お寺などにある仏像の中でも、
ひときわ大きい仏像『大仏さま』についてです。
■今週(4/4~4/8)のテーマ:『大仏』
4/4(月) 『大仏とは』
大仏さまの大きさですが、
一般的に“立っている仏像”の場合、“高さが約4.8m以上“、
“座っている仏象”の場合、その半分の“約2.4m以上”のものを
『大仏』と呼ぶのだそうです。
この『4.8m』という数字は、
“お釈迦さまの身長”からきた・・・といわれているそうです。
このように大仏さまには“大きさの基準”とされるものが
あるそうなんですが、実際にはそれを満たしていなくても、
“大仏”と呼ばれている仏像がいくつもあるそうなんですネ。
例えば、千葉県の『鎌ケ谷大仏』の高さは1.8m、
沖縄県・球陽寺(きゅうようじ)の『コザ大仏』は1.5m。
そして、岐阜県の善学院(ぜんがくいん)の
『神戸大仏(ごうどだいぶつ)』に至っては、1.22mだそうです。
いずれも先程ご紹介した“大仏の大きさの基準”には及びませんが
それでも“大仏”という名前で、親しまれているそうなんですネ。
日本には全部で100を超える大仏さまがあります。
その中には、奈良・東大寺の大仏さまのように、
約1300年もの歴史を誇るものもあります。
それに対して、東京・西多摩郡の鹿野大仏(ろくやだいぶつ)は
2018年の完成ですから、まだ4年の歴史です。
大きさの定義ってあるんですネ。
私は“大きい”と感じたものは、
すべて“大仏さま”と呼ぶものかと思っていました。
日本全国に100を超える大仏さまがいらっしゃるんですネ。
私が“大仏”と聞いて真っ先に思うのは、
やはり奈良・東大寺の大仏さまかなぁ。
あと私の故郷・茨城県にも
牛久大仏という大きな大仏さまがいらっしゃいます。
全部まわってみたいな。
4/5(火) 『奈良の大仏さま』
奈良の大仏さまは、聖武天皇の願いで、
奈良時代の752年、東大寺の仏殿に造られました。
高さは約15mあります。
正式なお名前は『銅造盧舎那仏坐像(どうぞう・るしゃなぶつざぞう)』で
“銅で造られた、お座りになっている盧舎那仏(るしゃなぶつ)”という
意味です。
『盧舎那仏』とは、宇宙の中心で、すべての世界を
知恵と慈悲で照らす、太陽のような仏さまのことです。
この当時、政治的な争いや、水不足からくる飢饉、地震、
さらに天然痘という病気の大流行など、
とっても苦しい時代だったそうです。
そこで聖武天皇は“仏教の力によって、すべての人々が心安らかに
暮らせる世の中になるように・・・“という思いから
大仏を造ることを決意されました。
そんな奈良の大仏さまですが、戦に巻き込まれて、
燃えてしまったことがありましたが、何度も修理されて
今のお姿となっています。
このように、聖武天皇の思いから誕生した奈良の大仏さまですが、
完成したあと、“魂を入れるための法要”が行われたのが、4月9日です。
やがて、この4月9日は『大仏の日』と呼ばれるようになりました。
私も東大寺の大仏さまを、実際に拝見したことがあるんですが、
まずその大きさに圧倒され、言葉を失いました。
静かな表情、すべてを包み込んでくれる大いなる存在感に、
涙が出そうになるんですネ。
きっと聖武天皇の“国民を守りたい、救いたい”という願いや祈りが、
今の時代も見る者、拝む者を
守ってくださっているんだろうなと思います。
4/6(水) 『鎌倉の大仏さま』
奈良・東大寺の大仏さまと並んで、
古くから知られているのが鎌倉の大仏さまです。
神奈川県鎌倉市にありますお寺、高徳院のご本尊、
阿弥陀如来坐像のことで、
高さは約11.3mあります。
この大仏さまですが、分からないことがたくさんあるそうです。
一説には、東大寺の大仏さまをお参りして感動した
鎌倉幕府の初代将軍・源頼朝が
“鎌倉にも大仏を造ろう!”と計画したもの・・・といわれています。
ところが、その後、頼朝が亡くなってしまい、
その遺志が受け継がれていきますが、完成したのは
木造の大仏さまだったそうなんです。
その大仏さまが台風などで壊れてしまったため、1252年頃に
今度は銅を金でメッキした“金銅の大仏”が
造られるようになりましたが、これがいつ完成したのかが
ハッキリとは分からないそうです。
そんな鎌倉の大仏さまは屋外にいらっしゃいますが、
実はもともとは東大寺の大仏さまと同じように、
大仏殿の中にいらっしゃったそうなんですネ。
