この時期、大きなイベントの1つ『ひな祭り』についてです。
■今週(2/28~3/5)のテーマ:『ひな祭り』
2/28(月) 『ひな祭りとは』
そもそも『ひな祭り』とは何でしょうか?
正しくは5つある節句『五節句』の1つ、
『上巳(じょうし・じょうみ)の節句』のことをいいます。
上巳とは“三月初めの巳(み)の日”という意味です。
『巳の日』とは“十二支を12日ごとに割り振ったそのうちの1日“のことで、
12日に一度やってきます。
ですから同じ上巳でも、その年によって
日にちが変わってくるんですネ。
それがのちに三月三日に定まったため、
三月三日が上巳の節句となりました。
また、この頃は“桃のお花が咲く季節”ということで、
『桃の節句』という名前でも親しまれています。
今では三月三日は“上巳の節句”というよりも、
“ひな祭り”というイメージが定着していますよネ。
この上巳の節句は中国から伝わってきましたが、
本来は“災いや厄を祓い、無病息災を願う行事”のことだそうです。
それが平安時代に日本に伝わってから、日本の風習と結びついて
少しずつ変化していきます。
そして江戸時代になると、現在のようなひな祭りという
スタイルになった・・・と考えられるそうです。
へぇ~、もともとは厄払いや無病息災を願う行事だったのかぁ。
“女の子の節句”というイメージが強くて、
“女の子のお祭り”だと思ってました。
『お雛さまをしまうのが遅くなると、お嫁に行き遅れる』とか、
いろいろな言い伝えもありますよネ。
私は実家に、祖母が買ってくれた七段飾りのお雛さまが
飾ってあったなぁ~と思い出します。
雅な風習ですネ。
3/1(火) 『ひな人形の豆知識①』
ひな祭りは“子どもの成長を願うお祭り”で、
もともとは男の子・女の子は関係なかったそうなんですネ。
それがやがて“女の子の誕生をお祝いし、
健やかな成長と幸せを祈る行事”となったそうです。
そんなひな祭りに欠かせないひな人形ですが、ひな人形には
“身代わりとなって、厄を引き受ける効果がある”といわれています。
これは古くから日本に伝えられている
“草やワラ、紙などで作った人形に自分の罪や穢れを託して水に流す“という風習と
深く結びついているそうです。
そういったことから、ひな人形には“生まれた子供がすこやかで、
やさしい女性に育ちますように・・・“という
親御さんたちの願いが込められているそうです。
ひな人形といえば、童謡の『うれしいひなまつり』に
“♪お内裏さまとお雛さま”という歌詞がありますよネ。
そんなところから、“男性のひな人形”のことを『お内裏様』、
“女性のひな人形”のことを『お雛さま』と呼ぶものと思っている方、
いらっしゃるかと思いますが、実は間違いなんだそうです。
お内裏様とは“男女のひな人形が2つでひと組になった状態“を
指す言葉なんだそうです。
ですから、男性のおひな様のことは『男雛(おびな)』、
女性のおひな様のことは『女雛(めびな)』と呼ぶのが正しいそうです。
または『お殿様』、『お姫様』という呼び方でもイイそうです。
エーッ、男性のお人形はお内裏様・・・ではない。
ややっこしい歌詞ですネ。
♪お内裏さまとお雛さま、二人並んですまし顔・・・って
歌っているじゃないですかねぇ。
いや~、この歳になって初めて知ることって、
結構ありますよネ。
3/2(水) 『ひな人形の豆知識②』
男性のおひな様『男雛(おびな)』と、女性のおひな様『女雛(めびな)』は
それぞれ天皇陛下と皇后陛下のことを指しているそうです。
そしてひな人形は、両陛下の結婚式を表しているそうです。
そんなところから、ひな人形には“我が娘が両陛下のような
幸せな結婚ができますように・・・“という、親御さんたちの願いが
込められているんだそうです。
そんなひな人形ですが、関東と京都で作られる人形がありまして、
“関東で作られるひな人形”のことを『関東雛(かんとうびな)』、
そして“京都で作られるひな人形”のことを
『京雛(きょうびな・きょうひな)』といいます。
この2つの大きな違いが“男雛と女雛の位置”です
関東のひな人形は“右側(向かって左側)”に男雛を飾ります。
それに対して京都のひな人形は、関東とは逆で
“左側(向かって右側)”に男雛を飾ります。
この違いなんですが、古くから日本では中国文化の影響を受けて、
“右側と左側では左のほうが位は上”という考えが定着していました。
そのためひな人形も“左側(向かって右側)に男雛を飾る”というのが
主流だったんです。
ところが大正時代になって、海外の“右側のほうが位は上”という
考えを取り入れたことから、その風習が一般にも広まっていき、
