羽田美智子のいってらっしゃい

2021.08.20

2021年8月16日(月)

私達の暮らしの中で、身近な存在の場所の1つ、『公園』についてです。

 

■今週(8/16~8/20)のテーマ:『公園』

 

8/16(月)  『公園とは』

 

キレイな景色やお花、緑をながめたり遊具で遊んだりと、

公園は私達の生活に潤いを与えてくれる大切な施設です。

さらに地域の人々がふれあう“にぎわいの場”でもあります。

 

お子さんやその親御さん、ペットを連れた飼い主さん、

お散歩中のお年寄りの方まで、公園を通じて

様々な人と人とのつながりを保つことができます。

また地域に根差した公園には“自分たちの街の公園だから、

自分たちでいつもキレイにしましょう”という、

地元の方々の思いが込められています。

 

今はいろいろ規制や制約があって、公園のイメージは以前とは

違ってきていますが、本来、公園とはそういったものなんです。

 

このように“誰もが無料で利用できる、公共の空間としての公園”が

誕生したのは、19世紀です。

イギリスで市民革命を通じて、“公園”という概念が生まれ、

市民が自分たちの権利として“憩いの場”を主張していきました。

その結果、貴族が所有していた狩りのための土地、あるいは庭園が

憩いの場として開放されていきます。

 

そして“自治体が運営する市民のための公園”として、

1847年に誕生したのがイギリスのバーケンヘッド・パークです。

そうした経緯もあって、バーケンヘッド・パークは

“公園の始まり”といわれています。

 

 

子供の頃から公園は当たり前のようにあったので、

成り立ちというものを考えたことはありませんでしたネ。

世界にはセントラルパーク(アメリカ)やスタンレーパーク(カナダ)、

チボリ公園(デンマーク)など大きな公園がありますけど、

公園の始まりはイギリスからだったんですネ。

 

 

8/17(火)  『日本の公園の歴史』

 

日本に現在のような『公園』が誕生するのは、

明治時代になってからです。

それまではお寺や神社の境内や景色がキレイな場所、

大名が庶民のために開放した庭園が、

公園の役割を果たしていたと考えられています。

 

そして1873年(明治6年)、政府は欧米の都市のように

公園を設置することを決定し、通達を出しました。

それを受けて東京に浅草公園、上野公園、芝公園、深川公園、

飛鳥山公園の5つの公園が誕生しました。

この場所に決まったのは浅草には浅草寺(せんそうじ)、

芝には増上寺(ぞうじょうじ)、上野には寛永寺(かんえいじ)、

深川には永代寺(えいたいじ)があって、

それぞれその一部が公園になったからです。

そして飛鳥山は元々、桜の名所として知られていました。

 

同じように、大阪の住吉神社の境内を中心に住吉公園、

堺市の美しい松林に浜寺(はまでら)公園が誕生しています。

 

このように公園となったところの多くは、元々はお寺や神社の境内、

大名屋敷の庭園だったんです。

 

さらに、東京では都市の改造が進められる中、1903年、

日比谷にあった兵士の訓練場の跡地に公園が誕生しました。

これが日本で初めての“西洋式の近代的な公園”、日比谷公園です。

 

 

日本では明治時代になってから公園ができたんですネ。

“東京には自然が少ない”というイメージ、あるかもしれませんが、

意外にも大きな公園がたくさんあるのは、こういう歴史があったからなんですネ。

 

 

8/18(水)  『公園の種類』

 

日本の公園は大きく2つに分類されています。

1つは『自然公園』。主に美しい景色や自然を守ることを目的に、

法律に基づいて指定された公園です。

国立公園や国定公園、都道府県立自然公園がそうです。

 

もう1つは『都市公園』です。

住民の方がスポーツやレクリエーション、休憩などを通じて、

日常生活にゆとりと潤いが得られるように整備された公園です。

 

自然公園も都市公園もそれぞれ法律で定められていて、

国と地方自治体が管理しています。

 

同じ都市公園でも、さらに種類が大きく5つに分かれています。

1つめは『街区公園(がいくこうえん)』    

『街区』とは、市街地の道路などで囲まれたひと区画のことで、

『ブロック』ともいいます。

住所でいう『何丁目何番地』の『何番地一帯』のことです。

 

街区公園は、主に公園を中心に半径250m以内に住んでいる、

街区の方々が利用するのを目的とした小規模な公園です。

以前は『児童公園』とも呼ばれていました。

 

