古くから日本にある“季節の移り変わりを表わす言葉”の1つ
『土用』についてです。
■今週(7/18~7/22)のテーマ:『土用』
7/18(月) 『土用とは』
そもそも、『土用』とは何でしょうか?
これは『1年のうちの、ある期間をあらわす言葉』で、
『立春』、『立夏』、『立秋』、『立冬』の前の、
それぞれ約18日間のことを指しています。
“約”と付いているのは、
その年によって変わることがあるからです。
土用は古代中国で生まれた、『五行説』という思想に由来しています。
五行説とは、『自然界のすべてのものは、
木、火、土、金、水(もく・か・ど・こん・すい)の5つの要素で
成り立っている』という考え方です。
この5つの要素を、春夏秋冬の4つの季節にあてはめたところ、
春は『木』、夏は『火』、秋は『金』、冬は『水』となりました。
そうなると、『土』が残ってしまいますよネ。
そこで『土』を4つの季節に振り分けて、
それぞれの季節の終わりの約18日間を、
『土用』と呼ぶようになりました。
“土用=夏”というイメージがあるかと思いますが、
実際は“1年間に4回”ということになります。
【感想】
私もこのことを、数年前に知ったんですよネ。
それまでは“土用の丑の日にはウナギを食べる”という
夏のイメージしかなかったんですよネ。
土用は1年に4回めぐってきて、
そこをどう過ごしたらイイか?ポイントがあるそうです。
7/19(火) 『土用の豆知識』
『土用』とは、季節の変わり目である『立春』、『立夏』、『立秋』、
『立冬』の前のそれぞれ約18日間を指しています。
今年2022年の『冬の土用』と『春の土用』は過ぎてしまいましたので
『夏の土用』と『秋の土用』がいつなのでしょうか?
今年の『立秋』は8月7日ですので、『夏の土用』は
7月20日から8月6日になります。
そして、今年の『立冬』は11月7日ですので、『秋の土用』は
10月20日から11月6日になります。
また古くからの言い伝えで、
“土用の期間中にやってはいけないこと”というのがあるそうなんですネ。
例えば土いじりや草むしり、家を建てるといった
“土に関すること”です。
これは土用の期間中は、土の神様が土の中にいらっしゃるので、
土をいじられることを嫌がっているから・・・だそうです。
でも、この言い伝えは、土用の頃は季節の変わり目で、
屋外で土に関する作業をすると、体調を崩しやすい・・という
先人の教えでもあるそうです。
逆に“やってイイこと”に、『衣類などの陰干し』などがあります。
これは『夏の土用』の頃は、梅雨明けしていることが多いので、
モノを干すのに適しているから・・・だそうです。
【感想】
私は“土用の期間に土いじりをしてはいけない理由は、
農家の方を休ませるため“と聞いて育ちました。
いろいろ迷信も含めて、昔の人が決めたことって、
何か守りたくなりますよネ。
ちょうど一番暑い時期になりますから、
気をつけて、土用の18日間を過ごしていきましょう。
7/20(水) 『土用の丑の日①』
昔の暦では、日にちを十二支で表していました。
十二支は子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、
午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)の
順番ですが、『丑の日』もその1つです。
この中で、“土用の期間にある丑の日”のことを、
『土用の丑の日』といいます。
土用が約18日間あるのに対して、十二支は12ですから、
1つの土用の期間中に『土用の丑の日』が
2回あるケースがあります。
例えば、今年2022年の『土用の丑の日』は、
1月24日、4月18日、4月30日、7月23日、8月4日、
そして10月27日の6回あります。
このうち春と夏の『土用の丑の日』は、それぞれ2回あります。
今年の『夏の土用の丑の日』は、1回目が7月23日で、
2回目が8月4日ですが、この2回目の丑の日のことを
『二の丑(にのうし)』といいます。
この『土用の丑の日』も土用と同じように、その年によって
日付が変わっていきます。
例えば、来年2023年の“夏の土用”ですが、
今年よりも期間が1日長く、19日間あります。
ところが『土用の丑の日』は、7月30日の1日だけなんだそうです
【感想】
