入浴の際、お湯に入れる『入浴剤』についてです。
■今週(1/23~1/27)のテーマ:『入浴剤』
1/23(月) 『入浴剤の成り立ち』
日本は世界でも有数の温泉国です。
そのため古くから人々は湧き出る天然の温泉を、病気やケガの治療や
健康のために利用してきました。
そして同じく治療や健康のために使っている、薬用の植物・薬草を
お風呂に入れたのが、薬湯です。
『端午の節句』の『菖蒲湯』ですとか、
『冬至』の『柚子湯』も薬湯の1つとされ、今も受け継がれています
こうした薬湯と結びついて誕生したのが、入浴剤です。
明治時代、生薬を配合して、それを布の袋に入れて
煎じ出して使う商品が作られました。
その後、様々な効能を持つ温泉を、
ご家庭でも簡単に楽しめたら・・・という思いから、
天然の温泉成分が固まったもの、『湯の花』が入浴剤として
使われるようなりました。
昭和初期になると、温泉の成分を分析し、その中でも
特に効能にすぐれ、品質が安定している成分を選び出し、
それを原料とした入浴剤が開発されました。
このタイプの入浴剤は現在、もっとも一般的とされています。
さらに、入浴が楽しくなり、リラックスできるように・・・と、
色素や香料が加えられるようになりました。
その後も入浴剤は進化を続け、現在では入浴の際に欠かせないものと
なっています。
【感想】
お風呂が大好きな私にとって、
毎日の入浴剤選びは、最高のリラックスタイムです。
アロマを入れたり、塩風呂にしたり、酵素を入れたり、
自宅で何種類もの入浴剤を揃えています。
お肌もツルツルになりますし、
この時期は乾燥からも守ってもらえますよネ。
1/24(火) 『入浴剤の種類』
入浴剤には、お湯に浸かることによって、身体を温めたり
痛みを和らげるといった『温浴効果』。
そして、身体の汚れを落として皮膚をキレイにする『清浄効果』。
基本的に、この2つの効果を高める働きがあります。
同じ入浴剤でも、含まれている成分などの違いによって、
6つのタイプに分けられます。
簡単にご紹介しますと、1つめは『無機塩類系』。
市販されている入浴剤の中で、最も一般的で、
特に保温効果にすぐれています。
2つめは『炭酸ガス系』。
炭酸ガスの働きで、特に血液の流れを良くする効果があるとされています。
3つめは『薬用植物系』。
古くから薬用として利用されている様々な植物の生薬が
配合された入浴剤で、使われる生薬によって効能が違います。
4つめは『酵素系』
タンパク質を分解する働きがある酵素が含まれている入浴剤で、
お肌に刺激を与えずに、汚れを落とす働きがあるとされています。
5つめは『清涼系』。
“クール”と表示されている入浴剤で、夏場などサッパリしたい時に
よく利用されています。
そして6つめは、『スキンケア系』。保湿効果にすぐれた入浴剤です。
【感想】
入浴剤は、6つのタイプに分かれるわけですネ。
今の私には炭酸ガス系が必要ですネ。
理由は血流を良くしたいからですネ。
クール系なんですけども、去年の冬に間違えて入れちゃったんですネ。
そしたら本当に寒くて寒くて、震え上がってしまって・・・(涙)
クールっていうのは、本当にクールだったんですネ。
ここを皆さん、間違えないでくださいネ。
1/25(水) 『入浴剤の歴史①』
1897年(明治30年)、日本で初めての入浴剤
『中将湯(ちゅうじょうとう)』が、当時の『津村順天堂』、
現在の『株式会社ツムラ』さんから発売されました。
中将湯は、もともとは創業者の津村重舎(つむら・じゅうしゃ)さんの
母方のご実家に古くから伝わる、“ご婦人用のお薬”の名前です。
ある時、津村さんは社員の方から、“中将湯を作った時に出る、
生薬の残留物を自宅のお風呂に入れたところ、
夏はあせもによく効き、冬は温泉のように体が温まりました”という
報告を受けました。
それを聞いた津村さんは、すぐにこれを入浴剤として製品化し、
銭湯に売り込んだところ、大変な人気となったそうです。
ちなみに、この中将湯の名前は、奈良時代、
貴族の家に生まれた中将姫(ちゅうじょうひめ)から
付けられたものだそうです。
中将姫は継母から家を追われ、最終的に出家し、
そこで得た薬草の知識を、自分の身を守ってくれた
藤村家の方々に伝えました。
それ以降、藤村家では代々、薬草の処方が受け継がれていきますが、
津村重舎さんの母方のご実家というのが、
この藤村家なんだそうです。