そのためひな人形の置き方も関東を中心に、
それまでとは左右逆になった・・・と考えられているそうです。
そうなんですよねぇ。
京都に行った時、お雛さまが飾られていて、
何かどこかに違和感があるなぁ~と思ったら、
男女が逆だったんですねぇ。
3/3(木) 『ひな人形の段飾りの数』
現在、ひな人形の段飾りは3段、5段、7段の
3つ種類が主流となっているそうです。
いずれも奇数ですが、飾るお人形の人数も5人、7人、
15人と、こちらも奇数の場合が多いそうなんですネ。
実はこの数字は、古代中国で生まれた“自然哲学の思想”である
陰陽道(おんみょうどう)が深く関係しているそうです。
陰陽道では奇数を“縁起の良い数字”、
逆に偶数を“縁起が良くない数字”と位置付けています。
こうした“陰陽道の数字の考え”に習って、ひな人形の段の数も
3、5、7の奇数が多いそうなんですネ。
また3、5、7の3つの数字を足しますと15になりますが、
この数字も“縁起が良い”とされています。
そんな中、江戸時代の後半、8段飾りが登場しました。
8という数字は偶数ですから、陰陽道では“縁起の良くない数字”になりますが、
一般的には“末広がり”で、逆に“縁起の良い数字”とされていますよネ。
それでも現在のように、段飾りで奇数が主流となったのは、
陰陽道が関係していると考えられるそうです。
今ご紹介したことは、あくまでも“陰陽道の考え方”によるものですから、
実際には“偶数飾り”をされていらっしゃるご家庭の方は、
偶数だから縁起が良くない・・・ということは決してないそうですから
ご安心くださいネ。
何段でも親御さんたちの愛が詰まったものであれば、
その子は幸せになれますよネ。
3月になるとだんだん春めいてきて、日差しも暖かくお花もキレイで、
気分的に明るくなってきますよネ。
そんな時の桃の節句。
雅で美しく愛らしく、素敵な風習があって幸せですネ。
3/4(金) 『ひな人形にまつわる言い伝え』
『3月3日のひな祭りが終わったら
ひな人形を早く片付けないと、結婚が遅れる』という言い伝え、
聞かれたことあるかと思います。
でも、これって“根拠のない迷信”なんだそうです。
では何故、このような言い伝えが広まっているのでしょうか?
実はこれは“お子さんにひな人形を自分でしまえるようになってほしい”
つまり、“大切なものをキチンと片付けられるような大人に
成長してほしい“という、親御さんの思いからきたものだと
考えられているそうです。
“ひな人形を片付けること”を“お掃除やお片付け”、
つまり“家事”として教えて、お子さんをしつけることが
そもそもの目的なんだそうなんです。
ですから、本来は“しつけ”の意味で
言われるようになったものだそうです。
また“いついつまで片付ける”といったような期限もないそうで、
それでも地域によっては片付ける時期が決まっているところも
あるそうです。
例えば“『啓蟄(けいちつ)』から『春のお彼岸』まで”です。
啓蟄とは“寒さが緩んで、虫たちが土の中から出てくる季節”のことで、
今年の啓蟄は3月5日で、春のお彼岸は3月18日から24日です。
“結婚が遅れる言い伝え”っていうのは他にもあって、
『ウエディングドレスや白無垢などを、婚前に着ると婚期を逃す』とか
『北海道の摩周湖がキレイに見えると結婚できない』とか、
誰が決めたのか分からない言い伝えがありますよネ。
・・・話はそれましたけど、ひな祭りの片づけのお話は迷信で良かったです。
■今週の感想
小さい頃から毎年、この時期になるとお雛さまを見ていたのに、
お雛さまやひな祭りについて知らないことや、
勘違いしていたことがいくつもあって、とても勉強になりました。
リスナーの方の中にも“エッ!そうなの?”と思われた方が
結構いらっしゃったそうで、私だけじゃなかったんだなぁ~と思いました。
こういった風習は、いつまでも大切に守っていきたいですネ。
追伸:
金曜日の放送の最後に
『北海道の摩周湖がキレイに見えると結婚できない』という
言い伝えをお話しましたが、
『霧が晴れた摩周湖を見ると婚期が遅れる』といったように、
摩周湖にはいろいろな説があるそうなんです。
でもこれはまったくの都市伝説、迷信ですから、ご安心ください。
【お知らせ① 次週(3/7~)からのテーマ】
今年もこの季節になりました。『卒業』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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