パチパチと弾けるようなクチ当たりと、
爽快感のあるのど越しが特徴の飲み物、『炭酸水』についてです。
■今週(7/25~7/29)のテーマ:『炭酸水』
7/25(月) 『炭酸水とは』
そもそも炭酸水とは何でしょうか?
炭酸とは炭酸ガス・二酸化炭素のことで、
この炭酸ガスが水に溶け込んだものが、炭酸水です。
『発泡水』とも呼ばれていますが、シュワシュワとしたきめ細かい泡は、
水に溶けきれなかった炭酸ガスが気体になったものです。
この泡が、クチに入った時の爽快感をもたらしてくれます。
そして『炭酸飲料』とは、炭酸ガスを含んだ清涼飲料水のことです。
『JAS(ジャス)日本農林規格(にほんのうりんきかく)』では、
『飲み水として適した水に、炭酸ガスを圧力を加えながら入れたもの。
さらに、これに甘味料や酸味料、香りや味をつける
フレーバリングなどを加えたもの』と定められています。
このように炭酸飲料には、圧力をかけられた炭酸ガスが
詰め込まれていますので、フタを開けた瞬間、
この炭酸ガスが空気中に出ていくことで、泡になります。
炭酸水には、『天然炭酸水』と『人工炭酸水』の2つの種類があります
天然炭酸水は“自然に湧き出た二酸化炭素を含んだ水”のことです。
天然の状態で発泡しています。
それに対して人工炭酸水は、“人工的に作り出された炭酸水”のことです。
人工的ですので、炭酸の強さを調整できるのが特徴です。
そして同じ炭酸水でも、“柔らかい水・軟水”や
“硬い水・硬水”といったように、使われている水の種類によって、
味やクチ当たりが微妙に変わってきます。
【感想】
この季節、炭酸水、本当に美味しいですよネ。
飲みたくなりませんか?
7/26(火) 『炭酸水の歴史』
はるか昔から、炭酸ガスを含んだ水・鉱泉(こうせん)が
地中から湧き出ていたそうです。
紀元前の古代ローマ時代、人々はこの鉱泉を健康や医療のために
飲んでいたと考えられています。
このように古くから炭酸水は存在していますが、
『世界で最初に炭酸飲料を作ったのは、
古代エジプトの女王・クレオパトラ』という伝説があるそうです。
その理由ですが、クレオパトラは美容と不老長寿のために、
“ブドウ酒に真珠を入れたもの”をよく飲んでいたそうなんですネ。
真珠の主な成分は炭酸カルシウムですが、
炭酸カルシウムは酸に溶けると、炭酸ガスを発生します。
そういったことから、クレオパトラが飲んでいたのは、
“現在のスパークリングワインに似た飲み物では?”と考えられていて、
そこから『クレオパトラが世界で最初に炭酸飲料を作った』という伝説が
生まれたといわれています。
その後、月日は流れ、1772年。
イギリスの化学者、ジョセフ・プリーストリーさんは、
“効率的に炭酸水を作る方法”を発明しました。
この発明をキッカケに、1776年にはスウェーデンで、
炭酸飲料の商業的な生産が始まります。
当初は炭酸水を、陶器や磁器の瓶に詰めていましたが、
次第にガラス瓶に代わっていったそうです。
【感想】
さすがクレオパトラさんですネ。
炭酸シャンプーとか炭酸風呂などは、今でこそよく使われていたり、
当たり前になってきましたが、
この時代にその基礎があったんですネ。
私は入浴剤に炭酸ガスが入ったものが好きですネ。
7/27(水) 『日本の炭酸水の歴史』
ヨーロッパで誕生した炭酸水の製造方法ですが、19世紀になると、
アメリカに伝わっていきます。
そして1808年、アメリカの薬剤師、タウンゼント・スピークマンさんが
“炭酸水を果汁で味付けしたもの”を発売しました。
これが“現在の炭酸飲料の元祖”といわれています。
日本では7世紀の終わり頃の『日本(にほん)書紀』に、
『山に湧き出た、炭酸水と思われるものを飲んで、
病が治った人がたくさんいた』と書かれてあるそうです。
このように日本でも、はるか昔から炭酸水が湧き出ていたと考えられていますが、
人工的な炭酸飲料が初めて伝わってきたのは、
江戸時代の終わりの1853年です。
アメリカのペリー提督が艦隊を率いて、
現在の神奈川県浦賀にやって来た時、飲料水の1つとして
船に『炭酸レモネード』が積んであったそうです。
それを幕府の役人に飲ませたのが、
“日本の炭酸飲料の第1号”といわれています。
この炭酸レモネードですが、実は“ラムネの原型”で、
『ラムネ』という名前は、“レモネードがなまったもの”と
いわれているそうです。
ところで、『ラムネ』とよく似た炭酸飲料に『サイダー』がありますよネ
この違いは、“ビー玉入りの瓶”に入っているのがラムネ、
“それ以外”はサイダーで、中味の違いはないそうです。
【感想】
ビー玉入りのラムネはもう、夏の風物詩ですよネ。
ビー玉がカラカラって音がして、あれがすごく涼しげで・・・
