様々なお料理に使えて、季節を問わず手に入る野菜の1つ、『タマネギ』についてです。
■今週(8/2~8/6)のテーマ:『タマネギ』
8/2(月) 『タマネギの基本知識』
タマネギを縦に半分切ってみると、短い茎があります。
実は私たちが食べているのは、
タマネギの葉の付け根の部分が太ったものなんです。
長ネギも同じように、葉の付け根の部分が太ったものです。
そんなタマネギの産地ですが、2019年のデータを見ますと、
生産量が最も多かったのは北海道で、
全体の約63%を占めています。
2位は佐賀県、3位は兵庫県で、この3つの地域で
国内の生産量の8割以上になります。
日本で栽培されているタマネギの多くは
『黄たまねぎ』と呼ばれる品種です。
辛味が強く、保存性が高いのが特徴です。
同じ黄たまねぎでも、春に種をまいて秋に収穫される“北海道産”と
秋に種をまいて春から初夏にかけて収穫される“本州産”があります。
2つの違いをあげるとすれば、北海道産のほうが含まれている
水分の量が少なくて、辛味が少し強いそうです。
他にも、辛味や匂いが黄たまねぎよりも少なく、
水分や甘みが多くてサラダに使われることが多い
『赤たまねぎ』があります。
『紫たまねぎ』とも呼ばれています。
同じくサラダに使われることが多い『白たまねぎ』、
シチューやポトフといった煮込み料理に使われる小さなタマネギ
『ペコロス』などの種類があります。
タマネギは相当日持ちしますし、どこのご家庭にも
必ず常備している野菜の代表格だと思います。
黒柳徹子さんのヘアスタイルも思い出しますが(笑)
唯一無二の素敵なスタイルですよネ。
私、タマネギ大好き!
8/3(火) 『タマネギの歴史』
タマネギは西アジアや中央アジア、エジプトなどが
原産地とされています。
紀元前の時代から栽培されていて、古代エジプトでは
『ピラミッドを建設する労働者たちにタマネギを食べさせていた』という
記録が残されているそうです。
さらに『旧約聖書』や『千夜一夜物語』にも、
タマネギを食べるお話が登場しています。
中世の時代、ヨーロッパではニンニクと並んで
タマネギは“魔よけ”として使われていたそうです。
さらにヨーロッパで伝染病が流行した際、タマネギやニンニクが
効果的だった・・・という言い伝えもあるそうです。
そんなタマネギが日本に伝わったのは、江戸時代です。
南蛮船で長崎にやって来ましたが、当時は食用ではなく
観賞用だったそうです。
日本で食用としてのタマネギの栽培が始まったのは、
明治になってからです。
1880年(明治13年)には、現在の北海道札幌市で
中村磯吉さんという農家の方が、
タマネギの栽培に成功しました。
また同じ頃、現在の大阪南部地方で『泉州たまねぎ』の
栽培が始まりました。
こうして日本のタマネギの歴史が作られていきました。
へぇ~日本のタマネギの歴史って、案外最近なんですネ。
平安時代の頃からとか、もっと言うと縄文時代から
食べられていたようなイメージが私にはありました。
ニンニクと並んで魔除けにされていたのは、
あの強烈の匂いで、悪魔祓いできると思われたんでしょうネ。
目にもしみますしネ。
8/4(水) 『タマネギの栄養』
タマネギの辛味や匂いは『硫化アリル』という成分によるものです。
タマネギ以外のネギ類やニラ、ニンニクの辛味や匂いも同じです。
タマネギを刻んだ時、涙が出るのは、この硫化アリルが
目から涙を出す涙腺を刺激するからなんです。
硫化アリルには様々な種類があって、その代表が『アリシン』です。
アリシンは疲労回復や生活習慣病の予防、
血糖値の上昇を抑えるのに効果的とされています。
さらに胃腸の働きを良くして、新陳代謝を盛んにして、
血流を改善する効果も期待されています。
よく『タマネギを食べると血液がサラサラになる』といわれるのは、
このアリシンの働きによるものとされています。
さらに、体を温める働きがあるといわれています。
但し、アリシンを始めとする硫化アリルは、
水に溶けやすいそうなんですネ。
タマネギの辛味を和らげようと、スライスしたタマネギを
お水にさらすことってあるかと思いますが、
長い時間さらしてしまうと、硫化アリルが溶け出してしまうんです。
生でタマネギを食べる時は、あまり長い時間さらさないようにするか、
新タマネギといった、辛味が少ない品種を選ばれると良いそうです。
またタマネギは煮たり炒めたりなど、火を通すことで、辛味が消えて
甘み成分に変わっていきます。
さらにレンジ蒸しやスープ煮などにすると、溶け出したエキスも
一緒に摂ることができます。
タマネギは代表的に“血液をサラサラにする”って言われてますけれど、
他にもいろんな効果があるんですネ。
タマネギを使うとお料理に甘みが出るので、
とっても重宝しますよネ。
ドレッシングに使うと野菜を美味しく食べられるし、
野菜炒めにも必要だし、スープにもなくてはならないし・・・
改めてタマネギは、貴重な食材ですネ。
8/5(木) 『タマネギの雑学』
春に旬を迎えるタマネギに『新タマネギ』がありますが、
普通のタマネギと何が違うんでしょうか?
