、ふわふわした食感になるそうなんですネ。
そんな“ふわふわかき氷”ですが、今は“ふわふわかき氷機”というのが
いくつも登場していて、ご家庭でも手軽に作れるようになりました。
それがなくても、“ふわふわかき氷”を作るためのポイントというのが
あるそうなんですネ。
例えば、『空気などの不純物を含まない、キレイな透明な氷を使うこと』。
そのためにも、『冷凍庫で氷を作る際には“柔らかいお水”軟水の
ミネラルウォーターを使うと良い』そうです。
そして、冷凍庫の温度は天然の氷が“凍る温度”よりも
一般的にはだいぶ低いそうなんですネ。
・・・かといって、そのためだけに冷凍庫の設定温度を
変えるわけにもいきませんので、その場合、
『製氷カップに、乾いたタオルを巻きつけて冷やす』と良いそうなんです。
そうすることで、冷凍庫でもゆっくりと凍っていくため、
透明度の高い氷を作ることができて、削った時に
より“ふわふわ”になるそうです。
また氷は冷凍庫から出してからすぐに削らず、
少し置いて、表面を溶かしてから削ると良いそうです。
【感想】
なるほど。
柔らかい軟水のミネラルウォーターで、
氷を作るカップに乾いたタオルを巻きつけて、
少し溶かしてから削る・・・。
この3つのポイントが大切ですネ。
ぜひ皆さんもやってみてはいかがでしょうか。。
7/13(木) 『かき氷の豆知識③』
昭和の戦前まで、“かき氷にかけるもの”といえば、
お砂糖かお砂糖の蜜、もしくは小豆の餡というのが、
定番メニューだったそうです。
ちなみに、お砂糖をかけたものは『雪』、
お砂糖の蜜をかけたものは『みぞれ』、
そして、小豆の餡をのせたものは『金時』という名前があります。
その後、戦後になると、“かき氷専用シロップ”が登場します。
その中でも昭和40年代、電気冷蔵庫の普及とともに、
“かき氷ブーム”が起き、それをキッカケに広く認知されたのが
明治屋さんの『マイシロップ』です。
・・・確かに私も子どもの頃、大変お世話になりました。
特に好きだったシロップはイチゴ、レモン、ブルーハワイだったかな。
そして今では、かき氷のバリエーションはとっても豊富で、
見た目にも“インスタ映え”するものがいくつもありますよネ。
また鹿児島県の『しろくま』のように、郷土名物になっている
かき氷もあります。
そんな中、山形県の山辺町(やまのべまち)には、
『すだまり氷』というかき氷があります。
『すだまり』とは『酢醬油』のことで、いちごシロップなどのかき氷に
酢だまりをかけたものが、『すだまり氷』なんだそうですネ。
酢醤油をかけることで、後味サッパリのかき氷になるそうです。
この地域では、明治の終わり頃から食べられてきた
伝統の味なんだそうですよ。
【感想】
酢醤油、想像すると“甘酸っぱいスモモ”のような感じになるんですかネ。
私の祖母は、梅酒をかけて食べるのが好きでしたネ。
とっても美味しそうに食べているのを、横で見ていた記憶があります。
いろんな食べ方、全国にありそうですネ。
7/14(金) 『かき氷の雑学』
7月25日は『かき氷の日』です。
これは『一般社団法人 日本かき氷協会』さんが定めたもので、
“この日は『日本かき氷協会』に参加している、かき氷店に行って
かき氷を食べましょう!“と呼びかけているそうです。
7月25日が『かき氷の日』となった由来ですが、
古くからかき氷は俳句などでは、『夏氷(なつごおり)』と呼ばれ、
夏の季語にもなっているそうです。
そこで数字の『7』、『2』、『5』を、『な(7)つ(2)ご(5)おり』と読む語呂合わせ。
さらに1933年(昭和8年)のこの日、山形県山形市で
“当時の日本の最高気温”『40.8℃』を記録したことにちなんで、
“かき氷を食べるのにふさわしい日”ということで、
7月25日が『かき氷の日』に選ばれたそうです。
ちなみに、かき氷屋さんに『氷』と書かれた旗がありますよネ。
この旗のことを『氷旗(こおりばた)』といいます。
明治時代、氷が一般的に発売されるようになりましたが、中には
“衛生的に問題がある粗悪な氷”というのもあったそうなんですネ。
そこで検査をやって、それに合格した業者さんには
“営業許可の記”として、旗を掲げることが義務付けられたそうなんです。
当時は『氷』の文字の他に、『氷の生産地』などが書かれていて、
これが現在の『氷旗』のルーツだそうです。
【感想】
この氷旗のデザイン、ホントに素敵。大好きです。
あの旗がハタハタと風に揺れていると、
夏を感じますしネ。
暑い夏、かき氷を食べて、少しでも涼やかに過ごしましょうネ。
【今週の感想】
厳しい暑さが続く中、かき氷の冷たさが身に染みますネ。
昔はとても貴重だった氷を、今は手軽に食べることができて、
本当に幸せです。
かき氷の中には、“高級スイーツ”と呼ばれるくらい、
見た目も食材も、お値段も(汗)豪華なかき氷ってありますよネ。
ふわふわでとっても美味しいですが、子どもの頃によく食べた
ガリガリのかき氷もなつかしく感じます。
かき氷には皆さん、いろいろな想い出があるんじゃないでしょうか。
【お知らせ① 次週(7/17~)からのテーマ】
“夏だけでなく、1年中、泳ぐことができるところ”
『プール』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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