『土用の丑の日』が2回来る時があるんですネ。
今年の夏の土用は、『丑の日』が2回。
したがって、ウナギも2回食べられますネ。
ウナギは本当に元気になります。
今年もしっかりいただきましょう。
7/21(木) 『土用の丑の日②』
4つの季節にそれぞれある『土用』の中で、
『夏の土用の丑の日』には、“ウナギを食べる風習”がありますよネ。
その理由ですが、諸説あります。
例えば、『夏の暑さを乗り切るため』です。
『夏の土用の丑の日』の頃は、暑さが厳しいです。
そこで、古くから栄養が豊富なことで知られていたウナギを食べで、
体調管理に努めましょう!という考えから始まったとする説です。
続いて、『江戸時代の蘭学者・平賀源内さんが広めたとする説』です。
あるウナギ屋さんのご主人が、夏場にウナギが売れなくて困っていました。
そこで知人の平賀源内さんに相談したところ、
“『本日、土用丑の日』と書いた貼り紙を、お店に貼り出すように“と
アドバイスされました。
早速やってみたところ大繁盛し、
その話を聞いた他のウナギ屋さんも始めるようになったことで、
次第に『土用の丑の日にウナギを食べる風習』が
定着したといわれています。
実は古くから、『夏の土用の期間中に、名前に“う”の付くものを食べると、
夏バテしない』という言い伝えがあったそうです。
“『う』の付く食べ物”というのは、例えば『梅干し』や『うどん』、
『ウリ』などです。
平賀源内さんはそれを参考にして、『ウナギ』を勧めたのでは・・・とも
いわれています。
【感想】
“う”のつく食べ物・・・
それこそ、牛とかもイイのかしら?
卯の花とか、ういろうとか。
平賀源内さんのおかげで、夏の暑~い最中、
ウナギを食べて精をつけることができているんですかねぇ。
とにかく夏バテしないように、しっかり睡眠をとって、
美味しいものをいただいて、土用の期間を無事に過ごしていきましょうネ。
7/22(金) 『土用の丑の日③』
『夏の土用の丑の日』に食べるものとして、ウナギが有名ですが、
実は他にもあるそうです。
例えば『土用しじみ』です。
しじみには夏と冬の2回、旬があって、この時期のしじみは
特に栄養価が高いといわれています。
実際、古くから『土用しじみはお腹の薬』といわれ、胃腸を整え、
夏バテ防止に役立つことで知られていたそうです。
他にも、『土用餅』というのがあります。
これは“夏の土用の頃についたお餅”のことで、
『土用入りの日に土用餅を食べると、暑気あたりしない』と
言い伝えられています。
さらに江戸時代の中頃からは、土用餅を小豆の餡で包んだ
『あんころ餅』を食べるようになったそうです。
古くから“小豆の赤い色は邪気を祓う”といわれていて、
“小豆の餡の土用餅を食べることで、暑さに負けず、
無病息災で過ごせる“と信じられているそうです。
他にも、“土用の頃に産み落とされた卵”は『土用卵』と呼ばれ、
“精がつく食べ物”として、土用の頃に食べると良いといわれているそうです。
ウナギもそうですが、土用しじみも土用餅も土用卵も、
食が細くなりがちな、暑い夏の時期を乗り切るための、
先人の知恵と考えられています。
【感想】
私は土用卵を毎年買っていますネ。
季節の変わり目、案外、気持ちはついていっても、
体はついていくのに疲れていたりするんですよねぇ。
皆さんの働き者の体を、どうかいたわる、
土用の期間にしていってくださいネ。
■今週の感想
日本には季節を表す言葉がいくつもあって、
『土用』もその1つなんだろうなぁ~というのは分かっていても、
“じゃあ何?”と聞かれた時、うまく説明するのって難しいですよネ。
それでも夏に限らず、土用の頃は体調を崩しやすい時期だからこそ、
昔の人はあれこれ考えて、工夫されてきたんですネ。
今年の夏は『丑の日』が2回あります。
暑さも厳しいですから、ウナギはモチロンですが、
おいしいモノを食べて、ちゃんと睡眠をとって、
乗り切っていきましょうネ。
【お知らせ① 次週(7/25~)からのテーマ】
パチパチと弾けるようなクチ当たりと、
爽快感のあるのど越しが特徴の飲み物、『炭酸水』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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