“夜空に咲く大きなお花”『花火』についてです。
■今週(6/28~7/2)のテーマ:『花火』
6/28(月) 『花火の仕組み』
花火は法律用語で『煙火(えんか)』と呼ばれています。
花火大会などで使われる打ち上げ花火や仕掛け花火のことも
煙火といいます。
そんな花火の色ですが、花火の火薬に含まれる金属の違いによって
決まります。
同じ金属でも燃える時に出る炎の色は違っていて、
例えばナトリウムなら黄色、ストロンチウムだと赤色、
銅の場合は青色になります。
これを『炎色反応』といいますが
花火はこれを利用しています
打ち上げ花火に使われる花火は丸い形をしているので
『花火玉』といいますが、一般的な打ち上げ花火の場合、
大きな花火玉の中に2種類の火薬が入っています。
1つは『割り薬』。
上空で花火玉を包む皮の部分を割るための火薬。
もう1つは『星』。丸い粒状の火薬です。
この星には炎色反応を起こす金属が含まれていて、
上空で燃えることによって様々な色を出します。
つまり、この星が花火の光の1つずつということです。
そして、花火の火薬と星の詰め方によって、
いろいろな形の花火ができます。
説明していても、私も分かったような、分からないような感じですが(笑)
火薬と金属を混ぜた『星』によって、
あのようなたくさんの光を夜空に放つ・・・ということでしょうかネ。
誰が最初に考えたんでしょうネ。
6/29(火) 『花火の歴史』
花火の始まりについては諸説ありますが、紀元前、
中国の秦の始皇帝の時代、
万里の長城で使われた狼煙(のろし)とする説が有力です。
狼煙とは火を焚いて煙を高く上げて、
離れた場所からその煙を確認するもので、
警報や合図として使われていました。
さらに唐の時代に火薬が発明されたことが、
花火の始まりという説もあります。
その後、主に軍事用に使われていた火薬が“見て楽しむ花火”として
発展したのは、14世紀頃のイタリアといわれています。
キリスト教のお祭りに火花や音を出す花火が登場し、
やがてヨーロッパ各地に広まっていきました。
日本に花火が伝わったのは、16世紀の戦国時代の頃です。
当初は主に狼煙として使われていて、現在のような
“見て楽しむ花火”が登場するのは江戸時代になってからです。
そして1733年には“記録に残る花火大会”としては、
日本で最も古い歴史を持つ隅田川花火大会が行われました。
花火が打ち上がった時、“た〜まや〜”“か〜ぎや〜”という
掛け声が聞こえる時がありますが、これは隅田川花火大会を
担当していた花火師さんの屋号、『玉屋』と『鍵屋』のことなんですって。
江戸の人たちは、それぞれの花火をほめたたえて
“た〜まや〜”“か〜ぎや〜”と声を掛けていました。
なるほど。江戸っ子から始まったんですネ。
当初は軍事用、そして楽しめる花火に変わっていったんですネ。
夜の空を鮮やかに彩る打ち上げ花火。
本当にステキで、“夏”っていう感じがしますネ。
6/30(水) 『花火の種類』
花火は『打ち上げ花火』、『仕掛け花火』、『玩具(がんぐ)花火』の
3つの種類に分けられます。
同じ打ち上げ花火でも大きく、『割物(わりもの)』、
『小割物(こわりもの)』、『ポカ物』の3つの種類があります。
『割物』とは美しい球の形に開く、日本固有の花火です。
代表的なものとして、花火の中心から星が尾を引いたように
丸く見える『菊』。
尾を引かずに、光の点が集まったように見える『牡丹』があります。
『小割物』は『半割物(はんわりもの)』ともいいます。
大きな花火玉の中に、小さな花火玉がたくさん詰められていて、
いくつもの小さな花火が同時に開きます。
『ポカ物』は花火玉が上空に達した時に、くす玉のように
ポカッと2つに割れる花火です。
運動会の開催などをお知らせする時に打ち上げられる
“音だけの花火”も、この『ポカ物』の仲間です。
『仕掛け花火』はいくつもの花火を使って、ロゴやイラストなど
様々な演出をする花火です。
次々と連続して打ち上げられる『スターマイン』も
この仕掛け花火の一種です。
そして『玩具花火』とは、手で持って楽しむ手持ち花火や
線香花火といった市販の花火のことです。
『おもちゃ花火』とも呼ばれています。
そういう種類があるんですネ。
今やっと頭の中が整理できました(汗)
