日本の夏を代表するお花、『ひまわり』についてです。
■今週(7/26~7/30)のテーマ:『ひまわり』
7/26(月) 『ひまわりとは』
ひまわりはキク科の植物です。
高さは30cm程度のものから、3mを超えるものまであります。
原産地は北アメリカで、紀元前の時代から
ネイティブアメリカンの貴重な栄養源として
栽培されていたと考えられています。
その後、南米に伝わって、インカ帝国ではひまわりを
“太陽の神様”のシンボルと見なして崇拝していたといわれています。
そんなひまわりですが、コロンブスがアメリカ大陸を発見した際に、
ヨーロッパに持ち込んだとする説や、
スペイン人がひまわりの種をアメリカから持ち帰って、
栽培したとする説などいろいろあります。
その後、フランスやロシア、中国へと広まって、
日本には江戸時代の17世紀に伝わったとされています。
ひまわりの学名ですが、ギリシャ語の『太陽』と『お花』から
成り立っています。
そのため英語では『sunflower(太陽の花)』と言われています。
日本語の『ひまわり』という名前は、お花が太陽の方角を向いて、
その動きにつれて回ることから『日廻り』と付いたのが
由来とされています。
そして漢字では『向日葵』と書きます。
ひまわりってキク科のお花なんですネ。
ホント、太陽のようなお花。
明るくて堂々としていて、
見ているだけで元気になれるお花ですよネ。
ひまわりと聞くと、ゴッホやゴーギャンを思い浮かべます。
アーティストにとっても神様のようなお花なんでしょうネ。
7/27(火) 『ひまわりの豆知識①』
ひまわりはよく『太陽の方角を向いて咲いている』といわれています。
実際、つぼみを付ける頃までの若いひまわりの場合、
朝は東の方角、夕方は西の方角といったように
太陽を追いかけて咲きます。
但し、東側に林や建物があって、東の方角からの太陽の光が
当たらない場所のひまわりは西を向いて咲くそうです。
そして東の方角にも西の方角にも、太陽の光をさえぎる物が
何もないところでは東を向いて咲くそうです。
こうしたひまわりの動きは、茎の成長具合に関係していると
考えられています。
同じひまわりの茎でも、東側に向いている茎には太陽の光が当たって、
反対側の西向きの茎には当たりません。
そうなると、西向きの茎のほうが成長は遅くなりますよネ。
そこで『オーキシン』という植物ホルモンが働いて、
太陽の光が当たらない西向きの茎の成長を早めていって、
最終的には、東向きの茎の成長を超えてしまうんです。
西向きの茎の成長が早くなると、東向きに茎が曲がっていくので、
その結果、太陽の方角に向いているように見えるそうなんです。
実は太陽の方角に向くことが多いのは、ひまわりのお花だけではなくて
ほとんどのお花がそうなんです。
でもひまわりのお花は他のお花に比べて大きいので、
よく目立つことからそう思われているそうです。
へぇ~、おもしろいことが起きているんですネ。
植物は太陽を求めて光を求めて、
顔をその方角に向けさせるんですネ。
足りなければホルモンを足して成長を促す・・・
自然界の摂理は見事です。
人間も見習って自然に生きること、大事だなぁ~と思いますよネ。
7/28(水) 『ひまわりの豆知識②』
ひまわりが太陽を追いかけて咲いているように見えるのは、
『ひまわりの茎に太陽の光が当たる向き』と、
『茎の成長の速さの違い』が関係しています。
実は太陽を追って、首を振るようにお花の向きを変えるのは、
同じひまわりでも“成長期にある若いひまわり”なんです。
一般的に『ひまわりは東の方角を向いて咲いている』と言われますが、
これは“成熟したひまわり”のことなんだそうです。
では、どうして“成熟したひまわり”は東の方角を向くのでしょうか?