ところが台風や大きな津波によって、大仏殿が壊れてしまい、
15世紀の終わり頃には現在のような屋外になった・・・と
考えられるそうです。
それでも境内に残る石などから、当時の大仏殿の大きさは
想像できるそうです。
こちらもとっても有名ですよネ。
大仏殿がないからか、遠くからでもそのお姿を拝見できますよネ。
誰がいつ、どういう思いで・・・ということがハッキリと分かっていなくても、
我々ちっぽけな存在の人間が
守護していただけるように、願い込めて造られたということは
ハッキリ分かりますよネ。
4/7(木) 『牛久大仏』
牛久大仏は茨城県牛久市にあります、
青銅(ブロンズ)でできた大仏さまです。
正式には『牛久阿弥陀大仏』といいます。
1993年(平成5年)に完成し、高さは120mもあります。
そのためギネス世界記録には
『世界一の大きさのブロンズ製の仏像』として登録されています。
この高さには由来がありまして、
阿弥陀如来さまがあらゆるものを照らすために放たれる
“12の光”の“12”という数字にちなんで、120mになったそうです。
この高さはアメリカ・ニューヨークの『自由の女神像』の約3倍、
奈良・東大寺の大仏さまの約8倍にもなるそうです。
大仏さまの中に入ると地上85mのところに展望台があって、
そこから外の景色をながめることができます。
お天気次第では、スカイツリーや富士山が見えることもあるそうです。
この牛久に大仏さまが建てられた理由ですが、
浄土真宗を開いたとされる親鸞聖人(しんらんしょうにん)が、
関東で仏教の教えを広める際、拠点とされたのが現在の茨城県でした。
そうした経緯から、茨城県には親鸞聖人ゆかりのお寺などが
いくつもあって、そういったご縁もあって
茨城の牛久に大仏さまが建てられたのだそうです。
そんなに大きかったんですネ。
高速道路からよく見えるので、通るたびに
気持ちの中で手を合わせていますが、
青く光って立っていらっしゃるんですよ。
親鸞聖人さんにちなんで造られたんですネ。
ゆっくり一度、内部を拝見してきたいなと思います。
4/8(金) 『大仏さまの雑学』
大仏さまの頭には、ブツブツがありますよネ。
これは『螺髪(らほつ)』と呼ばれるもので、
如来像の髪の毛のことです。
また“お釈迦様が人間を超えた存在”であることを示す
1つの特徴とされています。
螺髪の『螺』とは巻貝のことで、
まさに髪の毛が巻貝のように、らせん状をしています。
巻貝は右巻きが圧倒的に多いため、
螺髪も一般に“右巻き”なのだそうです。
奈良・東大寺の大仏さまも螺髪は右巻きです。
ところが、鎌倉の大仏さまや名古屋の大仏さまのように、
螺髪が“左巻き”の大仏さまもいらっしゃいます。
でも、その理由は謎なんだそうです。
ちなみに、東大寺の大仏さまの螺髪の場合、
その1つの大きさは直径約22cm、高さ約21cm、
重さは約1.2キロもあるそうです。
そんな大仏さまの額の真ん中、眉間のあたりに
なにかホクロのような突起物、ありますよネ。
これは『白毫(びゃくごう)』といいます。
“白くて長い毛が右巻きに丸まってできたもの”で、これを伸ばすと
約4.5mにもなるそうです。
ここから光を放って、すべての世界を照らし、
悩み苦しむ人たちを救ってくれる・・・といわれています。
私たちはお稚児さんの時に、
同じ場所にホクロのように、点て描かれますよネ。
きっとこれは“仏様に守られる”ということなのでしょうかねぇ。
とにかく大仏さまは私たちを見守って導いてくださる、ありがたい存在ですネ。
■今週の感想
私は大仏さまが好きで、何度もおそばで拝見しましたが、
いつもその大きさや存在感に圧倒されています。
その神々しいお姿を見ていると、
“こうやって私たちを守ってくださっているんだな”と思います。
今回ご紹介できたのは、大仏さまの中でもほんの一部で、
日本には本当にたくさんの大仏さまがいらっしゃいます。
それぞれ大きさもお姿もお顔も違いますから、
すべて見てみたいな・・・と思いました。
【お知らせ① 次週(4/11~)からのテーマ】
何かモノを切る時の必需品、『ハサミ』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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