でもあれがフタになってしまうと、ラムネが入ってこないので、
瓶の角度が大切なんですよネ。
私、子どもの頃は黒い缶に水玉の模様のレモンスカッシュが
大好きだったなぁ~と記憶しています。
7/28(木) 『炭酸水の雑学』
幕末にレモネードが日本に伝わり、それがやがて『ラムネ』と
呼ばれるようになりました。
ラムネといえば、あの独特の“ビー玉の栓の瓶”が特徴ですが、
当初はコルクの栓が使われていたそうです。
ところが、コルクの栓は値段が高かったのと、
時間が経つと炭酸が抜けてしまう・・・という欠点がありました。
そこで発明されたのが、“ビー玉の栓の瓶”ですが、
これを発明したのはイギリス人のハイラム・コッドさんで、
その名前から『コッドビン』と名付けられたそうです。
日本ではこの『コッドビン』をイギリスから輸入して使っていましたが、
その後、独自の国産のラムネ瓶が作られるようになりました。
ラムネと同じように、古くから親しまれているのが『サイダー』です。
サイダーの語源はフランス語の『シードル(Cidre)』で、
これを英語読みしたのが『サイダー』です。
但しシードルは、“リンゴからつくられたスパークリングのお酒”のことで、
同じ炭酸飲料でも、私たちがイメージするものとは違うんですネ。
”透明な甘い炭酸飲料”を意味する言葉として、
『サイダー』という名前が使われるようになったのは、一説には
現在の『三ツ矢サイダー』さんだといわれています。
サイダーの製造と販売を始めた際、『サイダーフレーバーエッセンス』という
香料を使っていることと、『サイダー』という名前の響きが
覚えやすかったことから・・・だそうです。
【感想】
『三ツ矢サイダー』って、すっごくいいネーミングですよネ。
シュワシュワとしたイメージ、夏のイメージ。
『三ツ矢サイダー』は秀逸の名前ですネ。
サイダーにジンジャーエール、レモンスカッシュ、
メロンソーダ、ドクターペッパー、ファンタ・・・
子どもの頃大好きだった炭酸のラインナップです。
皆さんは何を一番に思い出しますか?
7/29(金) 『強炭酸水』
ここ数年、より強い刺激を求めて、従来の炭酸水よりも
炭酸を強めた『強炭酸水』が人気を集めています。
そんな強炭酸水の代表的な存在が『ウィルキンソン タンサン』です。
現在は『アサヒ飲料』さんのトップブランドとして知られていますが、
ウィルキンソンとは明治の初めに日本に来た、
イギリス人のジョン・クリフォード・ウィルキンソンさんのことです。
ウィルキンソンさんは1889年(明治22年)頃、兵庫県宝塚で、
天然の炭酸の湧き水を発見しました。
それを分析した結果、飲料用として世界的にも
とても優れていることが分かったんです。
そこでウィルキンソンさんは、この炭酸水を瓶詰めして、
『TAKARADZUKA MINERAL WATER(宝塚ミネラルウォーター)』の名前で
発売しました。
その後、1904年には、『ウヰ(イ)ルキンソン タンサン』に
名前が改められました。
これを聴いてお分かりかと思いますが、『ウィルキンソン タンサン』は
日本で生まれたものなんです。
そして、炭酸飲料が『タンサン』と呼ばれるようになったのは、
『ウィルキンソン』という商標が一般化したため・・・と
いわれているそうです。
【感想】
私が最初に炭酸水を飲んだのはハワイだったんですけども、
“飲んでみる?”って言われて、いただいて飲んだ時、
“何これ!まずい!”と思ったんですネ。(笑)
でも、なにかこう続けるうちに、おいしくなって、
今では“こんな最高においしいものはない”っていう風になってきたのが
不思議なんですよネ。
この夏もだいぶ炭酸水のお世話になっています。
シュワシュワ、ピリピリ・・・
あの泡が運ぶ透明感というか、夢のような時間がホントに
私たちに清涼感を与えてくれますよネ。
■今週の感想
今回、『炭酸水』をテーマにさせていただいたところ、
結構反響があったそうで・・・
それだけ皆さん、よく飲んでいる身近な飲み物ということなんですネ。
以前は“炭酸水=お酒などを割るもの”というイメージでしたが、
今ではそのまま飲む方が増えているみたいですしネ。
また、ひとクチに炭酸飲料水っていっても、
人それぞれ好みが違いますしネ。
“思い出の炭酸飲料水”とか、“今好きな炭酸飲料水”という話題で
結構盛り上がるかもしれませんネ。
この夏も本当にお世話になっています。
【お知らせ① 次週(8/1~)からのテーマ】
夏を代表する果物の1つに、『桃』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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