2つめは『近隣公園』。

公園を中心に、主に半径500m以内に住んでいる方が

利用するのを目的とした公園です。

街区公園よりも広い、中規模な公園です。

 

 

私も近くの公園によくお散歩に行きますけど、

あそこは近隣公園になるんですネ。

近所の子供たちが遊んでいる姿に元気をもらったりして

イイんですよネ。

 

 

8/19(木)  『公園の種類②』

 

住民の方々の憩いの場として設置されている『都市公園』には、

大きく5つの種類があります。

1つめは『街区公園(がいくこうえん)』、

2つめは『近隣公園』、3つめは『地区公園』です。

公園を中心に、主に半径1キロ以内の住民の方が利用するのを

目的とした公園で、近隣公園の2倍の広さがあります。

 

4つめは『総合公園』。

その都市のすべての住民の方が休憩や自然観察、お散歩、

または遊んだり、運動したりするための公園です。

まさに総合的な利用を目的としているので、名前も『総合公園』で、

とても大規模な公園です。

 

そして5つめは『運動公園』。

総合公園と同じように、その都市のすべての住民の方の利用を

目的とした大規模な公園ですが、その中でも特に

運動をメインとした公園です。

そのため公園の中に、陸上競技場や野球場などがあります。

 

この5つ以外にも都市公園にはいくつか種類があって、

例えば『特殊公園』です。

動物や植物に特化した『動植物公園』、

歴史的な文化財を、広く一般に公開するのを目的とした『歴史公園』、

墓地と一緒になっている公園などが、特殊公園になります。

 

 

かなり細かく分類されているんですネ。

日本全国、素敵な公園がたくさんあると思いますが、

皆さんにとって思い出のある公園はどこですか?

私は兼六園(石川県)や三渓園(神奈川県)、奈良公園(奈良県)、

東京ですと代々木公園、馬事公苑、林試(りんし)の森公園とか好きですネ。

 

 

8/20(金)  『公園の役割』

 

公園の大切な役割の1つが『防災』です。

家屋が密集していることが多い日本では、火災が発生した時、

周囲に燃え移ってしまうケースが多いです。

そのため大規模な火災になってしまうことも珍しくありません。

 

公園の場合、広い場所にあることから、他のところに

火が燃え移るのを防いでくれます。

さらにイチョウなどの“燃えにくい木”も、

火災の広がりを防いでくれるそうなんです。

   

実際、過去に大規模な火災の時、公園のところで燃え広がるのが

止まった例がいくつもあるそうです。

 

そして公園は、災害時の避難場所になっています。

公園の広場にいることで、地震の時、建物などから

モノが落ちてくるのを避けることができます。

また、高台にある公園は津波などから守ってくれます。

さらに台風の時は、公園の樹木が風の勢いを抑えてくれます。 

 

他にも『かまどベンチ』といって、普段はベンチとして

使用していますが、災害時には座る部分を外すと

“かまど”になるベンチを設置している公園もあります。

これで火を起こして、炊き出しなどができますし、

座る部分はテーブルとして活用できます。

 

公園が『災害時の避難場所』として指定されていることが多いのは、

こういった理由からなんですネ。

 

 

なるほど。

公園は防災基地でもあるんですよネ。

備蓄などもできるようになれば、イザという時、

安心で頼りになる場所になりますネ。

普段から公園には行くようにして、

公園と仲良くしておくと、とっても良いと思います。

 

 

■今週の感想 

 

普段、何気なく利用している公園ですが、

種類が細かく分かれていて、さらには防災という

とても大切な役割を担っていることが分かって、

とても勉強になりました。

 

今は公園の利用の仕方が、昔とは大きく違っているところも

多いですが、それでも公園があることで私たちの生活に

潤いを与えてくれていることには変わらないと思います。

 

公園には自然が持つパワーがあると思います。

コロナ禍ですが、散歩などで公園を上手く利用して、

公園のパワーをもらいたいと思います。

 

追伸

西日本を中心とした今回の豪雨で、被害に遭われた方々には

心よりお見舞い申し上げます。

私の故郷・茨城も以前、水害に遭いましたので、

今回の豪雨のニュースは本当に胸が痛いです。

お天気の回復と復旧をただただ願うばかりです。

 

 

【お知らせ① 次週(8/23~)からのテーマ】

 

私も大好きでよく食べます!『丼物』についてです。

 

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

 

パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/