実は新タマネギとは、温暖な地域で3月から4月頃に出荷される
“早取りのタマネギ”の総称なんです。
具体的には『黄たまねぎ』や『白たまねぎ』を収穫して
すぐに出荷させたタマネギです。
一般的なタマネギは日持ちを良くするため、収穫したあと、
1ヶ月ほど乾燥させてから出荷されます。
それに対して新タマネギは、乾燥させずにすぐ出荷されるので、
その分、みずみずしくて肉質が柔らかく、
辛味が少なく感じられるというわけなんです。
ちなみに栄養ですが、新タマネギも一般的なタマネギも
違いはないそうです。
そんな新タマネギですが、水分が多くて繊細ですので、
基本的に1週間以内で使い切ることが大切だそうです。
それが難しい場合は、冷凍保存をすると、
1ヶ月程度は保存できるそうです。
但し、新タマネギならではのみずみずしさは失われてしまうので、
冷凍した場合は加熱調理するのがオススメだそうですよ。
タマネギを保管する時ですが、基本的には冷蔵庫に入れるよりも、
風通しが良く、日の当たらない常温の場所で保管すると良いそうです。
そういった場所が難しい場合は、1つずつ新聞紙で包むと
湿気を防げるそうです。
実は私もここ数年、タマネギの美味しさにハマっていまして、
タマネギの栽培のお手伝いを始めたのですが、
今年収穫した新タマネギは、1つ1つ新聞紙にくるんで、
今、玄関の涼しいところに置いてあります。
収穫してから2ヶ月くらい経ちますが、
まだまだ新タマネギの美味しさ、続いていますよ。
8/6(金) 『下中(しもなか)たまねぎ』
下中たまねぎの『下中』とは、神奈川県小田原市の地名です。
この地区は古くからタマネギの産地として知られています。
そんな下中たまねぎは辛みが少なく、甘くて柔らかいのが特徴で、
特にサラダなど生で食べるのに適しています。
またソテーなど火を通すとより一層甘さが増すことから、
バーベキューなどで人気の食材となっています。
そんなところから神奈川県のブランド品
『かながわブランド』にも認定されています。
今回、数あるタマネギの中からこの下中たまねぎをご紹介したのは、
実は私、栽培に参加させていただいているんです。
キッカケは去年、お友達が“すごく美味しいタマネギがあるのよ”と
送ってきてくれたんですネ。
その時、『水でさらさないで、そのまま生で食べてネ』という
伝言があったので、スライスして鰹節にポン酢をかけて
いただきました。
そしたら甘くてみずみずしくて、あまりの美味しさに
ビックリしてしまったのが、このタマネギとの出会いだったんです。
そして話を聞くと、高齢者の方から耕作を放棄した土地を
預かっていた小田原のお寺が、実習用の畑を探していた
東大の大学院生たちに貸し出していて、
栽培を始めたタマネギだったんです。
それを聞いて“ぜひ私も応援したい!”と去年、現地に行って
苗を植えて、今年5月には収穫のお手伝いをしてきました。
自分で苗を植えて、収穫も手伝って・・・となると、
愛着もわくものですから、
ますます美味しく感じた下中たまねぎです。
今年も行ってこようと思っています。
■今週の感想
金曜日にお話した神奈川県の下中たまねぎですが、
この番組のスタッフの方にも食べていただいたんです。
そしたら“梨みたいな食感で、想像以上の美味しさでした”と
言ってくださったんです。
そうなんです。まさに梨のような食感が、
この下中たまねぎの特徴でもあるんです。
私も初めて食べた時、その美味しさにホント、驚きましたが、
タマネギの世界は奥が深いですネ。
そして、私たちの食生活を楽しくしてくれるタマネギに感謝です。
今日はどんな風にして食べようかな(^^♪
【お知らせ① 次週(8/9~)からのテーマ】
古くから私たち人間の家族の大切な一員、『ペット』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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