そして、このお薬の中将湯のパッケージには、
中将姫が描かれていて、『株式会社ツムラ』さんになった今も
メモリアルマークとして使われています。
【感想】
中将姫をいじめた継母は、きっと大変反省したと思いますが、
助けた藤村家の子孫の方が繫栄するという、
やはり“人を大切にしないといけない”という教訓がありますよネ。
1/26(木) 『入浴剤の歴史②』
1897年(明治30年)、日本で初めての入浴剤
『中将湯(ちゅうじょうとう)』が、現在の『株式会社ツムラ』さんから
発売され、銭湯で大変な人気となりました。
ある時、創業者の津村重舎(つむら・じゅうしゃ)さんは、銭湯の方からの
“中将湯はよく温まるんですが、夏は湯上がりの汗が
引かなくて困るんです“という声を耳にします。
そこで津村さんは大学教授の方と、お風呂上がりに
体がスーッとするような香りと成分を、共同で研究しました。
そして1930年(昭和5年)、お湯に入れると緑色になり、
さわやかな松葉の香りがする、まったく新しい“夏用の入浴剤”を
開発し、発売しました。この入浴剤の名前が『バスクリン』です。
その後、時代が平成・令和に変わっていく中、パッケージや香り、
効能など、様々な進化をとげ、今も愛されています。
同じように昭和の初め頃、利用されていたのが
ドイツ生まれの薬用入浴剤『ノボピン』です。
松の葉をモチーフにした入浴剤で、当時のドイツでは、
“さわやかな松葉の香りは、気分をリラックスさせてくれる”として、
入浴剤に使われていたそうです。
当時は舶来品でしたが、現在は和歌山県にあります、
入浴剤や蚊取り線香の製造や販売の会社
『紀陽除虫菊(きよう じょちゅうぎく)』さんが、
『ノボピン薬用入浴剤 松の精』の名前で生産しています。
【感想】
確か私の初体験の入浴剤は、『バスクリン』だったと思うんですネ。
お風呂に色が付いて、香りが良くて、
“わぁ~楽しい”っていう思い出がありますネ。
1/27(金) 『入浴剤の歴史③』
1983年(昭和58年)、“世界で初めての炭酸ガス入りの入浴剤”
『花王』さんの『バブ』が誕生し、入浴剤の歴史に新たな1ページを
刻みました。
『バブ』の誕生は、医薬品の研究員の方が、
たまたま『炭酸泉の効用』についての論文を読んだことが
キッカケだそうです。
『炭酸泉』とは、炭酸ガス(二酸化炭素)が溶け込んだお湯ですが、
その論文には、『炭酸ガスが皮膚から吸収され、血行が促進されて
健康に良い』と書かれていたそうです。
そこで、“この仕組みを入浴剤に活かせないか”ということで
開発が始まったそうです。
それでも当時、“炭酸泉って本当に効果があるの?”という声が
社内にあったそうなんですネ。
そこで研究員の方々は、それを証明するために、
上層部の方々の目の前で実験を行いました。
用意したのは『さら湯』と、『炭酸ガスを溶かして入れたお湯』が
それぞれ入った2つのビーカー。
そこに、左右それぞれの手をつけたところ
“炭酸ガスを溶かしたお湯に入れた手”は、赤くなったそうです。
それを見て、上層部の方々は炭酸泉の効果を納得して、
発売に踏み切ったそうです。
【感想】
バブも大好き!
個包装になっているので、持ち運びしやすくて、
泊りがけのお仕事の時にも本当に便利なんですよネ。
お風呂に入れると、シュワ~!プクプクプク!って泡が上がってきて、
泡に痛いところをあてると、それもまた気持ちイイんですよネ。
入浴剤って本当にありがたいものですネ。
【今週の感想】
今週は記録的な寒波の影響で、厳しい寒さが続いていますが、
皆さま、体調はいかがでしょうか。
そんな寒さ厳しい時期に、偶然にも『入浴剤』がテーマで、
改めて入浴剤のおかげで、入浴が楽しくなっていることを実感しています。
当たり前のように使っている入浴剤ですが、
その誕生の裏には様々な努力があったんですネ。
入浴剤を開発してくださって、本当に感謝しています。
まだまだ厳しい寒さが続きそうですので、
皆さま、どうぞご自愛くださいませ。
【お知らせ① 次週(1/30~)からのテーマ】
お子さんから年配の方まで、幅広い層に人気がある料理の1つ
『餃子』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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