それには諸説あります。
その①:『温度を調節するため』。
受粉や結実の際、温度が関係していて、日差しが強い西や南の方角を
向いていると温度が高過ぎて、逆に北の方角だと低い。
そうなると、ちょうど良い温度は東の方角・・・という説です。
その②:『夜露を防ぐため』。
夏は昼間と夜では気温差が大きいですが、それによって空気中の
水蒸気が夜露や朝露になります。
これがひまわりのお花に付くと、かなりの重さになって
茎にも負担がかかってしまうため、朝日を浴びることで蒸発させて
その状態を解消している・・・という説です。
その③:『病原菌を予防するため』。
夜露などの湿気による病原菌の蔓延を防ぐため、
朝日が当たる東の方角を向く・・・という説です。
但し、いずれの説もハッキリしたことは分かっていないそうです。
ん~、成長期と成熟期で向く方角が違うんですネ。
なんか、東向きのおウチに住みたくなるようなお話ですネ(笑)
まぁ、これは植物の世界のお話ですが、とても神秘的です。
7/29(木) 『ひまわりの花』
ひまわりの大きなお花ですが、2つの種類のお花から出来ています。
ひまわりの真ん中の丸い粒々の部分をよ~く見ていただくと、
小さなお花がたくさん集まっています。
そして、花びらのように見える黄色いお花とセットになって、
私たちがイメージするひまわりのお花の形になっています。
この小さいお花ですが、外側から順に少しずつ咲いていきます。
咲いた状態とまだつぼみの状態では色が違いますから、
その色の違いによって、どれ位の数のお花が咲いているのか
分かるんだそうです。
そして、ひまわりの種というのは、この小さいお花の種のことなんです。
お花の数の分だけ種がなりますから、お花の数と種の数は
同じということになります。
具体的な種の数はひまわりの大きさによって違いますが、
大きいものだと1500から3000ともいわれています。
そして、花びらのように見えるお花ですが、色が黄色いのは
目立つことで虫たちを引き付ける役割がある・・・とも
言われています。
でも、花びらが茶色い種類のひまわりもあるそうです。
また、花びらのように見えるお花には
おしべもめしべもありませんので、種はできないそうです。
こうしたひまわりのようなお花の構造は、
キク科のお花の特徴でもあるそうです。
え~、ひまわりは大きなお花ひとつと思っていましたが、
小さなお花の集合体だったんですネ。
お花って奥が深いですネ。
子供の頃、ひまわりの絵を描くと、丸を描いて、
中に縦線横線を描いて、その周りに花びらを描いて終わり・・・でした。
そんな単純なものではなく、
見れば見るほど複雑な構成になっているんですネ。
7/30(金) 『ひまわりの不思議な法則』
ひまわりの中心には、種となる小さなお花がたくさん並んでいますが、
その並び方は中心から外に向かって、らせん状になっています。
さらによく見ると、同じらせん状でも左回りと右回りがあるんです。
それぞれ並んでいるお花の数を数えていくと、
ひまわりの大きさに関係なく、必ず3つのパターンのどれかになります。
その①:『左回りに21、右回りに34』、
その②:『左回りに34、右回りに55』、
その③:『左回りに55、右回りに89』。
この21、34、55、89という数字の並びですが、
“隣同士の数の合計”が規則正しく並んだものなんですネ。
実際に計算してみると、21と34を足すと55、
34と55を足すと89になりますよネ。
この数字の並びのことを『フィボナッチ数列』といいます。
ひまわりの場合、この数列どおりにらせん状に並ぶと、
一番たくさん並べることができるそうなんです。
そうすることで種を少しでも多くつけて、
子孫を残そうとしているそうです。
この『フィボナッチ数列』に基づいたらせん状は、ひまわり以外にも
松ぼっくりですとか、アンモナイトやオウムガイの殻、台風など
自然界に数多く見られるんだそうです。
ん~、不思議な現象なんですネ。
誰に習ったわけでもないのに、
子孫を残そうとする“本能”と呼ぶものでしょうかねぇ。
■今週の感想
これまで何度かリスナーの方からの
『〇〇のテーマで話してください』というリクエストにお応えして、
テーマにさせていただいたことがありますが、
今回の『ひまわり』もそうなんです。
メールの文面からすると、小学生の女の子のように思えましたが、
(違っていたらゴメンなさい)、いかがでしたでしょうか?
番組でもお話しましたが、
私にとってひまわりは太陽のようなお花で、
明るくて堂々としていて、見ているだけで元気になれるお花です。
コロナ禍でも今年も元気に咲いているひまわりを見て、
“私も頑張ろう!”という気持ちになります。
この夏もひまわりからパワーを頂きたいと思います。
【お知らせ① 次週(8/2~)からのテーマ】
生でも煮ても焼いても美味しい野菜、『タマネギ』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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