パーッと打ち上がって、中心から外側に向かって
開くように見えるのが『菊』。
一度にパッと花開くのが『牡丹』と、私は覚えました。
私が一番好きな打ち上げ花火は、『しだれ柳』という花火だそうです。
花火は夏には絶対に欠かせないものですよネ。
見たくなってきましたネ。
7/1(木) 『花火大会の意義』
花火には“亡くなった方の魂を鎮める“という意味が込められています。
花火大会がお盆の時期に合わせて行われることが多いのも、
亡くなられた方の霊を送る『送り火』の目的があるためと
いわれています。
例えば、東京の隅田川花火大会の発端は、
江戸時代に飢饉で亡くなった方々の魂を鎮めるためでした。
また三重県の熊野大花火(くまのおおはなび)大会は、
新盆を迎えられる方の魂の供養が
本来の目的とされています。
そして、新潟の長岡花火には『慰霊』と『復興』、『平和への祈り』が
込められています。
戦時中の1945年(昭和20年)8月1日。
長岡への空襲によって、1488人もの尊い命が犠牲となりました。
その翌年の8月1日に『長岡復興祭』が開催され、
さらにその翌年には戦争で中断していた長岡の花火が復活しました。
現在、長岡の空襲が始まった8月1日夜10時30分に
慰霊のための花火が3発打ち上げられ、
2日・3日には大花火大会が行われています。
そんな長岡花火や熊野大花火大会ですが、新型コロナウイルスの影響で
昨年と今年は中止になってしまいました。
花火大会にはそういう意義があるんですネ。
美しく輝いて・・・でも、それも束の間、はかなくも夜空に消えていく花火は
人生そのものを表現しているようにも思えます。
どこか切なさを帯びていますよネ。
花火大会がまた開催されるようになったら、
今度はそういう気持ちで夜空をながめたいものです。
亡くなった方に想いを寄せて・・・
7/2(金) 『線香花火』
線香花火には、2つの種類があります。
1つは『スボ手牡丹(てぼたん)』。
西日本を中心に楽しまれているもので、
“スボ”とは藁(わら)のことです。
藁の細い管の中に火薬を入れ、お線香のように香炉に立てて
火をつけて楽しんだことから、その名が付いたとされています。
楽しむ時は火をつけた後、斜め上や横に向けます。
元々、お米作りが盛んな関西には藁が豊富にあったため、
藁を使った『スボ手牡丹』が関西を中心に親しまれ、
その後、西日本各地に広まっていきました。
もう1つの種類は『長手牡丹(ながてぼたん)』です。
こちらは東日本を中心に楽しまれていますが、
関東ではお米作りよりも紙すきが盛んだったため、藁の代用品として、
和紙で火薬を包んで作られました。
楽しむ時は火をつけた後、下に向けます。
線香花火は、火をつけてから落ちるまでの間に起承転結があり、
大きく4段階に変化します。
その姿はそれぞれ『牡丹』、『松葉』、『柳』、『散り菊』と名づけられ、
移り変わる様子は人生にも例えられています。
このように線香花火の燃え方は、まさに日本の伝統美ともいえます。
線香花火も関東と関西では違うんですネ。
でも線香花火を静かに持って、玉がポトッと落ちる瞬間は
切ないです。
“ハァ・・・終わっちゃった”という感じがたまらないです。
夜空を美しく彩る打ち上げ花火。
仲良しで集まって、お互いの顔を明るく照らすおもちゃ花火。
なんにつけ花火は素敵な文化ですネ。
■今週の感想
日本の夏の風物詩でもある花火大会ですが、
新型コロナウイルスの影響で昨年に続いて、
今年も中止が相次いでいます。
番組でご紹介した三重の熊野大花火大会、
新潟の長岡花火の他に、東京の隅田川花火大会も
当初は10月に延期して開催される予定でしたが、
最終的に中止になってしまいました。
浴衣を着た女性の姿や、
目を輝かせながら夜空を見上げる子供たちの姿。
一昨年までは当たり前だったあの夏の日常が、
来年は必ず戻って来てくれることを願わずにいられません。
花火は日本の夏に欠かせない文化ですから・・・
【お知らせ① 次週(7/5~)からのテーマ】
夏をイメージさせる食べ物の1つ、『スイカ』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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